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ANOTHER 第74話 押し扉の中の異臭
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冷たい空気が少しずつ入ってきた方向へと流れる真っ暗な通路を男とルナは進んでいた。
「もう歩いた距離から家の敷地は出てると思うんだけど…方向的にこの先って…教会?」
町の隅っこにポツンと建っている教会を男は思い出していた。
初めて町に入った時に高く建っていたそれには一目目を引かれたので覚えていたのだ。
「この町の教会って何をするところなの?」
「アンディの住んでた所には教会は無かったの?基本的に子供が生まれた時や成人した時、死んだ時に神様から命を頂いた事に対して感謝のお祈りを行う場所よ」
「死んだ時も?」
「人が死ぬと体から魂ってのが神様の元へ帰るんだって。それを迷わず送り届けるのに教会が在るんだって」
ルナは誰かから教わったであろう話を胸を張ってしてくれた。
カンテラの揺らめく明かりに照らされた胸が存在を強調するが、そんな二人の歩く通路の途中にドアがありそれを視界に入れた二人は決めてたかのように黙る。
奥へも通路は続いており風は奥の通路から流れてきていた。
男はルナと顔を見合わせ小さく頷き合ってからドアに手をかけゆっくりと押し開ける。
「っ?!」
ルナは慌てて自身の鼻を摘まんで塞いだ。
漂ってきたその濃厚な臭いに驚いたのだ。
しかし、男はその臭いが直ぐに何か理解した。
それは、人間の血の臭いであった…
「もう歩いた距離から家の敷地は出てると思うんだけど…方向的にこの先って…教会?」
町の隅っこにポツンと建っている教会を男は思い出していた。
初めて町に入った時に高く建っていたそれには一目目を引かれたので覚えていたのだ。
「この町の教会って何をするところなの?」
「アンディの住んでた所には教会は無かったの?基本的に子供が生まれた時や成人した時、死んだ時に神様から命を頂いた事に対して感謝のお祈りを行う場所よ」
「死んだ時も?」
「人が死ぬと体から魂ってのが神様の元へ帰るんだって。それを迷わず送り届けるのに教会が在るんだって」
ルナは誰かから教わったであろう話を胸を張ってしてくれた。
カンテラの揺らめく明かりに照らされた胸が存在を強調するが、そんな二人の歩く通路の途中にドアがありそれを視界に入れた二人は決めてたかのように黙る。
奥へも通路は続いており風は奥の通路から流れてきていた。
男はルナと顔を見合わせ小さく頷き合ってからドアに手をかけゆっくりと押し開ける。
「っ?!」
ルナは慌てて自身の鼻を摘まんで塞いだ。
漂ってきたその濃厚な臭いに驚いたのだ。
しかし、男はその臭いが直ぐに何か理解した。
それは、人間の血の臭いであった…
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