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第12話 もう一人の地球からの転移者
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1階を制圧し終わったのか殺すK達は2階へ続く階段の前に集結していた。
そして、階段の前には1人の男・・・
リュージと呼ばれていた黒い服の金髪男である。
「何だお前ら?ここが何処だか分かってるんだろうな?」
手にしたドスと呼ばれる短剣みたいな物を何故か舌で味わいながらそう告げるリュージの足元には3体の殺すKが破壊されていた。
明らかに他の雑魚とはレベルの違う強さに殺すKが怖気づいていると考えているのだろう。
だが・・・
「収穫収穫」
そこにやって来たのは両手に様々な貴金属を持ったヒロシであった。
その後ろには呆れて物も言えないクリスの姿も在る。
「な・・・お前等?!それは金庫の中の?!どうやって取り出した!?」
「あぁ、これだよ」
そう言って古ぼけたねずみ色の鍵をリュージに見せるヒロシ。
それは世界のどんな扉であろうと開ける事が出来るドラゴンなクエストで有名な『さいごのカギ』であった。
「ちょっと待て!金庫はダイアル式だぞ?!」
「あぁ大丈夫、さいごのカギだから」
会話が成立しないヒロシの態度にリュージはこめかみに血管を浮かべてドスをヒロシに向ける!
「てめぇ!後悔させてやるからな!」
その時ヒロシとリュージの間を空けるように殺すK達が左右に割れた。
そう、殺すK達はリュージを筆頭に数名は倒さない様に指示を受けていたのだ。
だから反撃をせずに3体破壊されたと言う事だったのだ。
「いい度胸だよ・・・」
「おっと、お前の相手は俺じゃないんだよ」
そう言ってヒロシの後ろに居たクリスが一歩前に出る。
そう、クリスが倒さなければ意味が無いのである。
「ジョー相手は危険な攻撃をしてくる、気をつけろ!」
いつの間にかハゲズラを被って左目に眼帯をして首にタオルをかけたヒロシが中腰でそう告げる。
その様に真っ白に燃え尽きたらどうするんだ?と言わんばかりのクリスの視線が突き刺さる。
「俺を無視するんじゃねぇー!!!」
そう叫び突っ込んできたリュージは腰にドスを固定し体当たりしながら突き刺すつもりなのだろう。
だがクリスは焦らずその体辺りを受け止めた。
ドスはしっかりと手首を押さえて刺さらないように密着した状態でクリスは踏ん張りリュージを止めた。
「お前には色々返さないと駄目なんだがまだ敵は居るみたいだからこれで終わらせるぞ」
そう言って振り上げたのは右拳。
ドスはしっかりと左手で押さえたまま振り上げた右手にリュージは気付かない。
余りの握力に手首が握り潰されそうになっているリュージの頭上にそれは振り下ろされた!
「岩山両斬波!」
何故かヒロシが技名を叫び拳を振り下ろしたはずがチョップを振り下ろしたクリス。
リュージの顔面にそれは当たりドスを落としてリュージは後ろへ数歩下がる・・・
「ぐ・・・ぐぁ・・・」
顔の中心には急所が集まっている。
眉間や鼻頭、顎もそうである。
そこを攻撃されてめまいがしているのだろう。
そして、何故かヒロシが告げる・・・
「お前は・・・もう死んでいる」
「な・・・何を言って・・・」
そこまで言ったリュージは本当に自分が死んでいるのかもしれないと感じたのだろう。
突然ヒロシに感化された様に叫ぶ!
「らり・・・るれ・・・ろぉおおおおん!!!」
リュージは自分の頭部が破裂するのを感じ頭を押さえて蹲る。
だが実際には何ともなっておらずリュージはそれに気付いて顔を上げる。
その視線はクリスではなくヒロシに向けてであった。
「ジャスト一分だ。良い夢見れたかよ?」
いつの間にか丸いサングラスをしたヒロシの邪眼による幻覚だったのだ。
まるで薬をやったみたいな幻覚に襲われたリュージはそれをしたのがヒロシだと理解して恐怖した。
だが目の前のクリスだけは殺すと視線を戻しリュージは右手に力を集めて飛び上がった!
「しゃらっくせぇ!!!」
そのまま右手をクリスの顔面に当てて押し倒しそのまま地面を引きずって前へ放り投げる!
そして、落ちてくるクリス目掛けて再び右拳に力を込めてアッパーカットの要領で拳を振るう!
集められた力が弧を描きまるでドリルの様にその姿を具現化させ赤いドリルがクリスの体を巻き込んでいく!
「いっぺん死んで来ーい!!!」
まるでボロ雑巾の様に錐揉み回転をしながら吹き飛んだクリスは後ろの壁に激突し床へ落ちる。
歯ごたえありと感じたのかリュージは口元を歪めて笑みを浮かべる。
だが・・・
「こんなもの・・・なのか?」
クリスは普通に立ちあがった。
その光景にリュージは唖然とする。
それはそうだろう、今のはリュージの最高の決め技とも言える『ギロチン&ドリル』であったのだ。
しかし、それ以上にヒロシによってレベリングされたクリスは強くなりすぎていたのである。
「ば・・・ばかな・・・」
「お前を倒すのにこの拳だけで十分だ」
そう言ってクリスは構えを取る。
空手にも見えるその構えこそ元々クリスの一族が受け継いできた格闘技の構えであった。
そして、目にも留まらぬ速さでリュージに突っ込み拳がぶつかる!
衝撃が真後ろではなく真上へリュージを突き抜け腹部が拳の形に陥没したリュージはそのまま地面に沈む。
「とうさん・・・かあさん・・・皆・・・仇は取ったぞ・・・」
クリスのしんみりした様子に水を差すわけにはいかなくなったヒロシは何故か殺すK達をアホウで回収していた。
3階建てのこの建物、上に居る者はこの階の者よりも強いというのがヒロシには分かっていたのだ。
その為殺すKでは歯が立たないかもしれないと考え別の兵隊を用意しようと考えたのだ。
「この土ならいいのが育つな」
そう言って小さな小瓶から取り出した種を地面に指で開けた穴に入れていく・・・
最後に瓶の反対側に入っていた液体を垂らして一歩下がる。
見る見る地面から緑色の小型生物が現れてヒロシの前に集結した。
「グエ・・・」
そこに並んだのは栽培マンと呼ばれる未知の生物であった。
だがその中に一匹だけちょっと変わった姿のヤツが居た。
同じ様な体のサイズなのだがそいつだけは明らかに他の栽培マンよりも強いことが分かる雰囲気を纏っていた。
そして、何故か方膝を付いて両手を挙げポーズを取っている。
こめかみの部分にも2つの目玉があるそいつは何故か突然名乗った。
「グルド!」
まるで今にも残りの4人がそこに居てギニウ特戦隊と名乗りそうな光景にクリスは再び溜め息を吐く・・・
「では、行け!」
ヒロシの言葉に緑一色の栽培マンとグルドと名乗った生物は一斉に上の階へと駆けて行く。
少ししてクリスにやっと視線を向けたヒロシはクリスの肩に手を置いて告げる。
「気合を入れなおせ、ここからが本番だぞ」
「・・・・・・」
シリアスって何だろうと困惑しながらもクリスはヒロシと共に階段を上がる・・・
そして、2階へ上がったそこに立っていた1人の男に2人は驚愕した。
床には栽培マンとグルドが既に倒されて居たのだ。
「はぁ・・・侵入者と言うのは君達かい・・・」
そう告げるその男はこの世界の人間ではなかった。
服装がどうみても作業着なのだ。
R物流と書かれた制服を着たその男はクリスよりもヒロシに視線をやって驚いた表情を浮かべていた。
「君は・・・もしかして俺と同じ様にこの世界に迷い込んだのか?」
ヒロシの姿、野球帽の様な帽子に『酒井酒店』の前掛けは勿論この世界の物ではありえない。
それを見たその男は嬉しそうに声を掛けてくる。
「元の世界に帰りたいけど帰る方法が無いんだ・・・だから悪いけど抵抗するなら容赦しないよ」
「ま、待ってくれ、君は日本から来たんだろ?俺の名前はヒロシ、酒井ヒロシ」
「ヒロシか・・・俺の名は中島。名前は秘密だ」
ヒロシがその男を制して話を続けようとするが中島は突然ヒロシに向かって突っ込んできた!
明らかに異常な身体能力にこの世界に転移した時に何かの力を授かったのだと理解したヒロシはその攻撃を無力化させる。
「バーリアー!」
ヒロシの手の動きに合わせて突如目の前に出現した透明のそれに中島は一瞬止まる。
だが握り締めていた拳を開いて手の甲をヒロシに向けて叩き付けた!
「サラ○ラップやん?!」
中島の見事な突っ込みにクリスは本日何度目か分からない白い眼を向けるのであった・・・
そして、階段の前には1人の男・・・
リュージと呼ばれていた黒い服の金髪男である。
「何だお前ら?ここが何処だか分かってるんだろうな?」
手にしたドスと呼ばれる短剣みたいな物を何故か舌で味わいながらそう告げるリュージの足元には3体の殺すKが破壊されていた。
明らかに他の雑魚とはレベルの違う強さに殺すKが怖気づいていると考えているのだろう。
だが・・・
「収穫収穫」
そこにやって来たのは両手に様々な貴金属を持ったヒロシであった。
その後ろには呆れて物も言えないクリスの姿も在る。
「な・・・お前等?!それは金庫の中の?!どうやって取り出した!?」
「あぁ、これだよ」
そう言って古ぼけたねずみ色の鍵をリュージに見せるヒロシ。
それは世界のどんな扉であろうと開ける事が出来るドラゴンなクエストで有名な『さいごのカギ』であった。
「ちょっと待て!金庫はダイアル式だぞ?!」
「あぁ大丈夫、さいごのカギだから」
会話が成立しないヒロシの態度にリュージはこめかみに血管を浮かべてドスをヒロシに向ける!
「てめぇ!後悔させてやるからな!」
その時ヒロシとリュージの間を空けるように殺すK達が左右に割れた。
そう、殺すK達はリュージを筆頭に数名は倒さない様に指示を受けていたのだ。
だから反撃をせずに3体破壊されたと言う事だったのだ。
「いい度胸だよ・・・」
「おっと、お前の相手は俺じゃないんだよ」
そう言ってヒロシの後ろに居たクリスが一歩前に出る。
そう、クリスが倒さなければ意味が無いのである。
「ジョー相手は危険な攻撃をしてくる、気をつけろ!」
いつの間にかハゲズラを被って左目に眼帯をして首にタオルをかけたヒロシが中腰でそう告げる。
その様に真っ白に燃え尽きたらどうするんだ?と言わんばかりのクリスの視線が突き刺さる。
「俺を無視するんじゃねぇー!!!」
そう叫び突っ込んできたリュージは腰にドスを固定し体当たりしながら突き刺すつもりなのだろう。
だがクリスは焦らずその体辺りを受け止めた。
ドスはしっかりと手首を押さえて刺さらないように密着した状態でクリスは踏ん張りリュージを止めた。
「お前には色々返さないと駄目なんだがまだ敵は居るみたいだからこれで終わらせるぞ」
そう言って振り上げたのは右拳。
ドスはしっかりと左手で押さえたまま振り上げた右手にリュージは気付かない。
余りの握力に手首が握り潰されそうになっているリュージの頭上にそれは振り下ろされた!
「岩山両斬波!」
何故かヒロシが技名を叫び拳を振り下ろしたはずがチョップを振り下ろしたクリス。
リュージの顔面にそれは当たりドスを落としてリュージは後ろへ数歩下がる・・・
「ぐ・・・ぐぁ・・・」
顔の中心には急所が集まっている。
眉間や鼻頭、顎もそうである。
そこを攻撃されてめまいがしているのだろう。
そして、何故かヒロシが告げる・・・
「お前は・・・もう死んでいる」
「な・・・何を言って・・・」
そこまで言ったリュージは本当に自分が死んでいるのかもしれないと感じたのだろう。
突然ヒロシに感化された様に叫ぶ!
「らり・・・るれ・・・ろぉおおおおん!!!」
リュージは自分の頭部が破裂するのを感じ頭を押さえて蹲る。
だが実際には何ともなっておらずリュージはそれに気付いて顔を上げる。
その視線はクリスではなくヒロシに向けてであった。
「ジャスト一分だ。良い夢見れたかよ?」
いつの間にか丸いサングラスをしたヒロシの邪眼による幻覚だったのだ。
まるで薬をやったみたいな幻覚に襲われたリュージはそれをしたのがヒロシだと理解して恐怖した。
だが目の前のクリスだけは殺すと視線を戻しリュージは右手に力を集めて飛び上がった!
「しゃらっくせぇ!!!」
そのまま右手をクリスの顔面に当てて押し倒しそのまま地面を引きずって前へ放り投げる!
そして、落ちてくるクリス目掛けて再び右拳に力を込めてアッパーカットの要領で拳を振るう!
集められた力が弧を描きまるでドリルの様にその姿を具現化させ赤いドリルがクリスの体を巻き込んでいく!
「いっぺん死んで来ーい!!!」
まるでボロ雑巾の様に錐揉み回転をしながら吹き飛んだクリスは後ろの壁に激突し床へ落ちる。
歯ごたえありと感じたのかリュージは口元を歪めて笑みを浮かべる。
だが・・・
「こんなもの・・・なのか?」
クリスは普通に立ちあがった。
その光景にリュージは唖然とする。
それはそうだろう、今のはリュージの最高の決め技とも言える『ギロチン&ドリル』であったのだ。
しかし、それ以上にヒロシによってレベリングされたクリスは強くなりすぎていたのである。
「ば・・・ばかな・・・」
「お前を倒すのにこの拳だけで十分だ」
そう言ってクリスは構えを取る。
空手にも見えるその構えこそ元々クリスの一族が受け継いできた格闘技の構えであった。
そして、目にも留まらぬ速さでリュージに突っ込み拳がぶつかる!
衝撃が真後ろではなく真上へリュージを突き抜け腹部が拳の形に陥没したリュージはそのまま地面に沈む。
「とうさん・・・かあさん・・・皆・・・仇は取ったぞ・・・」
クリスのしんみりした様子に水を差すわけにはいかなくなったヒロシは何故か殺すK達をアホウで回収していた。
3階建てのこの建物、上に居る者はこの階の者よりも強いというのがヒロシには分かっていたのだ。
その為殺すKでは歯が立たないかもしれないと考え別の兵隊を用意しようと考えたのだ。
「この土ならいいのが育つな」
そう言って小さな小瓶から取り出した種を地面に指で開けた穴に入れていく・・・
最後に瓶の反対側に入っていた液体を垂らして一歩下がる。
見る見る地面から緑色の小型生物が現れてヒロシの前に集結した。
「グエ・・・」
そこに並んだのは栽培マンと呼ばれる未知の生物であった。
だがその中に一匹だけちょっと変わった姿のヤツが居た。
同じ様な体のサイズなのだがそいつだけは明らかに他の栽培マンよりも強いことが分かる雰囲気を纏っていた。
そして、何故か方膝を付いて両手を挙げポーズを取っている。
こめかみの部分にも2つの目玉があるそいつは何故か突然名乗った。
「グルド!」
まるで今にも残りの4人がそこに居てギニウ特戦隊と名乗りそうな光景にクリスは再び溜め息を吐く・・・
「では、行け!」
ヒロシの言葉に緑一色の栽培マンとグルドと名乗った生物は一斉に上の階へと駆けて行く。
少ししてクリスにやっと視線を向けたヒロシはクリスの肩に手を置いて告げる。
「気合を入れなおせ、ここからが本番だぞ」
「・・・・・・」
シリアスって何だろうと困惑しながらもクリスはヒロシと共に階段を上がる・・・
そして、2階へ上がったそこに立っていた1人の男に2人は驚愕した。
床には栽培マンとグルドが既に倒されて居たのだ。
「はぁ・・・侵入者と言うのは君達かい・・・」
そう告げるその男はこの世界の人間ではなかった。
服装がどうみても作業着なのだ。
R物流と書かれた制服を着たその男はクリスよりもヒロシに視線をやって驚いた表情を浮かべていた。
「君は・・・もしかして俺と同じ様にこの世界に迷い込んだのか?」
ヒロシの姿、野球帽の様な帽子に『酒井酒店』の前掛けは勿論この世界の物ではありえない。
それを見たその男は嬉しそうに声を掛けてくる。
「元の世界に帰りたいけど帰る方法が無いんだ・・・だから悪いけど抵抗するなら容赦しないよ」
「ま、待ってくれ、君は日本から来たんだろ?俺の名前はヒロシ、酒井ヒロシ」
「ヒロシか・・・俺の名は中島。名前は秘密だ」
ヒロシがその男を制して話を続けようとするが中島は突然ヒロシに向かって突っ込んできた!
明らかに異常な身体能力にこの世界に転移した時に何かの力を授かったのだと理解したヒロシはその攻撃を無力化させる。
「バーリアー!」
ヒロシの手の動きに合わせて突如目の前に出現した透明のそれに中島は一瞬止まる。
だが握り締めていた拳を開いて手の甲をヒロシに向けて叩き付けた!
「サラ○ラップやん?!」
中島の見事な突っ込みにクリスは本日何度目か分からない白い眼を向けるのであった・・・
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