Summer Vacation

セリーネス

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久志の婚約を報道したテレビ局は、なんとその日の夜のニュース番組と翌日の朝の情報番組で「不適切な発言と誤った内容を報道致しました事を深くお詫び申し上げます」と陳謝の放送を流したのだった。テレビ局が2度も陳謝する事等本当に珍しいので、ネットはまた騒然となっていた。
とは言え、夏休みの終了が目の前に差し迫待っているのも事実。部屋で久志に助けて貰いながら小論文と格闘していたら、貴美恵さんから呼ばれたので2人で階下へ行くと玄関であからさまに不機嫌な態度の雅鷹さんが2人の年配男性の応対をしていた。私達に気付いた雅鷹さんから手招きをされたので近付くと、彼等は件のテレビ局の社長と番組プロデューサーだと紹介された。そして2人は突然私に深く頭を下げてきたのだった。

「私共の軽率な報道により、大変不快な思いをさせてしまいました事を心よりお詫び申し上げます」

頭を下げられたけど、返答に困り私は困った表情で久志の方を見た。
私の腰に腕を回し私を軽く抱き寄せた久志は、低く冷たい声で目の前の倍以上は歳が離れているだろうと思われる2人を睨んだ。
 
「一体、何故あの様な放送をしたのですか?普通はきちんと裏を取ってから放映ってしますよね?」

久志の佇まいに2人は萎縮し「仰る通りです。きちんと調べもせずに放映しイェンゼン様含め木根家の皆様方にはご迷惑をお掛けしてしまい本当に深くお詫び申し上げます」とまた頭を下げた。

軽く肩をすくめた久志は、私の方を見た。

「佳夜は何か言いたい事はある?」

私も軽く首を傾げてから2人へ微笑んだ。

「あやまってモラえたのデ、ワタシはもう、オコッテいないデス。ダイスキなニホンをキライになりたくありません。どうか、これからもステキなばんぐみをつくってクダサイね」

「「!?」」

私から優しい言葉をかけられると思っていなかった2人は、顔を上げて驚いた表情になった。
雅鷹さんも私の言葉に軽く驚いた様子を見せたが、直ぐに笑顔を見せ「後は私が対応するから、2人は部屋に戻っていて良いよ」と、言ってくれたので久志と私は部屋に戻った。

「お疲れ、サラ」

「…あれで良かったの?」

「あぁ、上出来だ♪」

コンコン

ドアをノックして雅鷹さんと貴美恵さんが入ってきた。

「やあ、2人共お疲れ様」

雅鷹さんはにこにこと穏やかな笑顔を見せていた。やはり、先程の玄関での態度は演技だった様だ。

「佳夜ちゃんの笑顔と優しい心に骨抜きになって帰って行ったよ♪」

「容易に想像出来るよ。あの2人佳夜の笑顔を見て鼻の下が伸びていたし。…それにしても、社長まで出てくるなんて、親父一体何をしたんだ?」

昨夜、雅鷹さんの言う来客者は番組プロデューサーだろうと久志は推測し、情報を鵜呑みにして悪意を感じる放送の仕方をしたテレビ局には貸しを作ってやろう♪と久志はほくそ笑み、先程の様に対応しようと企んだのだった。
私の生い立ちは偽物だし遠縁の女性が取った行動も雅鷹さん曰く想定内。なので、実際にはこちらが怒る理由は無い。ただし、その遠縁とは完全に縁を切り今後木根家と関わらないで済む良い機会だったのでついでに利用させてもらう事にした訳だ。

「いや、私は何も?ただ、ちょっとドイツ大使館とオーストリア大使館の友人にネットニュースを観る様に伝えただけだよ?」

ニュースを観た2つの大使館が、直ぐ様直接テレビ局へ抗議したのだそうだ。社長は大使館からイェンゼン家について聞かされ、下手したら国際問題に発展すると気付き焦り出し慌てて放送を流し、木根家に謝罪に訪れたのだそうだ。

大使館が動くって……。雅鷹さんのご友人ってまさか大使じゃないよね!?

「…ゼラフィーネ・佳夜・イェンゼンって実際には存在しないのにそんなに大事にして大丈夫なんですか!?」

思わず青ざめてしまう。

「大丈夫♪たまたま彼等がイェンゼンのワインのファンだったから協力してくれたんだよ。それに彼等は私に借りもあるしね♪これで我が家のシミも消せたしテレビ局に貸しも作れたから一石二鳥だね♪」

どこまでもにこにこと笑顔で「持つべきものは良い友人達だよね♪」と言っている雅鷹さんだけど、実は木根家って今でも日本を裏で牛耳っているんじゃないの!?と思えてならなった。


※※※※※※※※※※※※※※※


「佳夜?」

黙ってしまっていた私を心配した久志から優しく抱き寄せられて頬に口付けを受けた。

「!? あ、ごめんナサイ。ボーッとしていました」

足を一歩踏み入れた時から別世界が広がり、きらめく空間と大勢の人々に圧倒された私は、久志とパーティー会場に来ていた事を忘れてついうっかり先週の出来事を回想してしまっていた。

「ごめんな、疲れたよな。あと1人挨拶したら端に行って休もうな❤」

「ハイ♪」

場馴れているだけあって久志は誰に対しても堂々と接しているけど、私には初体験過ぎる事ばかりでいつ自分のメッキが剥げるか不安で緊張し通しだった。

「おめでとうございます。和希さん」

「やぁ、久志君。ありがとう!…そうだ、久志君こそ婚約おめでとう!」

「ありがとうございます」

久志が握手を交わし談笑する相手は、完成したホテルの支配人に就任した社長の子息。年は私達より10歳上の只今25歳で独身。あの先輩の実のお兄さんでもある。
私は久志の後ろで微笑みを浮かべながら、この1週間で叩き込んだマナーや言葉遣い、そしてこのパーティーの出席者達の事細かな情報を頭の中で反芻していた。
パーティー会場に入ってからもうだいぶ経つ中で、久志は会う人達みんなから「婚約おめでとう!」と声を掛けられては私を紹介していった。
木根家の繋がりの広さに驚き、また久志の堂々とした姿に見惚れてしまった。

「それで?彼女が噂の婚約者かな?勿論僕に紹介してくれるよね?」

「えぇ♪」

久志は満面の笑顔で私の腰を抱き寄せた。

「ハジメまして、ゼラフィーネ・佳夜・イェンゼン、といいまス」

私はにっこりと微笑み、軽く膝を折った。

「日本語が上手ですね!…それにしても、こんなに可愛らしい女性なら久志君が婚約してしまうのも解るなぁ」

「えぇ、そうでしょう?出会った時から僕は佳夜しか見えていないんです」

「君がノロケるなんて!…明日は雨かな?」

和希さんは楽し気に笑って軽く久志の肩を叩いた。

「やれやれ、…綾子はそもそも眼中にも入っていなかったんだね」

「…すみません」

「謝る必要は無いよ。あいつが勝手に熱を上げて騒いでいただけなんだから」

俺から見たって妹よりゼラフィーネ嬢の方がずっと久志君にお似合いだしね♪と和希さんは私に微笑んだ。

「ありがとうございます」

「では、ゆっくり楽しんで行って下さい」

他の人に呼ばれた和希さんは、私達に笑顔でそう言って離れていった。

「さて、一通り挨拶も済んだし休もうか」

久志は私の腕を優しく自分の腕に絡ませ、壁際の椅子へと移動した。

「疲れた?」

ちらちらと私を盗み見る人々から隠す様に久志は私の前に座った。

「初めてだから少しだけ。それにしても慣れているとは言え、久志ってば凄く堂々としているから格好良くてドキドキしちゃった」

今は2人っきりで近くに誰もいないので魔術も緩み普通に会話が出来る。日本語を勉強中という設定は仕方がないとはいえ結構面倒だ。

「…俺は、今日の佳夜が綺麗過ぎてずっとドキドキしている。本当に凄く似合ってる」

目元を赤らめた久志がじっと私を見つめた。
今日は婚約指輪の色に合わせて少し濃いピンク色の布地でデザインは肩がオフショルダーでウェストを締めたフィッシュテールドレス。久志と一緒に選んだのだけど、腰から後ろに流れるリボンや裾のふわりと広がる感じが凄く可愛いので私は気に入っていた。だから久志から誉めてもらえてとても嬉しかった。

「……ありがとう」

照れて頬が熱くなる。

「…あ~、ヤバい。めちゃくちゃ可愛い。今直ぐここ出て部屋に行きてぇ」

ボソッと久志が呟いた。
そう、今夜は遅くなるので雅鷹さん達がよく利用している近くのホテルを取っているのだ。それを思い出して、久志との初お泊まりにドキドキが増してしまった。

「…サラ、顔真っ赤」

クククッと久志が笑う。そして、耳に口を寄せて「何度も俺の部屋でエッチしてるのに、ホテルに泊まる事にドキドキしちゃっているなんて可愛い過ぎ」と囁かれ、ちゅっと唇にキスをされた。

「!? 久志、人が大勢いるのに!」

「大丈夫、誰も俺等を見てないよ」

回りを見ると、丁度今設けられたステージ上でホテルの社長挨拶が始まった所だった。全員ステージを見ていて出入口近くの壁際に座っている私達の近くには誰もいない。明かりもステージを照らしていて回りはとても薄暗いから、もし振り返られても私達の存在は判りにくいだろう。

「…挨拶聞かなくて良いの?」

一度キスをしたら止められなくなったのか、久志は私を膝の上に座らせ横抱きにすると囲う様に抱き締め、顔中にキスを降らし始めたのだった。

「大丈夫。ちゃんと聞いてるよ」

「!? ひ、久志?…あの、当たってるよ?」

薄いドレスの布越しに硬く熱い感触をお尻の下で感じて、焦った。

「…うん。だから今佳夜に触れてなんとか鎮めている最中」

こうやって抱き締めて、佳夜に触れて匂いを感じないと我慢出来なくて理性飛ばして佳夜を襲ってしまいそうなんだ。と少し掠れた声で囁かれた。
昼間、貴美恵さんの部屋で私はドレスに着替えて髪をセットして貰ったりお化粧をしてもらい、久志の前に現れた。その時から久志は私を片時も離さないでパーティー会場内で色々な人と挨拶をしている時すらも片手は繋いだままだった。

「お袋の部屋から出てきたサラの余りの美しさにマジで部屋に連れ込んで挿れてぇ!って思ってヤバかった」

「…そんな前からずっと!?」

久志はコクンと頷き、私を強く抱き締めた。

「普段の服装の佳夜も可愛いけど、今日は本当に綺麗で誰にも見せたくなかった」

そろそろ社長の挨拶が終わる頃になって、久志は一つ深い溜め息を吐くと「もう、大丈夫」と言って私を膝から降ろして隣に座らせた。

「…お化粧直してきても良い?」

社長挨拶が終わり、会場内が明るくなった所で私は立ち上がった。

「!? …あぁ、そうだよね。…一緒に近くまで行くよ」

少し赤い顔のままの久志は小さな声で「化粧崩しちゃってごめん」と謝った。そんな姿の久志が可愛く見えて、私は優しく微笑み返した。そして2人でそっと会場を出て、近くの化粧室へ向かうと丁度化粧室に近い所に椅子が有ったので、久志にはそこで待っていてもらう事にした。

「あら」

化粧室内のパウダールームには先客がいた。

「あなた、久志の婚約者よね?」

なんと今夜の主役の1人、…先輩がそこにいた。とは言え、佳夜では初対面なので私は貴美恵さん直伝の優雅な微笑みを浮かべて挨拶をした。

「ハイ。ゼラフィーネ・佳夜・イェンゼンです。ハジメまして」

「初めまして。私は橘 綾子よ」

「アヤコさん!ヒサシから聞いてます!ごコンヤク、オメデトウゴザイマス♪」

「あら、ありがとう♪」

先輩もにっこりと微笑んだ。

……彰の時は物凄い嫌われ様で、久志と一緒にいるとめちゃくちゃ機嫌も感じも悪かったけど、彼女にも婚約者が出来たから落ち着いたのだろうか?
絶対に意地悪を言って来るんじゃないかって思っていて構えていたが拍子抜けだった。

「ねぇ、あなた。……ううん、ゼラフィーネさんって呼んで良い?」

「ハイ」

「そう、ありがとう。私の事も綾子って呼んで。…どうせ年が明けたら名字が変わるんだもの、名前の方が良いわ♪」

「ハイ。ワカリマシタ」

「それでね、私、あなたが気に入ったの♪良かったら私とお茶しない?…年も近いしお互い婚約したばかりってなんか親近感が湧くのよね♪あなたも来日したばかりで何かと心細いのではなくて?それに久志とは小さい頃からの付き合いなの。…お茶しながら久志の小さかった頃の話を聞かせてあげたいわ」

「うれしいデス!ワタシ、まだニホンにトモダチがいない。ヒサシのコドモのトキのはなし、ゼヒききたいデス♪」

どこまでも機嫌良く話す先輩。
本性を知っている私としては明らかに裏を感じるが、ターゲットの家にいかに入るか考えていたので良いチャンスだった。

「じゃあ、ちょっと急かも知れないけど、明後日我が家にいらして♪下手に外で会うとメディアもうるさいでしょうから、私の家でお茶をしましょう!」

「ハイ!うれしいデス♪……ヒサシもいっしょデモよいですカ?…ワタシ、まだひとりデでかけられないデス」

「えぇ、勿論構わないわ♪」

むしろ久志に会うのが狙いだろうと思えるのであえて聞くと、嬉しそうに頷いた。

「それじゃあ、そろそろ私は行くわね♪明後日10時半に迎えを寄越すから是非2人でいらしてね」

先輩が去った後、手早く化粧を直して廊下へ出ると久志が入口前で待っていた。

「お疲れ♪まさか向こうから接触してくるなんて、な」

会場で騒ぎを起こさなくて済んで助かったな♪と嬉しそうに呟いた。

「…先輩に会ったの?」

「いいや、廊下まで丸聞こえだったから出て来る時に隠れた」

「そうなの!?」

……私の声もそんなに大きかったかしら!?と顔を赤らめると、久志はクスッと小さく笑って首を横に振った。

「ごめん、佳夜に発信器内蔵の盗聴器を付けていたんだ」

「!?」

いつの間に!?ってか、何処に!?

私がパタパタとドレスを触ってみるも、それらしい物は感じず判らなかった。

「…コレがそうなんだ」

そう言って、髪飾りを指差したのだった。

「えぇ!?」

今日は緩いウェーブを作り、サイドに纏めて右肩に流す髪型にしている。そしてシルバーの台座で小粒の黒真珠とピンクパールをあしらったバレッタで左耳の上を留めてアクセントを付けていた。
まさか、そのバレッタに発信器やら盗聴器やらが付いていたなんて…。

「まるでスパイ映画みたいね」

「まぁ、怪盗なんて非現実的な事しちゃってるし?」

「そんな事言ったら、私なんてどうなるのよ?」

異世界人とのハーフで魔術が使えて6精霊に愛されて異世界にもう1人番がいちゃうなんて、非現実的がてんこ盛りだった。

「確かに!」

そう言って久志と私はクスクスと笑い合った。

「…さて、帰ろうか?」

「もう良いの?」

あと、先輩の婚約発表があったと思ったけど?と思いながら首を傾げると、久志は「絶対明後日紹介されるからその時で良いよ」と言って私と手を繋ぎクロークへ向かったのだった。



※※※※※※※※※※※※※※※※※



「サラ…」

チェックインして部屋に入るなり、久志に抱き締められた。そしてそのまま深く口付けられ、久志の舌が私の口腔内を蹂躙した。

「んっ…!」

息が出来ない程激しく口付けられ、私は酸欠で頭がクラクラとして立っていられなくなった。
ギュッと久志のスーツを掴み、何とか立つが脚に力が入らない。脚が震え、座り込みそうになった所で久志は私の膝裏に腕を通して横向きに抱き上げた。
そのままベッドに私を寝かせると、顔中にキスを降らせながら背中のボタンを外して行き、ドレスもブラジャーも下着すらもあっという間に脱がされてしまった。

「綺麗だ。サラ」

明るい部屋の中で私だけ脱がされた事が恥ずかしくて、私は久志に腕を伸ばした。
久志は私に覆い被さる様にして優しく抱き締めてくれた。

「愛してる、サラ」

「うん、私も久志の事愛してる」

「…サラ、2人っきりの時は昔の呼び方をして?」

ちゅっと頬に口付け、久志は甘えた表情を見せた。
その可愛いさに私は思わず胸がキュンとなってしまい久志の唇にキスをした。

「ひ~君…」

「サラ!」

「ね、ひ~君も脱いで?シワになっちゃうし私だけ脱がされて、恥ずかしいよ」

「…じゃあ、脱ぐの手伝ってくれるか?」

背中に腕を回され、優しく抱き起こされた。
向かい合って立ちスーツのジャケットを脱がせると、久志は私に触れるか触れないかギリギリの位置で腕を腰に回した。

「ネクタイも外して?」

シュルリとネクタイを解きワイシャツのボタンを1つひとつ外していく。

「んっ!」

久志がちゅっと唇にキスをしてきたり、お尻を揉んだりとイタズラをし始めた。

「裸のサラに脱がされるってスゲー興奮する」

ほら、と久志はスラックスをキツく押し上げる部分に私の手を触れさせた。

「…凄く熱くなっているよ?」

私はそう言いながら、ベルトを緩めファスナーを下げスラックスを降ろした。久志の陰茎はボクサーパンツに収まりきらなくて前開き穴から勝手に飛び出し滴を溢していた。その姿に私が目を見開いて凝視してしまうと、久志は少し困った様に笑った。

「…朝からずっと我慢していたんだ」

照れた表情が妙に色っぽく、私の下半身に甘い痺れが走った。
シワが付かない様にスラックスとジャケットを床から拾い、ハンガーに掛け様とクローゼットへ向かうと久志が後ろから私をキツく抱き締めた。

「あっ…」

そのまま右手は胸を揉み左手は割れ目に侵入してクリトリスを弄り出したのだった。

「だ、ダメ、だよ。スーツがシワになっちゃう…」

「……明日着ないから、そのままで大丈夫だよ」

「あっ!んんっ!……あん!」

右手の人差し指と親指で乳首を挟みつまみ上げ、左手の人差し指と中指は膣の中に沈みクチュクチュと音を立てて感じるポイントを刺激し続けた。

「も、…ダメぇ!」

上からも下からも責め立てられた私は快感に翻弄され、嬌声を上げ簡単にイッてしまった。
腕からは力が抜け床にスーツが落ちたが、脚に力が入らず久志に支えられて立っているのがやっとだった。

「サラ、挿れて良い?」

私を抱き上げ、ベッドに寝かせると久志は下着を脱いで優しく開いた私の脚の間に陰茎を宛がった。

「あっ…!」

トロトロに愛液が溢れ出た膣へ久志はゆっくりと挿入し、中の感触を味わうように奥へ奥へと腰を進めた。

「はぁっ…。ヤバい、好すぎてイッちまいそう」

一番奥まで届くと、今度は膣壁を抉る様に少し速く抽挿をし始め、私は更に喘ぎ声を上げた。

「あっ!あんっ!…ん!あん!…ダメ!…気持ち好すぎちゃうよ~!」

「あぁっ!サラ!…そんなに絞めないでくれ……っ」

益々強く激しく抽挿され、快楽に呑まれた膣は無意識に久志の陰茎をキツく絡め取った。

「あぁっ!出る!」

久志は腰を強く押し付け、一番奥へと注ぎ込んだ。
緩く腰を動かし、出し切ると久志の身体は弛緩した。
私がお腹に手をかざして浄化の魔術を掛けると、久志はゆっくりと陰茎を抜き隣に横になったが、私の愛液と久志の精液で濡れた陰茎は、まだピクピクと痙攣しそそり起ち凄く卑猥だった。
久志は私を抱き寄せると「明日はチェックアウトが10時だから、今夜はずっと抱かせろよ?」そう耳に囁き、私の割れ目に指を差し挿れた。
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