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39.森の中で①※
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「セラ、この髪を外すぞ。違和感しかないからな」
「う、うん」
仮面は飛んでる間にどこかに落ちてしまったようだが、ウィッグはしっかりと固定されていた為、まだ付けられた儘だった。
「これはどうしたんだ?」
「変装するために王都のお店で買いました。ドレスはあの変態、……じゃなかった、クリストフ王子が用意したものを勝手に持って来ちゃいました」
ユーリは私のウィッグを外しながら質問してきたので、私は特に言葉を濁すことも無く素直に答えた。
「やはりお前は元の髪の方が似合っているな」
「……っ、ありがとう」
ユーリは私の髪をすごく気に入ってくれている。
この国では珍しい髪色なのだろうか。
だけどゼフィルも黒髪だったし、そうでは無いのだろう。
たまには違う髪型をするのも気分転換みたいでいいけど、彼がこっちのほうが好きだと言ってくれるから、このままでいい。
素の私を褒めてくれることは素直に嬉しかった。
「ひとつ聞きたいんだが、お前を攫ったのは弟ではなかったのか?」
「違います。そっか、ユーリはそういう風に聞かされていたんですね。えっと、今説明しますか? 少し長くなるかも……」
私は戸惑いながら答えた。
「気になるが、話は後にする。今はお前の匂いが強すぎて耐えられる気がしない」
「うん……」
その言葉にドキッとし、私は小さく頷いた。
「今日はやけに素直だな。セラも私と同じように発情しているのか?」
「その言い方、語弊がっ……!」
発情していると言われ、私は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら言い返した。
するとユーリは嬉しそうな顔で私の顔を眺めていることに気付いた。
「な、なに?」
「いや、本当に目の前にセラがいるんだと思ったら嬉しくてな」
(いきなり何を言い出すの!?)
「……っ」
「照れている姿も間違いなくセラだな。お前が傍にいることをしっかりと感じさせてくれ」
ユーリは再び唇を重ねると、味わうような啄むキスを角度を変えて続けていく。
唇が合わさる度に、重なった部分からは確かに彼の熱を感じ取ることが出来る。
それがとても嬉しくて、私はユーリの背中に掴まるように手を伸ばした。
(ユーリだ……、この腕の中に確かにいる。もう絶対に離さないっ)
「……んっ、はぁ……」
「セラの唇、随分と熱くなってきたな。口、開いて」
「……んぅ」
「素直で可愛いな」
私が唇をゆっくりと開くと、直ぐに熱を帯びた彼の舌先が腔内へと入り込んできた。
内壁をなぞるように奥まで舐められ、その度にゾクゾクして体が震えてしまう。
少し苦しさを感じていたが、今はそれ以上に彼の熱を感じたくて私は無我夢中で舌を絡めていた。
「ユーリ、……す、きっ……はぁっ」
「私もセラのことが大好きだ」
ユーリの口から『大好き』という言葉を聞くと、胸が高鳴り更にぎゅっと強く抱きついていた。
それはもう離れたくはないという、私の心の現れだったのかもしれない。
「もうキスだけでは我慢出来ないな。セラ、服を脱がせる。折角のドレスだが、体が痛くないようにこれを下に敷いて置こうか」
「はい……」
ユーリはそう言うと、私の纏っているドレスを脱がせていく。
こんな森の中で生まれたままの姿にされるなんて思いもしなかったし、とても恥ずかしいことではある。
せめてもの救いは辺りが薄暗いということだけど、月明かりが強いために私の全ては彼の前ではっきりと晒されてしまっていることだろう。
もう何度も肌を全て見られているが、これについては慣れる気は全くしない。
ドレスを脱がし終えると、それを地面に綺麗に敷いてくれて、私はその上に体を倒した。
以前はここでユーリが眠っていたが、今度は立場が逆転している。
「なんか既視感を感じませんか?」
「ああ、そうだな。セラ、恥ずかしかったら目を閉じていてもいいよ」
「えっ」
「なんてな……」
「からかったんですかっ! 酷い……」
「月明かりに照らされているセラの体、すごく綺麗だ。これは全て私のものだ……。その証もしっかりと残さないとな」
私がムッとした顔で答えるとユーリはその事には答えず、私の体に触れてなぞるように指を滑らせていく。
夜風に当たっているのに寒さを感じないのは、私の体が火照っているからだと思う。
そして指で撫でられる度に、そこから新たな熱が広がっていくようだ。
「……っ、ユーリ、擽ったいよ」
「セラの体は敏感だからな。それならば、擽ったいだけではない刺激を与えてやらないとな」
そう言ってユーリは顔を私の首元に移動させた。
首筋に唇を押し当てると、ちゅっと音を立てて口付け、深く吸い上げる。
チクッとした鋭い痛みの奥から、ジンジンとした痺れるような刺激が後から伝わってくるのを感じる。
そして体の中心が疼くように熱くなっていく。
「んぅっ、……はぁ」
「随分甘い声だな。そんなに強請るような声を上げて。もうここに触って欲しいのか?」
ユーリは首筋から胸元にかけての愛撫を何度も繰り返し、それと同時進行で私の内股を撫でるように掌を滑らせる。
そしてその温かい大きな掌は、熱くなっている中心部へと向けて、ゆっくりと這うように上がって行く。
行き止まりまで辿り着くと、割れ目の入り口を確認するかのように指で優しくなぞり始めた。
「ぁっ、……やぁ」
「嫌じゃなくせに……、もう濡れてる」
熱くなっている部分を直接指でなぞられ、簡単に濡れていることに気付かれてしまうと、私は恥ずかしくてつい嘘を付いてしまった。
彼の指先は、蜜を垂れ零している更に奥へと魅入られるように呑み込まれていく。
「ぁあっ、……はぁっ」
「セラの中、すごく熱いな。私の指が溶けてしまいそうだ」
「ふぅっ……ん、はぁっ、きもち、いいっ……」
「そうか、暫くは私の指を味わっていて。ちゃんと気持ち良いところに触れていてやる」
私の口元からはひっきりなしに甘い嬌声が溢れていく。
首筋を愛撫していた彼の唇は胸の方へと移動していき、今度は先端の尖り始めている突起の周りを焦らすように舐め始めた。
「ぁあっ、それやだっ……はぁっ」
「どうして? 焦らされるのは嫌いか? でもセラはこうされるとさらに興奮するよな」
まるで何もかも知っているような口ぶりで煽られる。
「ち、がっ……ぁああっ」
「セラが退屈しないように、色々な刺激をあげようか」
ユーリの指先は蜜口の浅いところを掻き混ぜながら、同時にぷっくりと膨れ上がっている蕾にも刺激を送り始めた。
指で膨らんだ蕾を押し潰され、その度に鋭い刺激を感じ、私は体をビクビクと震わせてしまう。
「ここ、本当に弱いよな。逃げようとしても無駄だ。絶対に逃さない」
「ぁああっ、そこばっか、だめええっ……」
「だめじゃない。果てたければ素直にイって構わないぞ。我慢はするなよ……」
「ぁあっ、やぁぁっ……ぁああっ!!」
ぐちゅぐちゅと厭らしい水音が響く最中、私は腰を大きく跳ね上げて果ててしまった。
しかし絶頂を迎えたからといって、彼の指が止まることはなかった。
寧ろもっと追いつめるように、激しく中を掻き混ぜられる。
「ぁああっ、だ、だめっ、まっ……ぁああっ!!」
「本当に可愛いな……。いいよ、好きなだけ果てるといい。ここもそろそろ膨らんできたし、味わわせて貰うぞ」
「ぁああっ、や、ぁああっ……んぅ」
「甘いな。お前の体はどこもかしこも甘すぎる……」
ユーリはそう言いながら胸の突起を口に含むと、飴玉でも転がすように舌先で味わうように舐め始めた。
両方の刺激に翻弄され、頭がおかしくなりそうだ。
だけど気持ち良くて溶けてしまいそうでもあった。
「ぁあっ……はぁっ……んっ……」
「セラ、これだけで満足なんてしていないよな?」
ユーリは胸を解放すると、私の顔を覗き込んできた。
視界は涙で霞んでいたが、彼の表情はしっかりと確認することが出来る。
「満足、してないっ……だって、まだ……」
「そうだな。私も服を脱ぐから、少し待っていてくれ」
ユーリは優しい口調で答えると、私の瞼にそっと唇を落とし離れていった。
遠ざかっていくのが少し寂しく思えて、切なげな表情を向けてしまう。
「どうした? そんなに私と離れるのが寂しいのか?」
「え……? ち、ちがっ……」
無意識でそんな表情を向けていたが、指摘されて恥ずかしくなり顔を背けた。
私の頬はじわじわと熱くなり、火照っていくのを感じていた。
「本当にお前は、ずっと見ていても飽きないくらい可愛いな」
「……ユーリは、可愛いって言い過ぎですっ」
「本当のことだ。いい加減認めてくれ」
「……っ」
あっさりそんなことを言わえてしまい、私は心の中で盛大に無理だと叫んでいた。
ユーリが着替えている間、私は空を見上げていた。
仰向けに寝転がっているため、自然と空が視界に入ってくる。
先程は他のことに気を取られていて全く気付かなかったが、月の周りには多くの星が散りばめられていて、すごく幻想的な景色がそこには広がっていた。
思わず手を伸ばしたくなり、掴めないと分かっているのに星を掴まえようとしていた。
「何をしているんだ?」
「あ……」
空中に伸ばした私の手は、ユーリの掌によって掴まえられてしまった。
そして手の甲にそっと口付けられ、急にドキドキしてしまう。
「どうした? 顔が赤いが、手に口付けだけだぞ」
「そんなこと、ないっ……」
「そんなことあるだろう」
「……っ」
私は恥ずかしくなりユーリのことを睨み付けてしまう。
すると彼は満足そうに微笑んでいた。
まるで私の今の表情を見るために、そんなことを言って来たのではないかと思えてしまう。
彼はそういう意地悪な所があることを、私は良く知っている。
「セラ、寒くはないか?」
「だ、大丈夫……。ユーリは?」
「私も問題ない。今は興奮して体が火照っているからな」
ユーリはそう言うと、私の体の上に覆い被さってきた。
そして直ぐに唇を塞がれる。
体がぴったりと重なり、直接肌を伝って彼の体温を感じると、すごく気持ち良く思えてきてしまう。
私は離れないように再び彼の背中に手を回した。
「う、うん」
仮面は飛んでる間にどこかに落ちてしまったようだが、ウィッグはしっかりと固定されていた為、まだ付けられた儘だった。
「これはどうしたんだ?」
「変装するために王都のお店で買いました。ドレスはあの変態、……じゃなかった、クリストフ王子が用意したものを勝手に持って来ちゃいました」
ユーリは私のウィッグを外しながら質問してきたので、私は特に言葉を濁すことも無く素直に答えた。
「やはりお前は元の髪の方が似合っているな」
「……っ、ありがとう」
ユーリは私の髪をすごく気に入ってくれている。
この国では珍しい髪色なのだろうか。
だけどゼフィルも黒髪だったし、そうでは無いのだろう。
たまには違う髪型をするのも気分転換みたいでいいけど、彼がこっちのほうが好きだと言ってくれるから、このままでいい。
素の私を褒めてくれることは素直に嬉しかった。
「ひとつ聞きたいんだが、お前を攫ったのは弟ではなかったのか?」
「違います。そっか、ユーリはそういう風に聞かされていたんですね。えっと、今説明しますか? 少し長くなるかも……」
私は戸惑いながら答えた。
「気になるが、話は後にする。今はお前の匂いが強すぎて耐えられる気がしない」
「うん……」
その言葉にドキッとし、私は小さく頷いた。
「今日はやけに素直だな。セラも私と同じように発情しているのか?」
「その言い方、語弊がっ……!」
発情していると言われ、私は恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら言い返した。
するとユーリは嬉しそうな顔で私の顔を眺めていることに気付いた。
「な、なに?」
「いや、本当に目の前にセラがいるんだと思ったら嬉しくてな」
(いきなり何を言い出すの!?)
「……っ」
「照れている姿も間違いなくセラだな。お前が傍にいることをしっかりと感じさせてくれ」
ユーリは再び唇を重ねると、味わうような啄むキスを角度を変えて続けていく。
唇が合わさる度に、重なった部分からは確かに彼の熱を感じ取ることが出来る。
それがとても嬉しくて、私はユーリの背中に掴まるように手を伸ばした。
(ユーリだ……、この腕の中に確かにいる。もう絶対に離さないっ)
「……んっ、はぁ……」
「セラの唇、随分と熱くなってきたな。口、開いて」
「……んぅ」
「素直で可愛いな」
私が唇をゆっくりと開くと、直ぐに熱を帯びた彼の舌先が腔内へと入り込んできた。
内壁をなぞるように奥まで舐められ、その度にゾクゾクして体が震えてしまう。
少し苦しさを感じていたが、今はそれ以上に彼の熱を感じたくて私は無我夢中で舌を絡めていた。
「ユーリ、……す、きっ……はぁっ」
「私もセラのことが大好きだ」
ユーリの口から『大好き』という言葉を聞くと、胸が高鳴り更にぎゅっと強く抱きついていた。
それはもう離れたくはないという、私の心の現れだったのかもしれない。
「もうキスだけでは我慢出来ないな。セラ、服を脱がせる。折角のドレスだが、体が痛くないようにこれを下に敷いて置こうか」
「はい……」
ユーリはそう言うと、私の纏っているドレスを脱がせていく。
こんな森の中で生まれたままの姿にされるなんて思いもしなかったし、とても恥ずかしいことではある。
せめてもの救いは辺りが薄暗いということだけど、月明かりが強いために私の全ては彼の前ではっきりと晒されてしまっていることだろう。
もう何度も肌を全て見られているが、これについては慣れる気は全くしない。
ドレスを脱がし終えると、それを地面に綺麗に敷いてくれて、私はその上に体を倒した。
以前はここでユーリが眠っていたが、今度は立場が逆転している。
「なんか既視感を感じませんか?」
「ああ、そうだな。セラ、恥ずかしかったら目を閉じていてもいいよ」
「えっ」
「なんてな……」
「からかったんですかっ! 酷い……」
「月明かりに照らされているセラの体、すごく綺麗だ。これは全て私のものだ……。その証もしっかりと残さないとな」
私がムッとした顔で答えるとユーリはその事には答えず、私の体に触れてなぞるように指を滑らせていく。
夜風に当たっているのに寒さを感じないのは、私の体が火照っているからだと思う。
そして指で撫でられる度に、そこから新たな熱が広がっていくようだ。
「……っ、ユーリ、擽ったいよ」
「セラの体は敏感だからな。それならば、擽ったいだけではない刺激を与えてやらないとな」
そう言ってユーリは顔を私の首元に移動させた。
首筋に唇を押し当てると、ちゅっと音を立てて口付け、深く吸い上げる。
チクッとした鋭い痛みの奥から、ジンジンとした痺れるような刺激が後から伝わってくるのを感じる。
そして体の中心が疼くように熱くなっていく。
「んぅっ、……はぁ」
「随分甘い声だな。そんなに強請るような声を上げて。もうここに触って欲しいのか?」
ユーリは首筋から胸元にかけての愛撫を何度も繰り返し、それと同時進行で私の内股を撫でるように掌を滑らせる。
そしてその温かい大きな掌は、熱くなっている中心部へと向けて、ゆっくりと這うように上がって行く。
行き止まりまで辿り着くと、割れ目の入り口を確認するかのように指で優しくなぞり始めた。
「ぁっ、……やぁ」
「嫌じゃなくせに……、もう濡れてる」
熱くなっている部分を直接指でなぞられ、簡単に濡れていることに気付かれてしまうと、私は恥ずかしくてつい嘘を付いてしまった。
彼の指先は、蜜を垂れ零している更に奥へと魅入られるように呑み込まれていく。
「ぁあっ、……はぁっ」
「セラの中、すごく熱いな。私の指が溶けてしまいそうだ」
「ふぅっ……ん、はぁっ、きもち、いいっ……」
「そうか、暫くは私の指を味わっていて。ちゃんと気持ち良いところに触れていてやる」
私の口元からはひっきりなしに甘い嬌声が溢れていく。
首筋を愛撫していた彼の唇は胸の方へと移動していき、今度は先端の尖り始めている突起の周りを焦らすように舐め始めた。
「ぁあっ、それやだっ……はぁっ」
「どうして? 焦らされるのは嫌いか? でもセラはこうされるとさらに興奮するよな」
まるで何もかも知っているような口ぶりで煽られる。
「ち、がっ……ぁああっ」
「セラが退屈しないように、色々な刺激をあげようか」
ユーリの指先は蜜口の浅いところを掻き混ぜながら、同時にぷっくりと膨れ上がっている蕾にも刺激を送り始めた。
指で膨らんだ蕾を押し潰され、その度に鋭い刺激を感じ、私は体をビクビクと震わせてしまう。
「ここ、本当に弱いよな。逃げようとしても無駄だ。絶対に逃さない」
「ぁああっ、そこばっか、だめええっ……」
「だめじゃない。果てたければ素直にイって構わないぞ。我慢はするなよ……」
「ぁあっ、やぁぁっ……ぁああっ!!」
ぐちゅぐちゅと厭らしい水音が響く最中、私は腰を大きく跳ね上げて果ててしまった。
しかし絶頂を迎えたからといって、彼の指が止まることはなかった。
寧ろもっと追いつめるように、激しく中を掻き混ぜられる。
「ぁああっ、だ、だめっ、まっ……ぁああっ!!」
「本当に可愛いな……。いいよ、好きなだけ果てるといい。ここもそろそろ膨らんできたし、味わわせて貰うぞ」
「ぁああっ、や、ぁああっ……んぅ」
「甘いな。お前の体はどこもかしこも甘すぎる……」
ユーリはそう言いながら胸の突起を口に含むと、飴玉でも転がすように舌先で味わうように舐め始めた。
両方の刺激に翻弄され、頭がおかしくなりそうだ。
だけど気持ち良くて溶けてしまいそうでもあった。
「ぁあっ……はぁっ……んっ……」
「セラ、これだけで満足なんてしていないよな?」
ユーリは胸を解放すると、私の顔を覗き込んできた。
視界は涙で霞んでいたが、彼の表情はしっかりと確認することが出来る。
「満足、してないっ……だって、まだ……」
「そうだな。私も服を脱ぐから、少し待っていてくれ」
ユーリは優しい口調で答えると、私の瞼にそっと唇を落とし離れていった。
遠ざかっていくのが少し寂しく思えて、切なげな表情を向けてしまう。
「どうした? そんなに私と離れるのが寂しいのか?」
「え……? ち、ちがっ……」
無意識でそんな表情を向けていたが、指摘されて恥ずかしくなり顔を背けた。
私の頬はじわじわと熱くなり、火照っていくのを感じていた。
「本当にお前は、ずっと見ていても飽きないくらい可愛いな」
「……ユーリは、可愛いって言い過ぎですっ」
「本当のことだ。いい加減認めてくれ」
「……っ」
あっさりそんなことを言わえてしまい、私は心の中で盛大に無理だと叫んでいた。
ユーリが着替えている間、私は空を見上げていた。
仰向けに寝転がっているため、自然と空が視界に入ってくる。
先程は他のことに気を取られていて全く気付かなかったが、月の周りには多くの星が散りばめられていて、すごく幻想的な景色がそこには広がっていた。
思わず手を伸ばしたくなり、掴めないと分かっているのに星を掴まえようとしていた。
「何をしているんだ?」
「あ……」
空中に伸ばした私の手は、ユーリの掌によって掴まえられてしまった。
そして手の甲にそっと口付けられ、急にドキドキしてしまう。
「どうした? 顔が赤いが、手に口付けだけだぞ」
「そんなこと、ないっ……」
「そんなことあるだろう」
「……っ」
私は恥ずかしくなりユーリのことを睨み付けてしまう。
すると彼は満足そうに微笑んでいた。
まるで私の今の表情を見るために、そんなことを言って来たのではないかと思えてしまう。
彼はそういう意地悪な所があることを、私は良く知っている。
「セラ、寒くはないか?」
「だ、大丈夫……。ユーリは?」
「私も問題ない。今は興奮して体が火照っているからな」
ユーリはそう言うと、私の体の上に覆い被さってきた。
そして直ぐに唇を塞がれる。
体がぴったりと重なり、直接肌を伝って彼の体温を感じると、すごく気持ち良く思えてきてしまう。
私は離れないように再び彼の背中に手を回した。
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