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次の目的地に行くため廊下を歩いていると、反対側から七海が「よっ!」と片手を上げて挨拶する
「今度は、どんな地獄の訓練するんだ?庵青年」
「次は、体術を見てもらいます。七海少佐はこれから事務処理ですか?」
「そ~なんだよ~。あ~ダルい。書類とか本当に面倒くせ~。けど、しないといけないんだよな~」

ため息混じりで本当に嫌だ!と言ってくる。
それを見ていた夜神は「また、いい出した」と顔に思いっ切り書いていたが、微笑みながら
「諦めるしかないでしょう。室長から催促されてるんでしょう。この前の報告書がまだないっ!って室長怒ってたよ。いい加減、室長の胃を痛めるのをやめないと、室長キレるよ」
室長の話をすると、苦笑いで「あ~それはヤバいな~」と頭を掻きながらボヤいている

虎次郎のいい加減さは、皆知っているので今更直す努力はしないが、ある程度は守れるので、そこで妥協しているのが本当はいい事かどうかは不明だ
けど、なんだかんだで頼りになる「お兄さん」であることは間違いないので、とても得な人でもある

そんな三人で他愛ない話をしていたら、突然、警報音が鳴り響く
「えっ?これって警報音?で、ですよね!」
音を聞いた、夜神と七海は顔を引き締めて駆け足になる。
庵はビックリして固まってしまつた
「庵君!!急いで部屋に戻るよ。奴らが現れた」
「まったく、青年も災難だな。初日からこんなことになるなんて」
「わ、分かりました」
三人は急ぎ部屋に戻る。部屋の中では式部が部屋に設置されているモニターを見ていた。

警報音が終わると、司令部からの指示がスピーカーから流れてくる
『第一ゲートより、Dクラス・Cクラスの多数を確認!また、Aクラス四・Sクラスニ!SクラスはWSダブルエス一を確認してます。目的地の予測は本部付近!第一室並びに第二室の動ける部隊は即座に対応を、又第三室から第十室の教育係とその部隊並びに学生も対処に向かって下さい!!繰り返します・・・・・』

AクラスにSクラス?!そのうちWSだと。いきなり実戦とか恐怖以外の何者でもない。
庵は司令を聞きながら、心臓の鼓動が早くなるのを感じていた

まさかの初日に出動とか、それも学生を出すとか上は何を考えているのだろう?

夜神は庵の方を見ると、青い顔をして下を向いていた。
「庵君!庵君!」
「・・・・・・あっ、はい!なんでしょう?」

大丈夫かな?心ここにあらずな庵を見て心配になる。初日にこんなことになるのだから、それも仕方がないのかもしれない

「庵君。まず、落ち着こうか。それから復習ね。DクラスからAクラスとSクラスの特徴はなに?」
「えっ、はい。Dクラスは昆虫型と言われCクラスは動物型。この二クラスは吸血行動の確認はなく、主に破壊活動が目的です。Bクラスからは人型で吸血行動があります。Aクラスは我々のような軍人で訓練を受けているものです。Bクラスは簡単にいえば訓練を受けていない、一般人の位置にいます。Sクラスは貴族階級でこの五クラスの中ではトップの位置にいます。これでいいでしょうか?」
「うん、正解。そして落ち着けたね。良かった」
「あっ・・・・落ち着けました」

夜神の突然の復習で、落ち着いている自分にビックリしていた。こんな落ち着かせ方があるのかと驚く
「大丈夫だよ、庵青年。学生達は主にD・Cクラスだから安心しろ。その分俺たちが高位クラスを対応する。安心しろ」

七海が苦笑いで庵の頭をクシャクシャにする。されるがままでいたが、その行為でなぜか安心してしまう。
「それにしても、貴族とは。クラスと数からしてあいつら「狩り」目的か」
「きっとそうね。まったく、ゆっくりと事務処理も出来ないなんて」
七海と式部は予測たてながら、お互いの準備を始める。
だが、準備と言ってもグローブを引き出しから出したりするぐらいだ。

「高位クラス武器保持者」は武器の携帯は許可されている。
あと、必要な公式銃や刀などは武器保管庫から取りに行く。
庵達学生も武器はまだないので、保管庫から持ち出す。
この公式の武器は「模擬武器」と言われるもので「高位クラス武器」を真似て作ったものだ。
威力は劣るがAクラスの吸血鬼でも、破壊されてしまうが何とか対応は出来る作りになっている

各々おのおのが簡単な準備をしていくなかで、庵は高鳴る心臓を落ち着かせようと深呼吸をする。
それを見ていた夜神は庵の名前を呼び、こちらを見た庵に微笑み、そして
「大丈夫よ。何かあっても私が守るから。Sクラスの戦い方をしっかりと見ていてね。チャチャッと片付けて、Dクラスと戦おうね」
何故か頼もしい言葉を庵に伝える。
その言葉をビックリしながらも、納得した顔で頷くと夜神は安心したのであった。
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