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第一章:私の婚約者を奪おうとしないでくださいっ!
5.私は王女-sideミレーユ-
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つい先日、父である陛下から呼び出しがあり、向かったところ強引に婚約を押しつけられた。
王族であるから、いつか政略結婚をさせられることは覚悟していたつもりだ。
しかし、あろうことかその相手というのは我が国から遠く離れた場所に存在する小国の王子だった。
しかも話を聞くと第三王子だという。
私はこの国の王妃にはなれないという事だ。
(何故、私があんな小さな国に嫁がなくてはならないの!?しかも第三王子って、ふざけているの?お父様は正気なのかしら……)
私はとにかく苛々していた。
王命と言われてしまったからには断ることは許されない。
そんな時、不意に私の耳に疎ましい話が入ってきた。
「ロジェ様と、フェリシア様って本当に仲が良くて羨ましいわ」
「私も相思相愛の婚約者が欲しかったな」
噂話をしている令嬢達の先には、幸せそうに微笑む二人の姿が目に入った。
(私がこんなにも悩んでいるって言うのに……。私よりも幸せになる女は絶対に許さない!!見てなさい。その幸せそうな顔を、絶望の色に変えてあげるから)
私の名前はミレーユ・ル・ブラン。
ブラン大国の第一王女である。
私には双子の弟がいるのだが、昔からいけ好かなかった。
同時に生まれてきたのに、男児ということだけで私よりも上に見られることが多く不満を感じていた。
いつも涼しげな顔をしていて、腹の中では何を考えているのか分からないような人間だ。
それに私にしつこく意見を言ってくるのだから、鬱陶しくて仕方が無い。
私にとって一番苦手な人間と言っても良いだろう。
――と言っても、私は王女だ。
幼い頃から私に逆らう者なんて殆どいなかった。
子供である私に、大人達はぺこぺこと簡単に頭を下げてくる。
その時知った、私は偉いのだと。
私の言うことは絶対で、誰もそれに逆らう事なんてしない。
きっと皆、逆らったらどうなるか分かっているのだろう。
殆どの人間は私に肯定的な言葉しか言わないのだが、稀に否定……というか注意をしてくる愚かな者がいる。
少しでも私に意見をしてくる人間は誰だって許さない。
咎めると大抵の者は直ぐに泣いて謝ってくる。
そういった者達に対して、勝ち誇った顔で見下ろすと興奮を覚えた。
いつも肯定ばかりでその対応に飽き飽きしていたから、普段とは違う姿を見るのは新鮮で面白く見えていたのかもしれない。
次第に私はもっと強い刺激を求めるようになった。
最初は奴隷を買って虐めて楽しんでいたが、直ぐに私に屈服してくるので飽きるのも早かった。
それから私は王立学園へと入学することになった。
そこには同年齢の貴族達が数多く在籍していた。
その時、私は良いことを思いついた。
今まで貴族達を相手にしたことはなかったが、プライドが高い貴族を平伏すことが出来たらどんな気持ちなんだろうと。
そんな想像を膨らませていくと、胸が高鳴っていく。
それからの私は大したことでも無いのに、言いがかりを付けて貶めていく。
大抵の者は直ぐに謝ってくるのだが、ここでも稀に違った態度を見せる者達がいる。
次第にどういった状況になれば、私の望んでいる展開が作れるのか分かって来た。
仲の良い友人や、婚約者の一方を罠にかけること。
すると大体片割れが私に意見をしてくる。
(ふふっ、今日は誰が私を楽しませてくれるのかしら)
王族であるから、いつか政略結婚をさせられることは覚悟していたつもりだ。
しかし、あろうことかその相手というのは我が国から遠く離れた場所に存在する小国の王子だった。
しかも話を聞くと第三王子だという。
私はこの国の王妃にはなれないという事だ。
(何故、私があんな小さな国に嫁がなくてはならないの!?しかも第三王子って、ふざけているの?お父様は正気なのかしら……)
私はとにかく苛々していた。
王命と言われてしまったからには断ることは許されない。
そんな時、不意に私の耳に疎ましい話が入ってきた。
「ロジェ様と、フェリシア様って本当に仲が良くて羨ましいわ」
「私も相思相愛の婚約者が欲しかったな」
噂話をしている令嬢達の先には、幸せそうに微笑む二人の姿が目に入った。
(私がこんなにも悩んでいるって言うのに……。私よりも幸せになる女は絶対に許さない!!見てなさい。その幸せそうな顔を、絶望の色に変えてあげるから)
私の名前はミレーユ・ル・ブラン。
ブラン大国の第一王女である。
私には双子の弟がいるのだが、昔からいけ好かなかった。
同時に生まれてきたのに、男児ということだけで私よりも上に見られることが多く不満を感じていた。
いつも涼しげな顔をしていて、腹の中では何を考えているのか分からないような人間だ。
それに私にしつこく意見を言ってくるのだから、鬱陶しくて仕方が無い。
私にとって一番苦手な人間と言っても良いだろう。
――と言っても、私は王女だ。
幼い頃から私に逆らう者なんて殆どいなかった。
子供である私に、大人達はぺこぺこと簡単に頭を下げてくる。
その時知った、私は偉いのだと。
私の言うことは絶対で、誰もそれに逆らう事なんてしない。
きっと皆、逆らったらどうなるか分かっているのだろう。
殆どの人間は私に肯定的な言葉しか言わないのだが、稀に否定……というか注意をしてくる愚かな者がいる。
少しでも私に意見をしてくる人間は誰だって許さない。
咎めると大抵の者は直ぐに泣いて謝ってくる。
そういった者達に対して、勝ち誇った顔で見下ろすと興奮を覚えた。
いつも肯定ばかりでその対応に飽き飽きしていたから、普段とは違う姿を見るのは新鮮で面白く見えていたのかもしれない。
次第に私はもっと強い刺激を求めるようになった。
最初は奴隷を買って虐めて楽しんでいたが、直ぐに私に屈服してくるので飽きるのも早かった。
それから私は王立学園へと入学することになった。
そこには同年齢の貴族達が数多く在籍していた。
その時、私は良いことを思いついた。
今まで貴族達を相手にしたことはなかったが、プライドが高い貴族を平伏すことが出来たらどんな気持ちなんだろうと。
そんな想像を膨らませていくと、胸が高鳴っていく。
それからの私は大したことでも無いのに、言いがかりを付けて貶めていく。
大抵の者は直ぐに謝ってくるのだが、ここでも稀に違った態度を見せる者達がいる。
次第にどういった状況になれば、私の望んでいる展開が作れるのか分かって来た。
仲の良い友人や、婚約者の一方を罠にかけること。
すると大体片割れが私に意見をしてくる。
(ふふっ、今日は誰が私を楽しませてくれるのかしら)
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