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庵はただ、呆然と夜神達の戦いを見ていた。
全てにおいて動きが早すぎる。夜神と吸血鬼の剣と刀との攻防などほとんど見えない。
そして、「高位クラス武器」の凄さ。
武器自体に意思があり使い手を選ぶ。力だけではけして武器は応えてくれない。
そして、武器が使い手を選ぶと力を貸してくれる。そしてその恩恵の一部なのか、使い手は身体機能が飛躍的に高くなる。勿論、限度はあるが訓練された人間は、一般の人よりも視力が良かったり、体力が著しく上昇したりと様々だ。
夜神ももちろんその恩恵を受けているのは分かる。が、それでも全てにおいて、周りとの差があるのが分かる。
これが軍のトップクラスの実力・・・・
庵は改めて己の上司が、異次元クラスの実力を持っていることに冷や汗をかいた。午前中にあった道場でのやり取りなど、夜神にとっては朝飯前の出来事なのだと庵は思ってしまう。
息をするのも忘れるぐらい、夜神の戦闘を見ていたが、やがて夜神は吸血鬼の首をはねて戦闘を終わらせる。
刀に付いた血を振り落として鞘にしまう。するとこちらを見たと思ったら急に走り出してきた。
「庵君!!今から行くよ!!急いで」
「へっ?」
庵は正直、夜神が何を言っているのか分からなかった。
今から行く?急ぐ?何処に行こうとする?
「何処に行くんですか?」
庵は分からなさすぎて、夜神に確認した
「何言ってるの?今からD・Cクラスの討伐に行くよ。学生はそっちに行ってるんだから、ほら庵君も急いで」
「あっ・・・確かにそうでした。えっ?夜神中佐、目が赤いですけど大丈夫ですか?怪我ですか?」
こちらに向かって走ってきた夜神が、庵の腕を引っ張って森の中に行こうとする。
その時、夜神の顔を見た庵は瞳が白色でなく赤くなっているのに気が付いて声をかける。もし、怪我をしているのならば、先に手当をしないと。
「あっ~・・・・・・これは怪我ではないの。色素が薄いためか、体を動かすと体内の血流が良くなって目が赤くなるの。以前話していた秘密はこれ。これから一緒に行動していくと、度々こんな風になるから宜しく。最初は慣れないかもだけど」
腕を引っ張っていた動きを止めて、夜神は庵を見て少し声のトーンを落として話した。
ほんの数時間前の話だったが、自分の話をするのは何とも言えない。たが、気になるのはしょうがないのだから、気になったときに話せばいいだけ。
夜神は庵の気遣いに、いつもの微笑みで返す。
そんな夜神を見て、庵は少し安心した。
怪我でなく体質の問題であり、それも何かしらの命の危険なものでないのであれば、それ以上は聞かない方がいいのかもしれない。
夜神が、答えているときに少し寂しそうな感じがしたからだ。ならばこの話はここで終わらせて、次のとんでもない発言を改めて聞かなければいけない。
庵は少し裏返った声を上げて、夜神のもう一つの重大な話に対して、質問する。
「今から行くんですか!?間に合わないのかもしれないですよ」
出来れば行きたくない。間に合わなければいいのに。D・Cクラスといえど怖いものは怖い。
だが、夜神はいつもの微笑みよりも更に上を行くニッコリの笑顔で
「大丈夫!走れば間に合うし。私も一緒に付き合うから」
と言われて、腕を引っ張って庵を森の中に連れて行った。
後ろから全てのAクラスの討伐が終わった、七海達が笑顔で
「頑張れよー庵青年!俺らは後から合流するから~死ぬなよ~」
物騒な言葉を庵に贈るのであった。
全てにおいて動きが早すぎる。夜神と吸血鬼の剣と刀との攻防などほとんど見えない。
そして、「高位クラス武器」の凄さ。
武器自体に意思があり使い手を選ぶ。力だけではけして武器は応えてくれない。
そして、武器が使い手を選ぶと力を貸してくれる。そしてその恩恵の一部なのか、使い手は身体機能が飛躍的に高くなる。勿論、限度はあるが訓練された人間は、一般の人よりも視力が良かったり、体力が著しく上昇したりと様々だ。
夜神ももちろんその恩恵を受けているのは分かる。が、それでも全てにおいて、周りとの差があるのが分かる。
これが軍のトップクラスの実力・・・・
庵は改めて己の上司が、異次元クラスの実力を持っていることに冷や汗をかいた。午前中にあった道場でのやり取りなど、夜神にとっては朝飯前の出来事なのだと庵は思ってしまう。
息をするのも忘れるぐらい、夜神の戦闘を見ていたが、やがて夜神は吸血鬼の首をはねて戦闘を終わらせる。
刀に付いた血を振り落として鞘にしまう。するとこちらを見たと思ったら急に走り出してきた。
「庵君!!今から行くよ!!急いで」
「へっ?」
庵は正直、夜神が何を言っているのか分からなかった。
今から行く?急ぐ?何処に行こうとする?
「何処に行くんですか?」
庵は分からなさすぎて、夜神に確認した
「何言ってるの?今からD・Cクラスの討伐に行くよ。学生はそっちに行ってるんだから、ほら庵君も急いで」
「あっ・・・確かにそうでした。えっ?夜神中佐、目が赤いですけど大丈夫ですか?怪我ですか?」
こちらに向かって走ってきた夜神が、庵の腕を引っ張って森の中に行こうとする。
その時、夜神の顔を見た庵は瞳が白色でなく赤くなっているのに気が付いて声をかける。もし、怪我をしているのならば、先に手当をしないと。
「あっ~・・・・・・これは怪我ではないの。色素が薄いためか、体を動かすと体内の血流が良くなって目が赤くなるの。以前話していた秘密はこれ。これから一緒に行動していくと、度々こんな風になるから宜しく。最初は慣れないかもだけど」
腕を引っ張っていた動きを止めて、夜神は庵を見て少し声のトーンを落として話した。
ほんの数時間前の話だったが、自分の話をするのは何とも言えない。たが、気になるのはしょうがないのだから、気になったときに話せばいいだけ。
夜神は庵の気遣いに、いつもの微笑みで返す。
そんな夜神を見て、庵は少し安心した。
怪我でなく体質の問題であり、それも何かしらの命の危険なものでないのであれば、それ以上は聞かない方がいいのかもしれない。
夜神が、答えているときに少し寂しそうな感じがしたからだ。ならばこの話はここで終わらせて、次のとんでもない発言を改めて聞かなければいけない。
庵は少し裏返った声を上げて、夜神のもう一つの重大な話に対して、質問する。
「今から行くんですか!?間に合わないのかもしれないですよ」
出来れば行きたくない。間に合わなければいいのに。D・Cクラスといえど怖いものは怖い。
だが、夜神はいつもの微笑みよりも更に上を行くニッコリの笑顔で
「大丈夫!走れば間に合うし。私も一緒に付き合うから」
と言われて、腕を引っ張って庵を森の中に連れて行った。
後ろから全てのAクラスの討伐が終わった、七海達が笑顔で
「頑張れよー庵青年!俺らは後から合流するから~死ぬなよ~」
物騒な言葉を庵に贈るのであった。
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