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44.王家主催パーティー④
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突然目の前にマティアスが現れて戸惑う私はハーラルトに視線を向けた。
話の流れから察するにマティアスを呼んだのは恐らくハーラルトに違いない。
「リリーが思ってる通り、僕が彼をここに呼んだ。そろそろこの3人の関係も決着したいと思ってね」
「……どういう意味ですか?」
私がハーラルトに聞き返すと「俺がそう頼んだんだ」とマティアスが答えた。
その言葉で私の視線はマティアスへと向いた。
「まずは謝らせて欲しい。本当に申し訳なかった…」
「………」
マティアスは私の顔を真直ぐに見つめて謝罪すると、頭を深く下げた。
「謝って済む事ではないことは分かっている…。リリーの事を大切だと言いながら俺は自分の気持ちしか考えていなかった愚かな人間だ。リリーの事をどうしても取り返したかった…、例えどんな手を使ったとしても…。だけど、あんな事をした時点で二度とリリーの心は手に入らないのにな…。殿下に言われるまでそんなことにも気付かなかった。俺は本当に馬鹿だよ…」
マティアスは悔いる様に自分を責めていた。
表情は俯いているので分からなかったけど、その声から後悔していることは十分伝わって来た。
「……私の方こそ…ごめんなさい。ずっと…私の事一番に考えてくれたのに…信じてあげれなくて…本当にごめん。マティアスの気持ちに…気付いてあげられなくて…ごめんね…」
私は胸の奥が熱くなり、感情が昂っていた。
目には涙を溜め、声を震わせながら自分の中にある気持ちを言葉に出した。
「リリーがずっと負い目を感じていた事は気付いてた。いつまでも自分を責め続けている事も。そんなリリーを見てるのが辛くて早く解放してやりたいと思って、彼と話し合う機会を作ったんだ」
「リリーがそんなにも俺の所為で悩んでいたなんて気付かなかったよ。俺はそんなことも知らずに、更にリリーの事を追い込んで…本当に酷い男だよな…」
マティアスは自嘲する様に力なく笑った。
「僕も二人の婚約を壊してしまった責任があるけど、これだけははっきり言わせてもらう。リリーの事は必ず幸せにする、だから…僕にリリーの事を任せて欲しい」
ハーラルトはマティアスを真直ぐに見ながらはっきりとした口調で言った。
「リリーの事泣かせたら、直ぐにでも奪い返しにいきますよ」
「絶対にそんなことはさせない」
二人は真顔で話していて、私は少し恥ずかしくなった。
「リリー、絶対に幸せにしてもらえよ。そうじゃなければ、俺が報われないからな。……婚約、おめでとう」
「……ありがとうっ…」
私は何度も首を縦に小さく振り、目の奥がじんわりと熱くなった。
「今日のリリー…すごく綺麗だ。惚れなおしてしまいそうだな…」
マティアスが冗談ぽくそういうとハーラルトに引き寄せられ腕の中に閉じ込められた。
「それは困るな。リリーは僕の大事な婚約者だ、もう絶対に手放すつもりは無いし触らせないぞ?」
「……っ…」
突然の事に私は恥ずかしくなり顔を赤く染めていた。
「ははっ、冗談ですよ。殿下も…結構嫉妬深い人間なんですね」
「リリーに関してはな」
なんだか二人共いつの間にか仲良くなってる様に見えて私は一人で戸惑っていた。
「ああ、リリーに伝えることがもう一つあるんだ」
「え…?」
ハーラルトの言葉に私は顔を上げた。
「サラの事だ。彼の掴んだ情報のおかげでランデルス家を追い込むことが出来そうだ。ランデルス家は裏でかなり汚い事をしているという噂があったんだが、中々詳細が掴めなかったんだ。だけど今回マティアス殿がサラに近づいてくれたおかげで全て証拠を押さえることが出来た。これでランデルス家は終わりだろうな。サラも裁判が終わればきっと爵位剥奪は免れないだろう。そうなれば権力は使えなくなる、もうリリーには何も出来ないはずだ」
「サラの事だけは俺もどうしても許せなかったからな。リリーの事を陥れようとした報いは受けてもらうさ」
聞く話によればランデルス家、それに加担した者達は現在王城に捕らえられているらしい。
その中にサラも含まれているという。
サラにはハーラルトの婚約者である私を誘拐した容疑がかけられている。
マティアスについては、今回の情報提供をしてくれたこと、全面的にそれに協力した事、更には私がマティアスの罰を望んでない事から不問になった。
ハーラルトも色々と動いてくれていたらしい。
私が知らない間に、色々と解決に向けて話が進んでいたみたいだ。
ハーラルトに任せて良かったと心から思った。
話の流れから察するにマティアスを呼んだのは恐らくハーラルトに違いない。
「リリーが思ってる通り、僕が彼をここに呼んだ。そろそろこの3人の関係も決着したいと思ってね」
「……どういう意味ですか?」
私がハーラルトに聞き返すと「俺がそう頼んだんだ」とマティアスが答えた。
その言葉で私の視線はマティアスへと向いた。
「まずは謝らせて欲しい。本当に申し訳なかった…」
「………」
マティアスは私の顔を真直ぐに見つめて謝罪すると、頭を深く下げた。
「謝って済む事ではないことは分かっている…。リリーの事を大切だと言いながら俺は自分の気持ちしか考えていなかった愚かな人間だ。リリーの事をどうしても取り返したかった…、例えどんな手を使ったとしても…。だけど、あんな事をした時点で二度とリリーの心は手に入らないのにな…。殿下に言われるまでそんなことにも気付かなかった。俺は本当に馬鹿だよ…」
マティアスは悔いる様に自分を責めていた。
表情は俯いているので分からなかったけど、その声から後悔していることは十分伝わって来た。
「……私の方こそ…ごめんなさい。ずっと…私の事一番に考えてくれたのに…信じてあげれなくて…本当にごめん。マティアスの気持ちに…気付いてあげられなくて…ごめんね…」
私は胸の奥が熱くなり、感情が昂っていた。
目には涙を溜め、声を震わせながら自分の中にある気持ちを言葉に出した。
「リリーがずっと負い目を感じていた事は気付いてた。いつまでも自分を責め続けている事も。そんなリリーを見てるのが辛くて早く解放してやりたいと思って、彼と話し合う機会を作ったんだ」
「リリーがそんなにも俺の所為で悩んでいたなんて気付かなかったよ。俺はそんなことも知らずに、更にリリーの事を追い込んで…本当に酷い男だよな…」
マティアスは自嘲する様に力なく笑った。
「僕も二人の婚約を壊してしまった責任があるけど、これだけははっきり言わせてもらう。リリーの事は必ず幸せにする、だから…僕にリリーの事を任せて欲しい」
ハーラルトはマティアスを真直ぐに見ながらはっきりとした口調で言った。
「リリーの事泣かせたら、直ぐにでも奪い返しにいきますよ」
「絶対にそんなことはさせない」
二人は真顔で話していて、私は少し恥ずかしくなった。
「リリー、絶対に幸せにしてもらえよ。そうじゃなければ、俺が報われないからな。……婚約、おめでとう」
「……ありがとうっ…」
私は何度も首を縦に小さく振り、目の奥がじんわりと熱くなった。
「今日のリリー…すごく綺麗だ。惚れなおしてしまいそうだな…」
マティアスが冗談ぽくそういうとハーラルトに引き寄せられ腕の中に閉じ込められた。
「それは困るな。リリーは僕の大事な婚約者だ、もう絶対に手放すつもりは無いし触らせないぞ?」
「……っ…」
突然の事に私は恥ずかしくなり顔を赤く染めていた。
「ははっ、冗談ですよ。殿下も…結構嫉妬深い人間なんですね」
「リリーに関してはな」
なんだか二人共いつの間にか仲良くなってる様に見えて私は一人で戸惑っていた。
「ああ、リリーに伝えることがもう一つあるんだ」
「え…?」
ハーラルトの言葉に私は顔を上げた。
「サラの事だ。彼の掴んだ情報のおかげでランデルス家を追い込むことが出来そうだ。ランデルス家は裏でかなり汚い事をしているという噂があったんだが、中々詳細が掴めなかったんだ。だけど今回マティアス殿がサラに近づいてくれたおかげで全て証拠を押さえることが出来た。これでランデルス家は終わりだろうな。サラも裁判が終わればきっと爵位剥奪は免れないだろう。そうなれば権力は使えなくなる、もうリリーには何も出来ないはずだ」
「サラの事だけは俺もどうしても許せなかったからな。リリーの事を陥れようとした報いは受けてもらうさ」
聞く話によればランデルス家、それに加担した者達は現在王城に捕らえられているらしい。
その中にサラも含まれているという。
サラにはハーラルトの婚約者である私を誘拐した容疑がかけられている。
マティアスについては、今回の情報提供をしてくれたこと、全面的にそれに協力した事、更には私がマティアスの罰を望んでない事から不問になった。
ハーラルトも色々と動いてくれていたらしい。
私が知らない間に、色々と解決に向けて話が進んでいたみたいだ。
ハーラルトに任せて良かったと心から思った。
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