上 下
1 / 1

誕生日の前夜に思うこと。18歳の終わり、21歳の始まり

しおりを挟む
 溜まりに溜まったノートを整理していると、日記が出てきた。18歳最後の日に書いた日記が、授業のメモの隅に書かれていた。



 あの日は授業が終わった後、友達とデスティニーランドで遊びに行った。何なら次の日も遊ぶため、贅沢にもホテルに一泊して。私の誕生日の前日から。
 キャイキャイと買い物をした。1日目が終わる頃、私はノートの整理をするフリをして、ノートに思いの丈を綴った。

「もう少しで18歳が終わる。あと15分で終わる。
 なぜこんなにも気がはやるのだろう。あと10分。
 『18歳』という夢のような1年。19歳になってから1年も経てば『花の10代』が終わる。
 20歳になってから半年経てば、3年生になる。本格的に就活が始まる。まだ遊んでいたいのに!」



 ここで日記は終わっている。確か0時ピッタリに、友達とパーティをした。私の誕生日パーティを。

 もう3年の秋。未だに就活はしていない。何かと後回しにしてしまっている。なすべきことに目を向けないことで、時を留めようとしている。
 分かっているよ。
 私が蹲っていようが、寝そべっていようが、時の流れ続けている。むしろ、加速している。
 変わることが怖いを「今」のままでいい、変えたくない。変わり続ける時代、私はきっと溺れ死ぬ。
 分かっているよ。このままじゃダメなんだと。だからこそ、何かをしなくてはいけない。
 今年で21歳になるんだから。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

徹夜でレポート間に合わせて寝落ちしたら……

紫藤百零
大衆娯楽
トイレに間に合いませんでしたorz 徹夜で書き上げたレポートを提出し、そのまま眠りについた澪理。目覚めた時には尿意が限界ギリギリに。少しでも動けば漏らしてしまう大ピンチ! 望む場所はすぐ側なのになかなか辿り着けないジレンマ。 刻一刻と高まる尿意と戦う澪理の結末はいかに。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?

こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。 自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。 ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?

校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話

赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

処理中です...