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少年期
卒業
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季節が移り変わり、時もまた、移り変わる。
子供だった少年は、何時しか青年となって、立派に育つ。
健気だった少女は、花の蜜を携えて成長する。
見守る者も、また成長し、世界も動き出す。
新たな種の入学する前日。
育った花たちは、卒業する。
それが、この学園という仕組みである。
今日、俺達は卒業する。
目前に広がる、大きなアーチと魔法の雨が、それを祝福してくれる。
入学してから五年。
十二歳まで成長した俺とカレンは、リリナより一足先に卒業となる。
リリナも、その才能から学年でトップを誇る実力者となっている。
それと同時に、かなり人気があるため、充実した毎日を過ごせているようだ。
俺はといえば、新しい適正やスキルはほぼ取得していないが、基礎的な能力は向上した。
といよりかは、階段を一気に吹っ飛ばしたくらいには成長した。
こう、前方に向かって拳を突き出すと、暴風が巻き起こるくらいには。
その代償として、二つ名が確定してしまったのは誤算だった。
それと、友人も少しだけ出来たのだが、それは割愛させてもらおう。
こうして、卒業する俺とカレンは、これから仕事がある。
正確には、”義務”があるといっても過言では無いだろう。
既に、各国の軍は動き出している。
此処、レビテント王国は今、二カ国からの宣戦布告を受けているのだ。
隣にある、<ゼスファイア帝国>から200,000の戦力が。
海の向こうにある、<リールフィット教国>から、180,000の戦力が。
これに対抗するために、レビテント王国は、俺とカレンの二人の戦力投入を決定した。
そのため、ゼスファイア帝国の全戦力との戦闘を俺とカレン、それと10,000の兵で行うことになった。
この兵の少なさは、俺の戦力とカレンの戦力を考えた結果だそうだ。
それと、多すぎると俺の魔法の被害があるから、だそうだ。
これには納得出来るので、俺は反対しなかった。
カレンは、少しだけ反対したようだが、国王に何かを言われて黙っていた。
とりあえず、そんな理由から、これから戦争に向かうのだ。
まあ、雰囲気としては”運動”なのだが。
カレンも、俺の”付与”と、自身の努力によってかなり強くなった。
騎士団長と魔道師団長の二人を目を瞑って倒せるくらいだ。
ん?何故そんな戦いをしたのかって?面白いからだよ。
子供が目を瞑って国の最高峰を圧倒するとか、どんな娯楽だよとか考えた訳だよ。
結果として、カレンも二つ名を頂いた訳なのだが。
黒帝リュウ・シルバー
白銀の華カレン・シルバー
まさに、差恥心が削られるね。
「じゃ、行こうか?」
「ええ」
「”限界突破”」
身体を虹色の粒子が包み、輝きを放つ。
その状態でカレンを抱っこして、俺は跳躍した。
目指すは国の国境砦だ。
そこに、配属された兵士達が待っている。
太陽が照りつける中、俺とカレンは戦争のために、空を飛行していった。
この戦争で、何が起きるのかは、誰にも分からない。
しかし、密かに神の思惑が混ざっている事は、太陽だけが知っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~帝国帝都~
「どういうことだ!?何故魔獣達がはッ!?」
「隊長!?」
叫び声を上げた隊長と呼ばれる男は、その心臓を貫かれて息絶えた。
それを見て悲鳴を上げた兵士は、気付くことすら無く他界した。
皆、死んだ。
兵も、家族も、貴族も、親も。
残されたのは、帝都と、1人の男と――何者かによって始まった戦争のみ。
その光景を見て、不気味に笑みを浮かべる影はたった一つ。
それは、近付く決戦に向けるように強い瞳を以って、1つの方角へと眼を向けた。
「サテ、ダレガアヤツナノカ・・・・・・・・・・・・」
その魂は、世界を拒み。
その魂を、世界は拒む。
何時しか、黒く染め上げられた魂は、やがて惹かれるように憑く。
最も拒み、最も拒まれた存在に。
それは、もしかしたら、運命という言葉で表せるのかもしれない。
全てを生み出す者と、全てを壊したい者。
両者が出会うのは、すぐそこ。
そして、出会うのであれば、別れもすぐであると、それは道理。
さあ、私を魅せてくださいね?
THE 少年期編 完
子供だった少年は、何時しか青年となって、立派に育つ。
健気だった少女は、花の蜜を携えて成長する。
見守る者も、また成長し、世界も動き出す。
新たな種の入学する前日。
育った花たちは、卒業する。
それが、この学園という仕組みである。
今日、俺達は卒業する。
目前に広がる、大きなアーチと魔法の雨が、それを祝福してくれる。
入学してから五年。
十二歳まで成長した俺とカレンは、リリナより一足先に卒業となる。
リリナも、その才能から学年でトップを誇る実力者となっている。
それと同時に、かなり人気があるため、充実した毎日を過ごせているようだ。
俺はといえば、新しい適正やスキルはほぼ取得していないが、基礎的な能力は向上した。
といよりかは、階段を一気に吹っ飛ばしたくらいには成長した。
こう、前方に向かって拳を突き出すと、暴風が巻き起こるくらいには。
その代償として、二つ名が確定してしまったのは誤算だった。
それと、友人も少しだけ出来たのだが、それは割愛させてもらおう。
こうして、卒業する俺とカレンは、これから仕事がある。
正確には、”義務”があるといっても過言では無いだろう。
既に、各国の軍は動き出している。
此処、レビテント王国は今、二カ国からの宣戦布告を受けているのだ。
隣にある、<ゼスファイア帝国>から200,000の戦力が。
海の向こうにある、<リールフィット教国>から、180,000の戦力が。
これに対抗するために、レビテント王国は、俺とカレンの二人の戦力投入を決定した。
そのため、ゼスファイア帝国の全戦力との戦闘を俺とカレン、それと10,000の兵で行うことになった。
この兵の少なさは、俺の戦力とカレンの戦力を考えた結果だそうだ。
それと、多すぎると俺の魔法の被害があるから、だそうだ。
これには納得出来るので、俺は反対しなかった。
カレンは、少しだけ反対したようだが、国王に何かを言われて黙っていた。
とりあえず、そんな理由から、これから戦争に向かうのだ。
まあ、雰囲気としては”運動”なのだが。
カレンも、俺の”付与”と、自身の努力によってかなり強くなった。
騎士団長と魔道師団長の二人を目を瞑って倒せるくらいだ。
ん?何故そんな戦いをしたのかって?面白いからだよ。
子供が目を瞑って国の最高峰を圧倒するとか、どんな娯楽だよとか考えた訳だよ。
結果として、カレンも二つ名を頂いた訳なのだが。
黒帝リュウ・シルバー
白銀の華カレン・シルバー
まさに、差恥心が削られるね。
「じゃ、行こうか?」
「ええ」
「”限界突破”」
身体を虹色の粒子が包み、輝きを放つ。
その状態でカレンを抱っこして、俺は跳躍した。
目指すは国の国境砦だ。
そこに、配属された兵士達が待っている。
太陽が照りつける中、俺とカレンは戦争のために、空を飛行していった。
この戦争で、何が起きるのかは、誰にも分からない。
しかし、密かに神の思惑が混ざっている事は、太陽だけが知っていた。
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~帝国帝都~
「どういうことだ!?何故魔獣達がはッ!?」
「隊長!?」
叫び声を上げた隊長と呼ばれる男は、その心臓を貫かれて息絶えた。
それを見て悲鳴を上げた兵士は、気付くことすら無く他界した。
皆、死んだ。
兵も、家族も、貴族も、親も。
残されたのは、帝都と、1人の男と――何者かによって始まった戦争のみ。
その光景を見て、不気味に笑みを浮かべる影はたった一つ。
それは、近付く決戦に向けるように強い瞳を以って、1つの方角へと眼を向けた。
「サテ、ダレガアヤツナノカ・・・・・・・・・・・・」
その魂は、世界を拒み。
その魂を、世界は拒む。
何時しか、黒く染め上げられた魂は、やがて惹かれるように憑く。
最も拒み、最も拒まれた存在に。
それは、もしかしたら、運命という言葉で表せるのかもしれない。
全てを生み出す者と、全てを壊したい者。
両者が出会うのは、すぐそこ。
そして、出会うのであれば、別れもすぐであると、それは道理。
さあ、私を魅せてくださいね?
THE 少年期編 完
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