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「登録者数増やすにはどーしたらいいかなーーー」
中学校からの帰り道、李衣菜ちゃんは伸びをしながら、話している。
小さいころからの幼馴染ひー君と、転校先で仲良くなった李衣菜ちゃんが一緒にいるのはなんかちょっと変な気分。
「うーーん。MikMokといえば踊ってみたとか歌ってみただけど」
「どっちもあんまり伸びないんだよねー」
「帰ったら、ちょっと作戦会議しようか。ね、ひー君、もしよかったら家に来て一緒に考えてくれない?」
「えーー、めんど……」
「ひー君の好きなゼリー用意しているよ。今日のは、サイダーを注ぐ宇宙のゼリー。予約1か月待ちのやつ」
「……行く」
めんどくさがりのひー君を動かすにはスイーツ。
これは昔から変わらないみたい。
ゼリーは水色から紫のグラデーション。その中に散りばめられた金粉がまるで、星空のよう。
そのゼリーをスプーンですくって細長いグラスに入れて、仕上げに強炭酸のサイダーとシロップを注ぎ入れて完成。
「んーーーー!!これっ!おいしーーー!!」
「炭酸がはじけるねー。ゼリーも美味しい。ど?ひー君の好みじゃない?」
「うん、うまい」
ゼリーをお取り寄せで頼んだ時には、ひー君と食べることなんて想定していなかったけど、こんな風に一緒に食べられてよかった。
欲張って5人分頼んでいたのが功を奏した。
「はー、おいしかった!ごちそうさまっ!!」
「じゃー、作戦会議だね!さて、どうしようか」
私はゼリーを片付けて、リビングにモニターを持ってきた。
こうしたら、携帯の画面がモニターに大きく映し出されて、見やすいから、作戦会議にはもってこいだ。
「この中で、一番伸びているのは踊ってみた動画ーー。でも2万再生なのーー」
流行のアニメのアイドル曲で踊っている動画は、李衣菜ちゃんの可愛さもあって、なかなかに伸びている。
でも、登録者が増えたわけじゃないみたい。
「歌ってみたも、別に李衣菜そんなに歌うまくないから、伸びないし―」
こちらは2百再生とかしかされていない。
チャンネルのファンがつかないと、その人の関連動画を見ようと思う人が少ないからだ。
「ーーー。これ、瀬口のチャンネルのテーマとかってなんなわけ?」
苗字にさんづけをするのが、私達の小学校のルールだから、苗字の呼び捨てに少しびっくりする。
ひー君が、なんか知らない男の子みたいに感じる。
「えっ?別にテーマとかないよー。りいな、その時流行ってるやつやってるだけだし」
李衣菜ちゃんはいつでもだれとでも仲良くなっちゃうタイプだから、何も物怖じしていない。
クラスメイトみたいに話している。
「それじゃあ、テーマに沿ったものか、瀬口が得意なこととかに絞ってみるのがいいんじゃないか。ほら、人気Ttuberだって、ゲームチャンネルと本チャンネル分けたりしているだろ?」
さすが、頭のいいひー君は言うことが違う。
「そっか。私はハンドメイド、ひー君は勉強って一つの事をやってるんだ」
「えー、りいな別に得意なことなんか……」
「何言ってるの、李衣菜ちゃん!!李衣菜ちゃんは運動もできるし、可愛いし、誰とでもすぐ仲良くなれるし、おしゃれだしじゃない!!むしろ得意なことだらけだよ」
ひー君は、携帯電話で、何やら検索している。
「今女子に人気のジャンルは、芸能人のチャンネルに、メイク、ゲーム実況、日常Vlog系、おもちゃ紹介系、歌ってみた系、ファッション系など……だそうだけど。日常Vlog系は、そもそもおもちゃ紹介系で人気になった人がやっているな」
ひー君は調べてくれたことをモニターに映し出した。
「わー、全部知っているチャンネル―。でも、私ゲームできないし、おもちゃ興味ないから買ってないし、歌もダメ。メイクはそんなに詳しくないし、できるとしたら、ファッション系かなーー?」
「そうだよ、李衣菜ちゃん、お洒落だし!」
「ファッション系でも、ジャンルがあって、そうだな……買ったものをひたすら紹介するやつとか、何この骨格診断っての?あとは変身ビフォアーアフターチャンネルとか……だって?」
調べはしたものの、内容がよくわかっていないのか、ひー君は首を傾げながら画面に次々映し出していく。
「骨格診断っ!?知ってるよ!李衣菜のママ、イメコンだもん!!」
「何イメコンって??」
イメコンとはイメージコンサルタントのこと。その人が生まれ持った肌や髪、瞳の色などに合う色や、骨格や顔の形をもとに、その人に似合うメイクやファッションや髪型などの外見をその人に合わせてプロデュースする人のこと。
「ーーーって、ああ、あの、政治家が選挙の前にやっているの見たわ」
逆に、そんな番組を見たことのない私と李衣菜ちゃんは、顔を見合わせる。
その人によって知っていることの幅が違いすぎる。
中学校からの帰り道、李衣菜ちゃんは伸びをしながら、話している。
小さいころからの幼馴染ひー君と、転校先で仲良くなった李衣菜ちゃんが一緒にいるのはなんかちょっと変な気分。
「うーーん。MikMokといえば踊ってみたとか歌ってみただけど」
「どっちもあんまり伸びないんだよねー」
「帰ったら、ちょっと作戦会議しようか。ね、ひー君、もしよかったら家に来て一緒に考えてくれない?」
「えーー、めんど……」
「ひー君の好きなゼリー用意しているよ。今日のは、サイダーを注ぐ宇宙のゼリー。予約1か月待ちのやつ」
「……行く」
めんどくさがりのひー君を動かすにはスイーツ。
これは昔から変わらないみたい。
ゼリーは水色から紫のグラデーション。その中に散りばめられた金粉がまるで、星空のよう。
そのゼリーをスプーンですくって細長いグラスに入れて、仕上げに強炭酸のサイダーとシロップを注ぎ入れて完成。
「んーーーー!!これっ!おいしーーー!!」
「炭酸がはじけるねー。ゼリーも美味しい。ど?ひー君の好みじゃない?」
「うん、うまい」
ゼリーをお取り寄せで頼んだ時には、ひー君と食べることなんて想定していなかったけど、こんな風に一緒に食べられてよかった。
欲張って5人分頼んでいたのが功を奏した。
「はー、おいしかった!ごちそうさまっ!!」
「じゃー、作戦会議だね!さて、どうしようか」
私はゼリーを片付けて、リビングにモニターを持ってきた。
こうしたら、携帯の画面がモニターに大きく映し出されて、見やすいから、作戦会議にはもってこいだ。
「この中で、一番伸びているのは踊ってみた動画ーー。でも2万再生なのーー」
流行のアニメのアイドル曲で踊っている動画は、李衣菜ちゃんの可愛さもあって、なかなかに伸びている。
でも、登録者が増えたわけじゃないみたい。
「歌ってみたも、別に李衣菜そんなに歌うまくないから、伸びないし―」
こちらは2百再生とかしかされていない。
チャンネルのファンがつかないと、その人の関連動画を見ようと思う人が少ないからだ。
「ーーー。これ、瀬口のチャンネルのテーマとかってなんなわけ?」
苗字にさんづけをするのが、私達の小学校のルールだから、苗字の呼び捨てに少しびっくりする。
ひー君が、なんか知らない男の子みたいに感じる。
「えっ?別にテーマとかないよー。りいな、その時流行ってるやつやってるだけだし」
李衣菜ちゃんはいつでもだれとでも仲良くなっちゃうタイプだから、何も物怖じしていない。
クラスメイトみたいに話している。
「それじゃあ、テーマに沿ったものか、瀬口が得意なこととかに絞ってみるのがいいんじゃないか。ほら、人気Ttuberだって、ゲームチャンネルと本チャンネル分けたりしているだろ?」
さすが、頭のいいひー君は言うことが違う。
「そっか。私はハンドメイド、ひー君は勉強って一つの事をやってるんだ」
「えー、りいな別に得意なことなんか……」
「何言ってるの、李衣菜ちゃん!!李衣菜ちゃんは運動もできるし、可愛いし、誰とでもすぐ仲良くなれるし、おしゃれだしじゃない!!むしろ得意なことだらけだよ」
ひー君は、携帯電話で、何やら検索している。
「今女子に人気のジャンルは、芸能人のチャンネルに、メイク、ゲーム実況、日常Vlog系、おもちゃ紹介系、歌ってみた系、ファッション系など……だそうだけど。日常Vlog系は、そもそもおもちゃ紹介系で人気になった人がやっているな」
ひー君は調べてくれたことをモニターに映し出した。
「わー、全部知っているチャンネル―。でも、私ゲームできないし、おもちゃ興味ないから買ってないし、歌もダメ。メイクはそんなに詳しくないし、できるとしたら、ファッション系かなーー?」
「そうだよ、李衣菜ちゃん、お洒落だし!」
「ファッション系でも、ジャンルがあって、そうだな……買ったものをひたすら紹介するやつとか、何この骨格診断っての?あとは変身ビフォアーアフターチャンネルとか……だって?」
調べはしたものの、内容がよくわかっていないのか、ひー君は首を傾げながら画面に次々映し出していく。
「骨格診断っ!?知ってるよ!李衣菜のママ、イメコンだもん!!」
「何イメコンって??」
イメコンとはイメージコンサルタントのこと。その人が生まれ持った肌や髪、瞳の色などに合う色や、骨格や顔の形をもとに、その人に似合うメイクやファッションや髪型などの外見をその人に合わせてプロデュースする人のこと。
「ーーーって、ああ、あの、政治家が選挙の前にやっているの見たわ」
逆に、そんな番組を見たことのない私と李衣菜ちゃんは、顔を見合わせる。
その人によって知っていることの幅が違いすぎる。
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