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37.不快感
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私はレオンと別れて一人になると、再び大広間へと戻った。
中央ではダンスを踊っている人々や、その周囲で楽しく会話を楽しんでいる人達が多くいる中、私は奥の方へと移動した。
壁側には使用人達が並んでいて、何かあった時に直ぐに対処できるように待機している様だ。
その前には丸いテーブルがいくつも並べられていて、真白なテーブルクロスの上には美味しそうな料理が何種類も並べられている。
私はそれを見た瞬間、目を輝かせた。
「うわぁ、どれも美味しそう…」
そこには多種多様の軽食やお菓子などが綺麗に盛り付けられていて、目を奪われる。
心まで奪われているのかもしれない。
(これ…全部勝手に食べても良いんだよね…?)
私はきょろきょろと辺りを見渡し、品定めをする様に気になるものから皿に取り分けていった。
気付けば皿の上は取り分けたものでいっぱいになり、まだ食べてもいないのに更にもう一皿手に取り、再び皿いっぱいになるまで取り分けた。
「いただきまーすっ…」
私は小声で呟くと、綺麗にデコレーションされたケーキにフォークを突き刺した。
そして口の中に運ぶと、口いっぱいに甘さと酸味が広がり私の顔は見る見るうちに緩んでいく。
(お…美味し過ぎるっ!!なにこれ…!こんな美味しいものをただで食べていいの…?)
私は他の種類のケーキを再び口の中に頬張ると、幸せに包まれていった。
「皆、こんなに美味しい物に見向きもしないなんて…絶対損してるよ…」
「……あの…」
私が食べるのに夢中になっていると、突然隣から話しかけられた。
視線を声のする方向に向けると、そこにいたのは先程会ったエリーヌだった。
「……ニナさん、ですよね?」
「はい…」
エリーヌは少し気まずそうな顔をしていた。
「先程はカインが…、私と一緒にいた者が失礼な事を言ってしまい…本当にごめんなさい」
「え…っと…」
突然エリーヌは謝ると、深々と頭を下げて来た。
突然そんな態度を取られてしまい、正直困ってしまった。
「あの、そんな…やめてくださいっ…。頭を上げてくださいっ…」
私が慌てて答えると、エリーヌはゆっくりと顔を上げた。
(近くで見ると…この人、本当に綺麗な顔。レオンさんの元婚約者さん、かぁ…)
「ニナさんは…その、レオとは…結婚するんですよね?」
「はい、そのつもりです…」
私が迷うことなく答えると、エリーヌは表情を曇らせた。
「レオは…どんな感じですか?」
「どんな感じとは?」
「あの人、剣の事にしか興味がない人間だったから…。騎士を辞めてからどうしているのかなってずっと気がかりで…」
「私はレオンさんの騎士時代は良く分からないけど、毎日楽しそうに過ごしてますよ…」
私が答えると、エリーヌは驚いたような表情を一瞬見せた。
「楽しそう…?それはきっと…貴女の前ではそう見せているだけなのかも。ニナさんは何も知らないから…」
エリーヌは一体何が言いたいのだろう。
確かに私はレオンの過去についてはあまり知らないけど、エリーヌに何も知らないと言われるとなんとなく嫌な気分になった。
まるで自分はレオンの事をなんでも知っている、とでも言っている様に聞こえたからだ。
「レオンさんの大事な方が、任務中亡くなったという話は聞きました。それでレオンさんがずっと苦しんでいることも…。レオンさんは…あまり過去について自分から話したりはしないけど、過去から立ち直ろうとしているのは知っています。私もレオンさんの力になりたいと思っているし…、レオンさんのことは私が守るので、エリーヌさんが気にしてくれなくても大丈夫です」
エリーヌが棘のある言い方をしてきたせいで、私までそんな言い方で返してしまった。
私が話終えると、エリーヌは一瞬驚いた顔を見せて突然笑い出した。
「……守る?ニナさん、それ…本気で言っているの?」
「何かおかしいこと言いましたか?」
突然そんな態度を取られて私は不快感を表に出す様に、眉を顰めた。
「レオを守るなんて無理よ…。あの人は一生ディレクのことを忘れられないのだから。ニナさんは知らないと思うけど、あの二人は本当に強い絆で結ばれていたの。それに…ディレクの事を忘れるなんて…絶対に許さないっ!」
「私は別に忘れたなんて言ってません!エリーヌさんが許すも許さないも、どっちでも構わないけど…エリーヌさんだって、カインさんと結婚して幸せになるんでしょ?だったらもうレオンさんの事は気にしなければいいのに…」
(エリーヌさんは…レオンさんを苦しめたいからそんな事言うの?酷いよ…。裏切ったのはそっちの癖に…)
「ニナさんは随分と自信があるのね…」
「自信…?レオンさんを守るって言う自信ですか?それならありますっ…!レオンさんが私の事を大事に思ってくれてる様に、私もレオンさんの心の支えになりたいと思っているので…」
私は怯むことなくはっきりと答えた。
だけどそんな私の態度にエリーヌも屈しようとしない。
「ふふっ…、大事に…ね。だけどあの人は自分の事しか考えられない人よ。あの時だって、私を残して一人で居なくなってしまったのだから…。そんな薄情な人間なの。愛されているなんて一時的な錯覚よ…」
私はだんだんと腹が立って来た。
悪い事は全てレオンのせいにして、自分は被害者だと言っている様に聞こえるからだ。
最初に裏切ったのはエリーヌの方なのに、薄情だなんて言葉を平然と使っていることに呆れてしまう。
「それはエリーヌさんの時はそうだっただけで、今のレオンさんは違う。少なくとも私はそう思ってます。私はエリーヌさんの自分本位な考え方を一切信じるつもりは無いので、一々過去の話を持ち出されても話すだけ時間の無駄だと思いますよ。私はレオンさんの言葉を信じます」
私がエリーヌの言葉に一切動じない態度を示すと、エリーヌは唇を噛み締め、不満そうな顔で私の事をを睨みつけた。
「そう、それなら勝手にそう思っていればいいわ。捨てられた後に後悔することになるとは思うけどね…」
エリーヌは捨て台詞を吐いて、その場から去って行った。
私に対する嫉妬と言うよりは、レオンに向けられた深い憎悪があるように感じとれた。
レオンが幸せになるのを必死に阻止しようとでもしているかの様に。
それはエリーヌの愛したディレクを事故とは言えレオンが奪ってしまったから、今でもその事を恨んでいるのだろうか。
私は沸き上がって来る怒りを感じながら、再びケーキを口に放り込んだ。
(折角美味しいケーキを食べていたのに、嫌な気分になっちゃった…)
「お前、結構言うんだな…」
今度は誰?と思い眉間に皺を寄せて横に視線を向けると、そこには可笑しそうに笑っているカインの姿があった。
中央ではダンスを踊っている人々や、その周囲で楽しく会話を楽しんでいる人達が多くいる中、私は奥の方へと移動した。
壁側には使用人達が並んでいて、何かあった時に直ぐに対処できるように待機している様だ。
その前には丸いテーブルがいくつも並べられていて、真白なテーブルクロスの上には美味しそうな料理が何種類も並べられている。
私はそれを見た瞬間、目を輝かせた。
「うわぁ、どれも美味しそう…」
そこには多種多様の軽食やお菓子などが綺麗に盛り付けられていて、目を奪われる。
心まで奪われているのかもしれない。
(これ…全部勝手に食べても良いんだよね…?)
私はきょろきょろと辺りを見渡し、品定めをする様に気になるものから皿に取り分けていった。
気付けば皿の上は取り分けたものでいっぱいになり、まだ食べてもいないのに更にもう一皿手に取り、再び皿いっぱいになるまで取り分けた。
「いただきまーすっ…」
私は小声で呟くと、綺麗にデコレーションされたケーキにフォークを突き刺した。
そして口の中に運ぶと、口いっぱいに甘さと酸味が広がり私の顔は見る見るうちに緩んでいく。
(お…美味し過ぎるっ!!なにこれ…!こんな美味しいものをただで食べていいの…?)
私は他の種類のケーキを再び口の中に頬張ると、幸せに包まれていった。
「皆、こんなに美味しい物に見向きもしないなんて…絶対損してるよ…」
「……あの…」
私が食べるのに夢中になっていると、突然隣から話しかけられた。
視線を声のする方向に向けると、そこにいたのは先程会ったエリーヌだった。
「……ニナさん、ですよね?」
「はい…」
エリーヌは少し気まずそうな顔をしていた。
「先程はカインが…、私と一緒にいた者が失礼な事を言ってしまい…本当にごめんなさい」
「え…っと…」
突然エリーヌは謝ると、深々と頭を下げて来た。
突然そんな態度を取られてしまい、正直困ってしまった。
「あの、そんな…やめてくださいっ…。頭を上げてくださいっ…」
私が慌てて答えると、エリーヌはゆっくりと顔を上げた。
(近くで見ると…この人、本当に綺麗な顔。レオンさんの元婚約者さん、かぁ…)
「ニナさんは…その、レオとは…結婚するんですよね?」
「はい、そのつもりです…」
私が迷うことなく答えると、エリーヌは表情を曇らせた。
「レオは…どんな感じですか?」
「どんな感じとは?」
「あの人、剣の事にしか興味がない人間だったから…。騎士を辞めてからどうしているのかなってずっと気がかりで…」
「私はレオンさんの騎士時代は良く分からないけど、毎日楽しそうに過ごしてますよ…」
私が答えると、エリーヌは驚いたような表情を一瞬見せた。
「楽しそう…?それはきっと…貴女の前ではそう見せているだけなのかも。ニナさんは何も知らないから…」
エリーヌは一体何が言いたいのだろう。
確かに私はレオンの過去についてはあまり知らないけど、エリーヌに何も知らないと言われるとなんとなく嫌な気分になった。
まるで自分はレオンの事をなんでも知っている、とでも言っている様に聞こえたからだ。
「レオンさんの大事な方が、任務中亡くなったという話は聞きました。それでレオンさんがずっと苦しんでいることも…。レオンさんは…あまり過去について自分から話したりはしないけど、過去から立ち直ろうとしているのは知っています。私もレオンさんの力になりたいと思っているし…、レオンさんのことは私が守るので、エリーヌさんが気にしてくれなくても大丈夫です」
エリーヌが棘のある言い方をしてきたせいで、私までそんな言い方で返してしまった。
私が話終えると、エリーヌは一瞬驚いた顔を見せて突然笑い出した。
「……守る?ニナさん、それ…本気で言っているの?」
「何かおかしいこと言いましたか?」
突然そんな態度を取られて私は不快感を表に出す様に、眉を顰めた。
「レオを守るなんて無理よ…。あの人は一生ディレクのことを忘れられないのだから。ニナさんは知らないと思うけど、あの二人は本当に強い絆で結ばれていたの。それに…ディレクの事を忘れるなんて…絶対に許さないっ!」
「私は別に忘れたなんて言ってません!エリーヌさんが許すも許さないも、どっちでも構わないけど…エリーヌさんだって、カインさんと結婚して幸せになるんでしょ?だったらもうレオンさんの事は気にしなければいいのに…」
(エリーヌさんは…レオンさんを苦しめたいからそんな事言うの?酷いよ…。裏切ったのはそっちの癖に…)
「ニナさんは随分と自信があるのね…」
「自信…?レオンさんを守るって言う自信ですか?それならありますっ…!レオンさんが私の事を大事に思ってくれてる様に、私もレオンさんの心の支えになりたいと思っているので…」
私は怯むことなくはっきりと答えた。
だけどそんな私の態度にエリーヌも屈しようとしない。
「ふふっ…、大事に…ね。だけどあの人は自分の事しか考えられない人よ。あの時だって、私を残して一人で居なくなってしまったのだから…。そんな薄情な人間なの。愛されているなんて一時的な錯覚よ…」
私はだんだんと腹が立って来た。
悪い事は全てレオンのせいにして、自分は被害者だと言っている様に聞こえるからだ。
最初に裏切ったのはエリーヌの方なのに、薄情だなんて言葉を平然と使っていることに呆れてしまう。
「それはエリーヌさんの時はそうだっただけで、今のレオンさんは違う。少なくとも私はそう思ってます。私はエリーヌさんの自分本位な考え方を一切信じるつもりは無いので、一々過去の話を持ち出されても話すだけ時間の無駄だと思いますよ。私はレオンさんの言葉を信じます」
私がエリーヌの言葉に一切動じない態度を示すと、エリーヌは唇を噛み締め、不満そうな顔で私の事をを睨みつけた。
「そう、それなら勝手にそう思っていればいいわ。捨てられた後に後悔することになるとは思うけどね…」
エリーヌは捨て台詞を吐いて、その場から去って行った。
私に対する嫉妬と言うよりは、レオンに向けられた深い憎悪があるように感じとれた。
レオンが幸せになるのを必死に阻止しようとでもしているかの様に。
それはエリーヌの愛したディレクを事故とは言えレオンが奪ってしまったから、今でもその事を恨んでいるのだろうか。
私は沸き上がって来る怒りを感じながら、再びケーキを口に放り込んだ。
(折角美味しいケーキを食べていたのに、嫌な気分になっちゃった…)
「お前、結構言うんだな…」
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