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しおりを挟むギーとドアの軋んだ音が屋敷中に響く。
「誰か居ますかー」
お決まりのセリフをとりあえず言ってみたが、返事はなかった。
やっぱり誰も住んでいないのかしら……。
真っ暗で何も見えない。
とりあえず明かりを点けないとね。マッチはどこにあったっけ……?
持っていた籠の中に手を入れマッチの箱を探す。帰りが暗くなった時のために、マッチはいつも携帯している。今日みたいな雨の日は使えないけど……。
マッチのような大きさの箱は1つしか籠に入ってなかったので、マッチの箱はすぐに見つかった。
箱の中からマッチを一本取り出し火をつける。
「これは、思ったよりすごいわね……」
近くには、大きなダイニングテーブルがあったが、埃が被っていて、見ているだけで鼻がむずむずする。
とりあえず、テーブルの上にあった、蝋燭に火を灯した。
「どこか、暖炉のようなものはないかしら……?」
雨で濡れたドレスが体を冷やす。すぐにでも暖炉の前で暖まって服を乾かしたかった。
リサはテーブルの上にあったキャンドルスタンドを持ち、歩き回って暖炉らしい物を探す。
屋敷の中は、所々クモの巣だらけで人の気配は、まったくなかった。
「やっぱり誰も住んでなさそうね……」
テーブルの上に他に使えるものはないかないか一応調べてみたが、あるのは、高級そうな食器だけだった。
「うーん、この部屋には無さそうね、他の部屋にはあるかしら……?」
屋敷の奥に入り込むのは躊躇われたが、このままでは、凍え死んでしまいそうだ。
リサは身を縮めながら、他の部屋へと続いている廊下を歩き出した。
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