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ファオフィス1

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翌朝、僕達ファオフィスは各寮長に連れられてソイルヴェイユ内に3種類ある中で一番小さな講堂に集められた。

「初めまして、私は学長のラヴェージュグ・アグス・サーヴラーです。今年度はーーーー」

『学長って王家なんだ!』

さすが国立の学舎……。と僕が驚いていたら、ヤフクがそっと耳打ちをしてきた。

「グヴァイ、王立だから王家が学長を勤めている訳じゃないぞ」

「!? ……な、なんで僕が思った事が判ったの!?」

「……表情でなんとなく。学長は、ソイルヴェイユを長く勤めて国王、教師陣、生徒、そして国中の初等学舎の学長達からの信が厚い人じゃないとなれないんだ。で、現学長はたまたま王家だっただけだ。俺の知らない人だけど……」

「え?親族なんだよね?」

「ん~。たしか大叔父にあたる方だったと思うが、祖父とは異母兄弟だし継承順位がかなり下の為、早い内から王位継承権を放棄されて教職に就かれた方だから、俺は直接の面識が無いんだ」

先々代の王までは側室が10人以上いる事が当たり前だった為、ヤフクも把握しきれない親族が大量なのだそうだ。とは言っても、先代王の側室だって8人もいたし、ヤフクの父親である現王にも側室は2人いて、ヤフクにも異母弟妹がいると話す。

「国を治める為に母上を含め皆政略結婚で、父上は全員を心から大切にしていて特別誰かを寵愛はしていない。だからか、母上と側室達はみんな仲が良いし俺も弟妹とは仲良しなんだ」

まあ、良く言えば博愛主義者なんだろうな。とヤフクは笑う。だけれど、僕には実感の湧かない内容過ぎる。

「側室とか異母弟妹とか僕には全く異世界な話だよ……」

そんな事をこっそりと話しながら学長と副学長からの挨拶を聞き、ホームルームの振り分けが行われた。
初等学舎の時はホームルームなんて無かったのでどういうものかと思っていたら、出欠は取らないけれど朝の授業開始15分前に集まり学舎側からの連絡事項等を聞く為だったり、行事の際に必要とするクラス。と進行の事務員からの説明が聞こえる。
4寮合わせて60名いるファオフィスは、各寮3名ずつを5組に分け、合わせて12人で1クラスが作られた。
5分の1の確率だったのに、ヤフクと僕は同じホームルームになった。

「こんな事ってあるんだねぇ」

「……そうだな。俺も驚いた」

3人目の同じ寮生は、東側の工業都市で有名なジグリアン出身で、父親は街の司書官だと言うシファーカン・タル・ワトレリズだった。

「中間名が同じだから、こっそりと勝手に親近感を持っていたんだ♪」

談話室で僕が誰かに名乗った時に偶然聞いてからそう感じ、いつか話をしてみたい。と思っていたんだ♪と彼は笑顔で言って僕に握手を求めてきた。

『そう言えば、シファーカンは僕に酷い事を言って来る人じゃなかった』

ナウン達と知り合う迄、ひたすら他人との接触を避けてきた僕だったけれど、シファーカンは図書室や食堂で会えば優しい笑顔で挨拶をしてくれた人だった。

「僕、愛想悪かったよね。ごめんね」

「気にしてないよ♪今こうやって同じホームルームになれて知り合いにもなれたから問題無いじゃん♪」

「そっか、ありがとう。……改めてよろしくね♪」

「うん!よろしく!」

差し伸べられたシファーカンの手を僕は両手で包み込む様に握り、握手をした。

「ヤフグリッド様もよろしくね♪」

「ヤフクで良いよ。よろしくな、シファーカン」

「わかった!よろしく、ヤフク♪」

講堂での集まりは終わりとなり、各自の担任と一緒にホームルームへ移動する事になった。

「初めまして、私はジャホツ・デジウ・ワインスクフ。教科担当はサーヴラー古語だ。フォヌンフィスから受講出来るクラスだから、いずれ私の授業を受ける者もいるだろう。まあでも、卒業するまでの10年間のホームルームはここだ。毎朝私と顔を会わせる訳なので仲良くやろうじゃないか!よろしくな!」

そう言って長く淡い茶色の髪と同色の瞳を持つワインスクフ先生(男)は、ニッと人好きする笑顔を浮かべる。
ホームルームとなったワインスクフ先生の教室はミッツァルン中央棟3階にあり、1階にあるロッカーへ行く階段やウォシュドゥン棟への渡り廊下が近い。

「さて、学舎内の見学巡りに行くには少し時間の余裕があるから、先ずは全員で輪になって並んでくれ。そして簡単に自己紹介をし合うとしようか♪……私の名はもう名乗ったからいらないよな♪……うん、じゃあ、私の左隣の君から!」

「あ、はいっ!……あの、初めまして僕は最北の村のテルトー村から来ましたグヴァイラヤー・タル・マーツルンドと言います。趣味は読書です。よろしくお願い致します」

輪になった時にたまたま僕は先生の左隣に立ってしまっていたので、僕からの始まりとなった。
少し緊張したけれど、昨夜も自己紹介をしたばかりだったので何とか噛まずに言い終える事が出来た。

「はい、有難う!……グヴァイラヤー君だね!君はあの最高品質の薬草の出荷元として有名なテルトー村から来たのかぁ!随分遠くから来てくれたんだね♪よろしくな♪」

先生はそう言って笑顔で拍手をしてくれると、他のみんなも続いて拍手をしてくれた。
そして、順にヤフクにシファーカンと自己紹介をして行く度に先生は必ず優しい一言を添えて「これからよろしくな!」と言い拍手をする。その一言と拍手が全員の緊張を和らげ、みんなも先生に合わせて1人の自己紹介が済む度に拍手をし合う。

風の寮・ヤフク、シファーカン、僕。
火の寮・タンガウン、ニーウヴェル、カミャーファ。
土の寮・ラルジェダン、ナグヤダンズア、マウラーヤ。
水の寮・グワイドッカ、オーキノル、デソロコッチェ。

そんな先生のおかげか、それともたまたまなのか他寮のみんなも気の良い人達ばかりで、僕達は全員その場で直ぐに仲良くなれた。
ヤフクはまだ立太子前なので、写真や絵姿があまり出回っていないらしく、彼が自己紹介をした時に既に知っている先生とシファーカンと僕以外のみんなは彼がヤフクリッド王子だと知り驚愕して固まった。
だけれどヤフクは寮の時と同じ事をみんなに告げてお願いをすると、1人が「そもそも俺貴族じゃないから堅苦しい話し方や接し方なんて無理だっ。ヤフクリッドからそう言って貰えて助かったよ!」と直ぐに砕け笑顔になると、他のみんなも頷き笑い合う。
嬉しかった事にラルジェダンとデソロコッチェは僕の様に村の出身者だった。

「村出身って僕だけだと思っていたから驚いた!」

僕がそう言うと、ラルジェダンは意外そうな表情になり、「そうなのか?俺の寮には割りと村出身者っていたぞ?」と笑った。
デソロコッチェは「僕の寮はグヴァイと同じで僕だけなんだ。……だから、僕も2人と知り合えて嬉しい」そう言って微笑む。

「うん!僕も2人と知り合えて嬉しいよ!これからよろしくね♪」

ラルジェダン「あぁ!よろしくな!」

デソロコッチェ「うん♪よろしく!」

わいわいと喋っている内に学舎内を見学する時間となり、僕達は1日をかけてフォヌンフィスまで関わる教室や棟を歩き回る。
途中、同じ様に学舎内の見学をしている他のファオフィスと出会い、自己紹介をし合ってつい騒いでしまい授業中の先生達から怒られる。だけれど、毎年の事らしくどこか先生達の目が暖かかった。

「それにしても、ホント広いねぇ……」

つい僕がそう呟くとヤフク以外のみんなも頷く。
ヤフクは実家が広すぎる(王宮だから当たり前だよっ!)ので、ソイルヴェイユに対しては逆に1500人近い生徒がいる割には狭くないか?と思っていたらしい。
ファオフィスからフォヌンフィスまでの生徒はウォシュドゥンとヴェシュドィン西の学舎の2~3階だけが行動可能範囲(1階は食堂や職員室等がある)で、ファルフィス5年生以上は残り全ての学舎とその他の階となる。
色々危険もあるので行動制限があるのは仕方がない。
更に翌日の2日間はまた小講堂へ集まり、ファオフィスからフォヌンフィスの間までに習う教科の説明とそれを教えてくれる先生方の紹介を受けた。
授業は、生徒側が教科毎に好きな先生のクラスを選択して受講するシステムとなっているので時間割りは自分で作る。
主要教科だけでも先生は3人ずついるし、受講出来る特殊授業も4種類もあるので僕は時間割りの作成に頭を悩ませた。
だけど呪いを受けていた頃の自分を反省した僕は、ナウン達に時間割り作成の助言を求める事にした。
ソイルヴェイユにいる先生方は皆ナウンがファオフィスの頃からいる人が多く、ナウン以外のみんなも各先生達の性格や授業の進め方等を細かく教えてくれたのだった。
その助言をふまえて、ヤフクと僕は時間割りの作成に取り掛かる。
1教科毎に受講したい先生を第1・第2希望まで書き、ファオフィス担当事務官に提出。
余程の人気教師でも無い限り時間割りは第1希望通りに作られるそうだ。

3日間あったオリエンテーリング最終日は、通常授業日の様に朝からホームルームへ集まった。
そしてワインスクフ先生から出来上がった時間割りを受け取る。

「グヴァイとは、3時限目の魔術と5時限目の昼食時と7時限目の数学が一緒か!」

お互いに先程手渡された今学期の授業表を見せ合い、被った授業がある事に喜んだ。

「あ、本当だ!被るもんだね~。一緒にお昼食べれるかな?」

「……大丈夫じゃないか?お互い4時限目はウォシュドゥン棟だ」

「本当だ!じゃあ、そのままウォシュドゥンの食堂で待ち合わせようか♪」

「そうだな。そうしよう」

1学年60名程しかいないとは言え、サジェフィス迄は全員主要教科5種の他に特殊単位授業1種の計6教科で時間割りを作成する。
授業によっては他の学年の生徒に交じって受講するものもあるので、時間割りは生徒の数だけ異なった物となる。よって同じホームルームの生徒と被る確率が低く、一旦ホームルームを出れば翌日のホームルームまで顔を合わさない同級生もいたりする。
だけれど、フォヌンフィスまでは先生は異なっても習う教科は同じなので「宿題とか課題は助け合えるね!」なんてみんなと笑い合った。



※※※※※※※※※※※※※※※※



さあ!今日からいよいよ授業開始!
……歓迎会の後から直ぐに授業だと思っていたら3日間のオリエンテーリングを挟んだので、僕は本当の授業開始の今日が待ち遠しくて楽しみ過ぎて、夜明け前に目が覚めてしまった。

『制服に着替えるにはいくら何でも早すぎるよね……』

寝台から起き出してそっと開けたカーテンの先は、勿論真っ暗。
寝直す気にもなれないから寝間着のままで侍従室へ行き、乾燥が済んだ薬草を細かく刻んだり薬研で磨り潰し瓶へ移したりして時間を潰してみたけれど、作業を一通り終えてもまだ夜がうっすらと明けきた位。
昨夜寝る前に何度も確認をしたから行く用意は済んでしまっているし……。
教科書でも読んで朝食の時間まで待とうかな?とも思って開いてみたけれど、気持ちが逸って教科書の中身が頭に入ってこない。

『あ、息が白い……』

むしろ体を動かした方が落ち着くかと思い、普段着に着替えて剣を片手に裏庭に出ると、肌に触れる空気がひんやりと冷たく吐く息が白かった。
イルツヴェーグはテルトー村よりだいぶ南に位置しているけれど、標高が高い為にテルトー村の秋口と同じ空気が流れていた。

『でも、向こうは直ぐに雪に覆われちゃうんだよなぁ』

テルトー村は秋が来たと思ったらあっという間に駆け足で去り、長い冬に包まれる。全て白銀の世界となるけれど、厳しい寒さの中にある生き物の強さや温かさを感じる事が出来るのでグヴァイは冬が好きだった。
テルトー村を思い出すひんやりとした空気を深く肺に取り込み、一つ伸びをして体を解す。
入念に柔軟体操をして、軽く1時間程剣の鍛練を行った。
体を動かすのは気持ちが良い。逸る気持ちもドキドキと高鳴りうるさい心臓も剣を操り足裁きを辿る事で、穏やかな風の様に落ち着いていく。
涼しいおかげと1時間という短時間だったおかげで、汗はかかなかった。楽しくなってきたので、もう少し続け様か迷ったけれど、熱中し過ぎてまた周りが見えなくなると不味いと思い、止める事にする。
寮へ戻るついでに薬草園にも寄って目立つ部分だけ雑草を抜き、早朝採取が薬効力の強い薬草を摘んで部屋に入り手早く土を洗い流して侍従部屋に干す。
棚を見れば、まだほんの半月しか経っていないのに粉にして瓶に容れた様々な薬草が並んでいる。
この前初めてミフサハラーナさんへ出来上がった薬草茶をあげたら、苦味が少なく飲みやすかったわ♪と喜んでもらえ、これからの季節に植えるのに良い薬草の種を貰ってしまった。

『今度の休みに蒔かなきゃ♪』

ふと窓の外を見れば、だいぶ明るくなっていた。そろそろ朝食の時間かと思って部屋の時計を見るも、まだまだ早い。
もう他にする事が思い付かないので、僕はシャワーを浴びて制服に着替える。

「はぁ。……落ち着かないなぁ。図書室でも行こうかな?」

部屋に居てもそわそわしてしまう。
学舎から戻ったら返しに行こうと思っていた読み終えた3冊の本を抱え、僕は図書室へ向かう為に部屋を出た。
談話室の中を抜ける為に入ると、そこには上級生と判る先輩達(歓迎会の時に自己紹介してくれたから)が何人もソファで寛いでいた。

しかももうみんな制服姿だ。

「あれ?グヴァイ?」

まさか沢山の先輩達が既に起きているとは思わなくて、驚き思わず佇んでしまっていた僕にザイクが気付く。

「あ、おはようございます」

僕は軽く頭を下げて挨拶をしながら側へ向かう。

「うん、おはよう。……随分、早起きだね?」

「はい。あの、夜明け前に目が覚めてしまって……」

僕の言葉に一瞬だけ目を見開くも、ザイクは柔らかく笑みを浮かべ僕をナウンとトユルスさんがいるソファセットへ誘ってくれた。

「おはよう、グヴァイ。早起きだな」

ナウンは自分の隣の1人掛けのソファを進めてくれたので僕は腰掛ける。

「おはようございます。ナウン、トユルスさん」

「おはよう、グヴァイラヤー。俺の事も呼び捨てで構わないぞ?」

トユルスさんは軽く片眉をあげながら笑いかける。

「有難うございます。……えっと、では僕の事もどうかグヴァイと呼んで下さい。よろしくお願い致します」

「そうか、わかった。よろしくな、グヴァイ」

「はい」

ナウンの隣に座ったザイクは、手際良く僕の分のお茶を淹れて手渡してくれた。

「有難うございます」

「どう致しまして♪」

起きてからまだ何も飲んでいなかった僕は、有り難くお茶(ナーサンだ!)を一口飲む。
口から鼻に抜けるナーサン特有の爽やかな香りが、僕を包みふわりと身体を温める。

「……で、どうしてこんなに早起きなんだ?」

ナウンがお茶を飲みながら心配気に僕を見つめる。

「今日から学舎が始まるのかと思ったら、嬉しくて目が覚めちゃったんです……」

「それにしたって、夜明け前に目が覚めるとか楽しみに思い過ぎでしょう」

ふふっとザイクは笑う。

「「夜明け前?」」

それはまた本当に随分と早起きだな……。とトユルスはまた苦笑し、ナウンも頷く。

「そんなに早くに起きて今まで何をしていたんだい?」

壁の時計を見たザイクからの問いに、僕はやや赤面しつつ素直に先程までの事を話す。

「……成る程ね」

そう呟くナウン、それにザイクとトユルスもクスリと小さく笑うと、みんなして僕の頭を撫で回す。

「毎年早く目を覚ましてしまう子が1人か2人はいるけれど、夜明け前から起き出した子はグヴァイは初めてだよ」

いつの間にか僕の回りには他の先輩達まで集まり、みんなして僕の頭を撫でていく。

「ナウン達こそどうしてもう起きていたんですか?」

「インディフィスの騎士選択の者は今日から王宮の訓練場で授業が始まるんだ。だから、食堂が開くと同時に朝食を食べたら直ぐに行かなきゃならないんだ」

そう話すトユルスにナウンとザイクも頷く。

「え?じゃあナウンも騎士選択なんですか?」

将来王宮図書館の司書官になりたいと言っていたナウンは文官選択をしていると思っていた僕は驚いた。

「あぁ。司書補佐官の資格はミドゥフィス8年生で取ってしまったから体力作りを兼ねて、ね」

「本来は卒業の頃に取れるもんなのに、ナウンは色々規格外な頭だからね♪」

正司書官は、司書補佐官となって図書館で3年以上勤務しないと試験を受ける事が出来ないので学生の内に取得していないのは普通だけど、補佐官の資格はリンフィス7年生以上なら何度でも試験を受ける事が出来る。でも、ファルリーアパファル中の古今東西の知識を有するので取得はかなり難関。それを去年には取得してしまうなんて……。

「凄いです」

尊敬の眼差しでそう僕が呟きナウンを見ると、彼はふわりと笑った。

「勉強しか取り替えがないからな」

「「謙遜!嘘つけ!!」」

ナウンの言葉にザイクとトユルスがすかさずツッコミを入れ、周りの先輩達が笑い合う。
歓迎会での雄々しい姿や、オリエンテーリングの時の凛々しく他の寮長とは違う雰囲気を纏う姿からザイク達がすかさず「謙遜!」とツッコミを入れるのも頷ける。

「勉強が出来るだけじゃ寮長には選ばれないだろう?」

「「そうだ、そうだ!」」

トユルスの言葉に周りが同意し、更に笑い合う。彼等の仲の良さがとても判り、僕は自然と笑顔になる。

「お!食堂が開く時間だ!」

トユルスの声に耳を澄ますと、外から鐘の音が響いていた。

「じゃあ、俺達は行くよ。グヴァイもヤフクがそろそろ起き出しているだろうから部屋へ戻ると良いよ」

ザイクは立ち上がり、僕の頭をぽんっと優しく一度叩くと談話室を出て行った。

「はい!行ってらっしゃい。気を付けて!」

食堂へ向かうナウン達と別れ、僕は図書室へ向かった。
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