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22.初めて知ること①※

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 私が徐に呟いた言葉はヴィムの耳にも届いている様子だった。
 驚いた顔で私の事をじっと見つめていた。
 こんな事を口にしてしまったのは私の方だけど、黙ったまま見つめられる事に恥ずかしくなり、徐々に耐えられなくなっていく。

「ヴィム……?」

 私は何か言って欲しいと言わんばかりの視線を向け、ヴィムの名前を呼んだ。

「お前、その言葉がどういう意味なのか分かっていて言っているのか?」
「もちろん、分かっていますっ!」

「本当に、いいのか?」
「……はい」

 先程まで驚いていたヴィムの表情はいつの間にか真顔へと変わっていて、その瞳は私の事をじっと見捉えている。
 私は緊張で強張った表情を浮かべて小さく頷いた。
 私の返事を聞くとヴィムの口元が僅かに緩み、優しい声で「そうか」と呟いた。

「俺に抱かれると言う事は、一生俺の傍からは離れられなくなると言う事だ。それでもアリーセは構わないんだな」
「……っ……」

 ヴィムは私の耳元で言質を取るかのように聞いて来た。

「一度でも抱いてしまえば手放せなくなるのは分かっているからな。……と言っても、もう手放す気など更々無いが。このまま俺のものにしてしまってもいいか?」

 ヴィムは再び私の顔を覗き込むと、静かな声で聞いて来た。
 私は恥ずかしそうに顔を染めて小さく頷いた。

「ありがとう」

 ヴィムは嬉しそうに小さく頷くと私の額にそっと口付けた。
 それから間もなくして、ヴィムの顔が私の首筋の方へと降りてきて唇をそっと押し付けた。
 首筋にキスをされると、ムズムズして少し擽ったさを感じてしまう。

「……っ……」
「ピクピク反応して可愛らしいな」

 私が軽く吸われる度に体を震わせていると、ヴィムはどこか愉し気な口調で呟いた。

「なんか擽ったいです……」
「最初は擽ったいのかもしれないな。だけど直に違う感覚が出始めるはずだ」

「……っん……」
「こうやってきつく吸われるのはどうだ?」

 きつく首筋を吸い上げられると、チクっとした痛みを感じて思わず声を漏らしてしまう。

「早速可愛い声が漏れたな。アリーセはこっちの方が好きなのか?」
「わかんなっ……んっ……!」

 ヴィムはそう話しながら、位置を変える様に私の首筋に赤い痕を散らしていく。
 愛撫にばかり気を取られていると、いつの間にか胸の辺りが空気に触れてひんやりとしていることに気付く。
 私はそれに気付きながらも抵抗する事も無く、ヴィムの与えて来る愛撫をただ感じていた。

「……んっ……はぁっ……」

 ヴィムの唇が首筋から胸元へと降りて来ると、私の息遣いは変わっていた。
 体の奥がじわじわと疼き、熱くなっていくのを感じる。
 ヴィムが口付けて行った所から熱くなり、伝染する様に体中へと広がっていく様だ。

(なに、これっ……。じっとしてられない)

 まだ始まって数分しか経っていないのに、私はヴィムから逃げようと体を捩らせ始めた。
 この擽ったさと、何かが込み上げて来る様なムズムズする感覚に耐えられなくなっていた。

「もう、こればっかり嫌っ……」

 私は懇願する様にヴィムの顔を見つめた。

「そうだな。焦らしてばかりは可哀そうだな」
「……っ……」

 私の気持ちがヴィムに伝わったことにほっとしていると、ヴィムの掌が私の胸を包み込む様にふんわりと触れていた。
 私はその感覚にハッとして、自分の胸の方へと視線を向けた。
 すると着ていた服のボタンは全て外されていて、かろうじて下着だけはそのままだったが、その姿をヴィムに見られているという事実に羞恥心を煽られる。

「やっ……! ま、まって!」

 私は恥ずかしさでどうにかなりそうになり、咄嗟に叫んでいた。

「待たない。服を脱がさないと直接アリーセの肌に触れられないだろ?下着も邪魔だから俺が脱がせてやる。少し背中を浮かせられるか?」
「……っ……!!」

 私は暫く困惑した顔を向けていたが、ゆっくりと背中を浮かしヴィムの言葉に従った。

(恥ずかしいけど、こうなることを望んだのは私よ……)

 そう自分に言い聞かせ、なんとかこの羞恥心をどこかへ吹き飛ばそうとしていた。

「ヴィムは……こういうこと、したことあるの?」

 余りにもヴィムが慣れた手付きをしていたので、私は思わず聞いてしまった。
 特に意図があって聞いたつもりは無く、ただ黙っていることが恥ずかしくて咄嗟に口から出てしまった言葉がそれだった。
 私の言葉を聞いてヴィムは小さく笑った。

「俺もアリーセ同様初めてだ」
「……こんなにも慣れているのに?」

 私は不思議そうに問いかけた。

「お前には慣れている様に見えるのか? 実際にするのは初めてだが、閨時の教育は受けているからな。そういう行為を目にした事はある、とでも言っておくよ。だから全て俺に任せてくれて構わない。アリーセはただ感じるままに反応してくれたらいいよ」
「そう、なんですね。わかりましたっ……」

 その言葉を聞いてほっとした。

 ほっとした理由は全てをヴィムに任せて良いという事と、私同様に初めてだと知ったからだろう。
 初めて触れる相手が私なんだと分かると、私の表情はどこか嬉しさから緩んでいった。

「随分、嬉しそうだな。ちゃんと気持ち良くしてやるから我慢しないで気持ち良かったら反応しろよ? こういう時は快楽に従った方がより気持ち良くなれるらしいからな」
「わかりました……!」

 そんな話をしていたおかげで場の空気は和んでいったが、気付けば私は一糸纏わぬ姿にさせられていた。

「アリーセって着やせするタイプなんだな」
「え? ……っ!!」

 今の自分の格好に気付き、慌てて胸の前に手を当て隠そうとするも直ぐに剥がされてしまう。

「隠さない、全部見せて」
「……っ!」

 私の腕は体の両脇に戻されて、ヴィムの視線は私の胸の方を向いていた。

(恥ずかしいっ……)

「アリーセの肌は白くてとても綺麗だな。触り心地もいいし、反応も良さそうだ」
「恥ずかしいのでそんなにまじまじと見ないでくださいっ……」

 私は恥ずかしさからヴィムから視線を逸らし、小さく呟いた。

「その照れている顔も可愛いよ。この胸の中心……、まだ触ってもいないのに小さく立ち上がって更なる刺激を待っている様だな」
「……ぁっ……」

 ヴィムは私の両胸を掌で包む様に触れ、ゆっくりと揉み始めた。
 まだ少し胸を触られただけなのに、じわじわと甘い快感がそこから広がっていく。
 ヴィムは力加減を気にする様に、私の表情を確認しながら強弱を付けて刺激を与えて来る。

「はぁっ……んっ……」
「随分可愛い声が漏れ始めて来たな。痛くは無いか?」

「だ、大丈夫っ……。でも、なんか体が…変なのっ……」
「それは変ではない。気持ち良いってことだ。我慢しないで声を出した方が気持ち良くなれるし、俺もアリーセの可愛い声を聞きたいからな。遠慮しないで声は出して。ここには俺しかいないのだから、な」
「……はいっ……ぁあっ……!」

 私が頷いた直後に先端に鋭い刺激が走り、思わず声を張り上げてしまう。
 どうやらヴィムは爪先で軽く先端の突起を引っ掻いた様だ。

「ここ弄られると感じるのか?」
「やぁっ……ぁっ……」

 尖っている胸の先端を今度は指で押し潰され転がされる。

「ここを軽く弄っていると、この可愛い飾りがどんどん硬くなっていってるな。アリーセはここをどうされるのが好きなんだ?」
「……はぁっ、わかんなっ……ぁあっ……やぁっ、引っ張らないでっ……」

 ヴィムは愉しそうな声を上げて、今度は指で挟み軽く引っ張り上げた。
 するとじわじわと快感が上り詰めてきて、私は嫌々と弱弱しく首を横に振った。

「嫌がってる様には見えないけどな。それとも指だけでは足りないか?」
「……?」

「もうこんなに腫れて真っ赤になってる。美味そうだ」
「……え?……っ…んっ……ぁあっ……」

 ヴィムは私の胸の方へと顔を寄せると、先端の尖った突起を口に含み、ちゅっとリップ音を響かせる様に舐め始めた。

「……ぁあっ、そんなに口の中で動かさないでっ……」

 ヴィムのねっとりとした舌が、突起に添うようにして激しく動き回る。
 舌の熱さとザラザラとした感触を覚える度に、体が自然と震えてしまう。
 それと同時に腰の奥の方が疼き、じわじわと何かが迫って来る様だ。
 私は初めて知るその快感に戸惑い、身を捩らせていた。

「可愛い反応だな。寂しそうにしているこっちの胸は指で弄ってやる。両方から与えられる刺激を味わって……」
「ぁっ……両方とか、だめっ……」

「だめじゃない。もっと乱れていくアリーセの姿を見せて」
「……ぁあっ!そ、そんなきつく吸い上げないでっ……、やぁっ……ん……!!」

 口では嫌なんて言葉ばかりが出て来るが、快楽に沈められていくのが気持ち良くて、それと同時に未知の感覚に支配されていくのが怖かった。

(もうだめ、おかしくなるっ……)
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