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90.伏せられていた事実
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待機部屋に移動すると、そこには数名の使用人と、警護役の姿があった。
その中には父の姿もあり、私に気が付くと慌てるようにこちらに駆け寄って来た。
「アリー、どうやら無事に来れたようだね」
「はい、お父様」
父の顔を見ると一安心してしまい、へらっと表情を緩めてしまう。
私はその後、室内に視線を巡らせていた。
「あれ? ニコルの姿が見えませんが、一緒に待機じゃないんですか?」
「さっきまで一緒にこの部屋で待っていたんだが、最終確認をしている間に居なくなっていたんだ」
「え? 大丈夫なんですか?」
「大丈夫だとは思うが、もしかしたら王宮内で迷子になっているのかもな」
父の言葉に思わず苦笑してしまう。
たしかにこの広い宮殿内で迷子になることは十分考えられる。
初めて訪れたニコルなら尚の事だ。
「どうしてこんな時に外になんて……」
「あの子はずっとそわそわしていたからな」
「ルシと遭遇するかもしれないのに、危険だとは思わなかったのかな。ニコルだって、ルシに恨みを買われている可能性はあるのに」
危険なのは私だけではないはずだ。
ルシの人生を狂わせたのがニコルだと考えれば、復讐の為に狙われることだって無いとは言えない。
寧ろ一番危険なのはニコルなのかもしれない。
そう考えると不安が心の中を埋め尽くしていく。
(どうしよう、ニコルに何かあったら……)
「アリー、とりあえずソファーに座って話そう」
「そんな悠長な事を言っている場合ですか? ニコルを早く連れ戻さないと!」
私は取り乱すように声を荒げてしまう。
「まずは落ち着きなさい。ニコルのことは大丈夫だから」
「……っ、はい」
父は私の顔を真直ぐに見つめて、優しい声で呟いた。
私は我に返り、父に促される様にソファーへと移動した。
対面するように座ると、すぐに使用人がお茶を用意してくれた。
ハーブの優しい香りを吸い込むと、少しだけ心が落ち着いた。
(ニコルのことは心配だけど、今は落ち着こう……)
「実はアリーに伝えてないことがいくつかあるんだ」
「え?」
父は私が落ち着いたのを見計らって話し始めた。
「ヴィム殿下からアリーには黙っておくようにと、口止めされていたことがあるんだ。それはお前に余計な気遣いをさせない為だろう」
「どういう事ですか?」
「今回の事はこちら側の問題だから、我々だけで対処するとアリーは聞いていると思うが、実はそうじゃないんだ。ツェーザル王子も全面的に協力してくれている」
父の話しによると、ルシアノが身を隠している屋敷の令嬢から垂れ込みがあったとのこと。
ルシアノからは自分の婚約者が騙されて、強引に結婚させられそうだから、助ける為にこの地に来たと聞かされたらしい。
その令嬢はルシアノとは学友で正義感が強いことと、バルティス出身だった為頼られてしまったようだ。
ルシアノはお金は持っているが、普通の宿泊所にいれば見つかってしまう可能性があるので、匿って欲しいと言ってきたそうだ。
しかし彼女は私がヴィムの婚約者であることを知っていた。
その事で大事になるのではないかと心配して、彼女の父である伯爵に話したところ、暫く様子を見ることになった。
監視役に後を付けさせていると、街で柄の悪い男達と何かを話した後、金品を差し出している場面に遭遇。
何かよからぬ事を企んでいるのではと勘付き、すぐに王宮にこのことを報告したとのこと。
私を追いかけて二人がやってきた日。
ヴィムと父が二人で部屋を出て行った時に、バルティスの使いの者がこの宿泊所に訪れて事情を全て伝えたようだ。
私がニコルと久しぶりの再会を果たしている裏側で、そんなやり取りがされていた。
きっと大事になると、私が気にすると思って伏せていてくれたのだろう。
(私の為にあんな嘘までついてくれたんだ)
「ニコルはそのことを知っているんですか?」
「ああ、ニコルにはあの後伝えたからな。だけど一つだけ問題がある」
「問題……?」
「現在進行形で作戦を実行している為、この辺りの警備は薄くなってる。誘き寄せる為に敢えて見張りは無くしているからな」
「ルシ以外にも協力者がいるのなら、それって危険じゃないですか?」
「外で待機しているごろつき共は、既にバルティス兵によって確保されていると思うが……」
父の言うとおり、バルティスが全面的に協力してくれているのなら、それほど危険ではないのかもしれない。
しかし内部に入り込んでいる者は、他にいないのだろうか。
偶然そこでニコルと鉢合わせてしまったら、と思うと不安になる。
「お父様、王宮内に潜んでいるのはルシだけなのでしょうか?」
「残念だが、ルシアノ殿が雇ったごろつきの顔までは把握出来てはいないから、人数もどれくらいなのかはっきりとは分かっていない」
「……もしそうだとしたら、ヴィムも危ないかも。一度部屋を出るって言ってたけど大丈夫かな」
「ヴィム殿下なら問題ないはずだ」
「どうして、はっきり言い切れるんですか?」
私は不安から安易な発言をする父を軽く睨み付けてしまう。
「あのお方は王家の血筋を受け継いでいる為、高い魔力を持っているはずだ。剣術もかなりの腕前だと聞いたことがある。その辺のごろつき相手が束になってかかった所で、負けることはまずないだろう」
「……じゃあ、なんでこんなに回りくどいことをしているんですか? 実行する前に捕らえてしまえばいいのに」
「それはアリー、お前のためだと思うぞ」
「え?」
「アリーを狙ったという斯くなる証拠があれば、言い逃れは出来なくなるからな。もし疑惑だけで動いたと民衆に知れ渡れば、変な噂が立って後々面倒なことになる。そうならない為にも、一度で全て片付けてしまいたい問題なのだろう。だけど一番の理由はアリーを安心させることだ。いつまでもルシアノ殿の影に怯えさせない為に」
「私の為に……」
「突然アリーとの婚約が決まった時は、ただ優秀な逸材であるお前を傍に置いておきたいだけだと思っていたが、どうやらそれは私の勘違いだったようだな。アリーは本当に殿下に愛されているんだね。それを知って父親としてはとても安心したよ。殿下ならこれから先もアリーの事を大切にしてくれるはずだ」
先程の厳しい表情から一転して、娘を思う優しい顔付きに変わっていた。
私は「はい」と嬉しそうに小さく呟いた。
家族にヴィムのことを心から認めて貰えて嬉しかった。
「今までアリーには苦労ばかりかけて、父親として何もしてやれなかった。特に妻のやることを止められなくて、ずっと窮屈な思いをさせてしまって、本当に申し訳ないことをしたと思っているんだ」
父は後悔するように表情を曇らせた後、私に向けて頭を下げた。
「や、やめてくださいっ! 私、苦労だなんて思ってませんから。確かに諦めた事もあったけど、新しい知識を取り入れることは楽しかったし、子供の時はお母様に褒められることが何よりも嬉しかったんです」
私は過去を思い出すように話し始めていた。
窮屈だと感じたことは確かにあったし、母から厳しい言葉を言われて落ち込んだこともある。
我慢することが他より少し多かったかもしれないが、今思えば屋敷に籠もってひたすら勉強ばかりしていたおかげで、今の私がいるのだと思う。
ヴィムに認められたのも、この過去を乗り越えてきたから。
今までの努力は現在の私にしっかりと結びついている。
「辛かったこともあったけど、今までしてきたことに後悔なんてしてない。私が気にしてないんだから、お父様も過ぎたことを何時までも気にする必要なんてありません。全てが私にとってマイナスだったわけではないし、むしろプラスになることの方が多かったわけだし」
私は胸に手を当てて、微笑みながら答えた。
「ありがとう。これからのアリーの幸せを願っているよ。私もアリーを見習って、妻とちゃんと向き合って見ようと思う。時間はかかるかもしれないけど」
「思い合っているのなら、きっとお母様にも伝わるはずです」
「ニコルのことはどうするつもりですか?」
今の一番の気がかりはニコルのことだ。
「アリーはニコルのしたことを許せるのか?」
父は心配そうな顔で私のことを見つめていた。
「裏切られたと知ったときはショックだったけど、今は幸せになって欲しいと思ってます。あの子、まだルシの事を好きみたいだけど、出来れば他の人と……」
「私もそれは考えている。今回の事件を起こしたことで、ルシアノ殿はただでは済まないだろうな。ニコルもこれで目を覚ませてくれたらいいのだが……」
「そう、ですよね」
「ああ……」
私達はそこで暫く言葉を詰まらせてしまう。
ルシアノとだけは絶対にくっついてほしくないというのが私の本心だ。
一度でも浮気をするような人間は、今後何度だって簡単に繰り返すはずだ。
それに一連の目に余る行動を見ていれば、反対して当然だろう。
「ニコルまだ戻ってこないけど、大丈夫かな」
「今はこちらも目立った行動は出来ないから、無事を祈るしかないな」
私達は扉の方を眺め、ニコルの無事を願った。
その中には父の姿もあり、私に気が付くと慌てるようにこちらに駆け寄って来た。
「アリー、どうやら無事に来れたようだね」
「はい、お父様」
父の顔を見ると一安心してしまい、へらっと表情を緩めてしまう。
私はその後、室内に視線を巡らせていた。
「あれ? ニコルの姿が見えませんが、一緒に待機じゃないんですか?」
「さっきまで一緒にこの部屋で待っていたんだが、最終確認をしている間に居なくなっていたんだ」
「え? 大丈夫なんですか?」
「大丈夫だとは思うが、もしかしたら王宮内で迷子になっているのかもな」
父の言葉に思わず苦笑してしまう。
たしかにこの広い宮殿内で迷子になることは十分考えられる。
初めて訪れたニコルなら尚の事だ。
「どうしてこんな時に外になんて……」
「あの子はずっとそわそわしていたからな」
「ルシと遭遇するかもしれないのに、危険だとは思わなかったのかな。ニコルだって、ルシに恨みを買われている可能性はあるのに」
危険なのは私だけではないはずだ。
ルシの人生を狂わせたのがニコルだと考えれば、復讐の為に狙われることだって無いとは言えない。
寧ろ一番危険なのはニコルなのかもしれない。
そう考えると不安が心の中を埋め尽くしていく。
(どうしよう、ニコルに何かあったら……)
「アリー、とりあえずソファーに座って話そう」
「そんな悠長な事を言っている場合ですか? ニコルを早く連れ戻さないと!」
私は取り乱すように声を荒げてしまう。
「まずは落ち着きなさい。ニコルのことは大丈夫だから」
「……っ、はい」
父は私の顔を真直ぐに見つめて、優しい声で呟いた。
私は我に返り、父に促される様にソファーへと移動した。
対面するように座ると、すぐに使用人がお茶を用意してくれた。
ハーブの優しい香りを吸い込むと、少しだけ心が落ち着いた。
(ニコルのことは心配だけど、今は落ち着こう……)
「実はアリーに伝えてないことがいくつかあるんだ」
「え?」
父は私が落ち着いたのを見計らって話し始めた。
「ヴィム殿下からアリーには黙っておくようにと、口止めされていたことがあるんだ。それはお前に余計な気遣いをさせない為だろう」
「どういう事ですか?」
「今回の事はこちら側の問題だから、我々だけで対処するとアリーは聞いていると思うが、実はそうじゃないんだ。ツェーザル王子も全面的に協力してくれている」
父の話しによると、ルシアノが身を隠している屋敷の令嬢から垂れ込みがあったとのこと。
ルシアノからは自分の婚約者が騙されて、強引に結婚させられそうだから、助ける為にこの地に来たと聞かされたらしい。
その令嬢はルシアノとは学友で正義感が強いことと、バルティス出身だった為頼られてしまったようだ。
ルシアノはお金は持っているが、普通の宿泊所にいれば見つかってしまう可能性があるので、匿って欲しいと言ってきたそうだ。
しかし彼女は私がヴィムの婚約者であることを知っていた。
その事で大事になるのではないかと心配して、彼女の父である伯爵に話したところ、暫く様子を見ることになった。
監視役に後を付けさせていると、街で柄の悪い男達と何かを話した後、金品を差し出している場面に遭遇。
何かよからぬ事を企んでいるのではと勘付き、すぐに王宮にこのことを報告したとのこと。
私を追いかけて二人がやってきた日。
ヴィムと父が二人で部屋を出て行った時に、バルティスの使いの者がこの宿泊所に訪れて事情を全て伝えたようだ。
私がニコルと久しぶりの再会を果たしている裏側で、そんなやり取りがされていた。
きっと大事になると、私が気にすると思って伏せていてくれたのだろう。
(私の為にあんな嘘までついてくれたんだ)
「ニコルはそのことを知っているんですか?」
「ああ、ニコルにはあの後伝えたからな。だけど一つだけ問題がある」
「問題……?」
「現在進行形で作戦を実行している為、この辺りの警備は薄くなってる。誘き寄せる為に敢えて見張りは無くしているからな」
「ルシ以外にも協力者がいるのなら、それって危険じゃないですか?」
「外で待機しているごろつき共は、既にバルティス兵によって確保されていると思うが……」
父の言うとおり、バルティスが全面的に協力してくれているのなら、それほど危険ではないのかもしれない。
しかし内部に入り込んでいる者は、他にいないのだろうか。
偶然そこでニコルと鉢合わせてしまったら、と思うと不安になる。
「お父様、王宮内に潜んでいるのはルシだけなのでしょうか?」
「残念だが、ルシアノ殿が雇ったごろつきの顔までは把握出来てはいないから、人数もどれくらいなのかはっきりとは分かっていない」
「……もしそうだとしたら、ヴィムも危ないかも。一度部屋を出るって言ってたけど大丈夫かな」
「ヴィム殿下なら問題ないはずだ」
「どうして、はっきり言い切れるんですか?」
私は不安から安易な発言をする父を軽く睨み付けてしまう。
「あのお方は王家の血筋を受け継いでいる為、高い魔力を持っているはずだ。剣術もかなりの腕前だと聞いたことがある。その辺のごろつき相手が束になってかかった所で、負けることはまずないだろう」
「……じゃあ、なんでこんなに回りくどいことをしているんですか? 実行する前に捕らえてしまえばいいのに」
「それはアリー、お前のためだと思うぞ」
「え?」
「アリーを狙ったという斯くなる証拠があれば、言い逃れは出来なくなるからな。もし疑惑だけで動いたと民衆に知れ渡れば、変な噂が立って後々面倒なことになる。そうならない為にも、一度で全て片付けてしまいたい問題なのだろう。だけど一番の理由はアリーを安心させることだ。いつまでもルシアノ殿の影に怯えさせない為に」
「私の為に……」
「突然アリーとの婚約が決まった時は、ただ優秀な逸材であるお前を傍に置いておきたいだけだと思っていたが、どうやらそれは私の勘違いだったようだな。アリーは本当に殿下に愛されているんだね。それを知って父親としてはとても安心したよ。殿下ならこれから先もアリーの事を大切にしてくれるはずだ」
先程の厳しい表情から一転して、娘を思う優しい顔付きに変わっていた。
私は「はい」と嬉しそうに小さく呟いた。
家族にヴィムのことを心から認めて貰えて嬉しかった。
「今までアリーには苦労ばかりかけて、父親として何もしてやれなかった。特に妻のやることを止められなくて、ずっと窮屈な思いをさせてしまって、本当に申し訳ないことをしたと思っているんだ」
父は後悔するように表情を曇らせた後、私に向けて頭を下げた。
「や、やめてくださいっ! 私、苦労だなんて思ってませんから。確かに諦めた事もあったけど、新しい知識を取り入れることは楽しかったし、子供の時はお母様に褒められることが何よりも嬉しかったんです」
私は過去を思い出すように話し始めていた。
窮屈だと感じたことは確かにあったし、母から厳しい言葉を言われて落ち込んだこともある。
我慢することが他より少し多かったかもしれないが、今思えば屋敷に籠もってひたすら勉強ばかりしていたおかげで、今の私がいるのだと思う。
ヴィムに認められたのも、この過去を乗り越えてきたから。
今までの努力は現在の私にしっかりと結びついている。
「辛かったこともあったけど、今までしてきたことに後悔なんてしてない。私が気にしてないんだから、お父様も過ぎたことを何時までも気にする必要なんてありません。全てが私にとってマイナスだったわけではないし、むしろプラスになることの方が多かったわけだし」
私は胸に手を当てて、微笑みながら答えた。
「ありがとう。これからのアリーの幸せを願っているよ。私もアリーを見習って、妻とちゃんと向き合って見ようと思う。時間はかかるかもしれないけど」
「思い合っているのなら、きっとお母様にも伝わるはずです」
「ニコルのことはどうするつもりですか?」
今の一番の気がかりはニコルのことだ。
「アリーはニコルのしたことを許せるのか?」
父は心配そうな顔で私のことを見つめていた。
「裏切られたと知ったときはショックだったけど、今は幸せになって欲しいと思ってます。あの子、まだルシの事を好きみたいだけど、出来れば他の人と……」
「私もそれは考えている。今回の事件を起こしたことで、ルシアノ殿はただでは済まないだろうな。ニコルもこれで目を覚ませてくれたらいいのだが……」
「そう、ですよね」
「ああ……」
私達はそこで暫く言葉を詰まらせてしまう。
ルシアノとだけは絶対にくっついてほしくないというのが私の本心だ。
一度でも浮気をするような人間は、今後何度だって簡単に繰り返すはずだ。
それに一連の目に余る行動を見ていれば、反対して当然だろう。
「ニコルまだ戻ってこないけど、大丈夫かな」
「今はこちらも目立った行動は出来ないから、無事を祈るしかないな」
私達は扉の方を眺め、ニコルの無事を願った。
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