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現代から不思議の国へ:少女時代

閑話 エリザベス様

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 閣下が目を覚まされた。
 その知らせをエリザベス様にお送りし、エリザベス様から面会のご依頼があった後、私はほっと致しました。閣下は軽傷ではあったものの、なかなか意識を取り戻されなかったので……。
 閣下はベッドボートに寄りかかるように座りました。

「ロイス。エリザベスが本邸に来ているのか?」
「ええ。2週間前から滞在なさっていらっしゃいます。閣下に意識がなかったものの、本邸に一族の者が1人もいらっしゃらないのは危険なので」
「そうか。エリザベスはどう過ごしていたのだ?」
「母に寄りますと、包帯を縫い続けていたようです」

 閣下はなぜ?、とでも言いたげに目を大きく開きました。
 その時、ノック音が響きました。

「エルサ様が到着いたしました」

 母上の声がし、ドアが開きました。母上に続き、エリザベス様も入室されました。
 ここ数日よく彼女と顔を合わせていました。人とよく話す子のようで、ピンク色がよく似合うとても親しみやすく可愛らしい娘さんです。また人並外れた美貌を持っており、あと5年か10年経てば更に美しくなるでしょう。更に多くの言語を操るそうで、素晴らしい努力家だと考えております。しかし、領主の第一夫人としては足りない能力もあります。閣下は彼女1人を妻にしたい、と望んでおられるそうですが、執務用にマカレナを第一夫人として入れた方が……。
 こちらの少し複雑な気持ちは知らず、エリザベス様はお辞儀をされました。閣下は頷きました。

「こちらに来なさい」
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