24 / 41
24.誤解③
しおりを挟む
あれから暫くするとユーリはザイールを連れて部屋に戻ってきた。
その頃には私の心も大分落ち着きを取り戻していた。
私は戻ってきた二人に自分が聖女で無いことを改めて伝え、本物の聖女についても出来る限り話した。
この世界に来て誰にも話さなかったことを伝えると、胸のつかえがとれたようで少しだけ心がすっきりとしたような気がする。
だけど私は自分の能力については伝えていない。
これを伝えたら、変に誤解されたり期待される可能性があるからだ。
ユーリにはいずれこのことを話してもいいと思っているが、現時点では黙っておくことにした。
「私が勘違いをしたばっかりに混乱させてしまったな。だけど聖女の情報は助かる。セラ、話してくれてありがとう」
「はい……、お役に立てたなら良かったです」
ユーリは戻って来てからずっと私の手を握ってくれている。
そのおかげで私は落ち着いて話すことが出来たのかも知れない。
「セラさん、本当に気の毒でしたね。バルムートで召喚されなければ、聖女でなかったとしてもこんな酷い扱いはされなかったはずだ。アルヴァールではこれまでに何度も召喚の儀を行ってきましたが、このような非礼な扱いは絶対にしていないと思います。そんなことをしたら罰当たりと蔑まれ、最悪極刑になりますから」
ザイールは呆れた様な口調で答えた。
国によって扱い方は様々ということなのだろうか。
(召喚の儀って、私みたいに異世界から召喚したってこと……?)
「たしかにそうだな。我が国では聖女という存在は、神に近い神聖な存在だと教えられているからな。聖女でなくとも異界から来た人間は特別な力や知識を持っている者が殆どだ」
「もしかして、シャワーも……?」
「ああ、そうだ。あれを発明したのもの異世界人だと聞いている」
(……やっぱり)
先程は他のことに気を捉えていて大して気にしていなかったが、やはり過去には私と同じように召喚された者達がいるようだ。
私は平民として今まで生活していたので気付かなかっただけで、この世界には私の知る便利なものが色々と溢れているのかもしれない。
「ユーリの国では、聖女以外を召喚したことはあるんですか?」
「昔の文献には、複数同時に召喚されたこともあったと記されていたな」
過去に同じことが起こっていると聞くと、少し安心する。
何度も召喚しているアルヴァールならば、帰る方法も知っているのかも知れない。
だけど、私はその方法を聞かなかった。
元の世界に帰るということは、ユーリとはもう会えなくなってしまうということを意味しているからだ。
(乗りかかった船だし、安心出来るまでは見届けたい……)
心の中で理由を見つけるように、自分自身に向けて呟いた。
だけど本当の理由は、彼と離れたくない。
その気持ちに尽きるのだと思う。
「ザイール、話はこれくらいで構わないか?」
「はい。ユーリウス様は暫くこちらに滞在されるのですよね?」
「ああ、そのつもりだ。ある程度状況を把握してからでないと、動くに動けないからな」
「たしかに。それならばこちらに何か情報が入りましたら直ぐにお伝えしますね」
「そうしてくれると助かる。分かっているとは思うが、今話したことは他言無用で頼む」
「勿論です」
話し終えるとユーリはソファーから立ち上がった。
そして「行こうか」と告げると、私の前に手を差し出してくれた。
私は嬉しそうな声で「はいっ」と答えて、ユーリの手を握った。
「それでは失礼させてもらう」
「セラさん。ユーリウス様とのデート、楽しんで来てくださいね」
私が立ち上がるとザイールと目が合った。
するとにっこりと微笑みながらそんなことを言われて、私は顔を赤く染めてしまう。
「本当に可愛らしい方だ」
「ザイール、セラは私のものだぞ」
(私のもの……)
ザイールとのやり取りを見ていたユーリは、不満そうな声で呟いた。
まるで妬いているみたいに聞こえて、更にドキドキしてしまう。
「はは、私はただ見たままを呟いただけですよ。こんな姿のユーリウス様を見れるなんて」
「……もういい。セラ、行くぞ」
「は、はいっ……」
ユーリは私の手を引いて歩き出した。
(そうだ、ザイールさんの鑑定忘れてた……)
私は慌てるようにザイールの方に視線を向けると、彼は微笑ましい顔でこちらを見つめていた。
私は愛想笑いを見せて誤魔化しながら、意識を集中させて彼のステータスを確認した。
歩いていたので、見えたのはほんの数秒だけだった。
本当にさらりとしか見えなかったが、能力はかなり高かった。
さすが元S級冒険者と言ったところだ。
そして慌てていたので一瞬しか見れなかったが、画面には『呪い』という文字が書かれていた。
(呪いって……)
「セラ、何をしている。そんな歩き方をしていると転ぶぞ」
「あ、ごめんなさいっ」
私は戸惑いながらザイールに向けて小さく会釈をすると、ユーリに連れられるままに部屋から出て行った。
(さっきの呪いってなんだったんだろう。次に会った時はちゃんと確認しよう)
ザイール自身が呪いにかけられているのか、それとも呪いのスキルを持っているのかは分からなかった。
苦しんでいる様子は全く感じなかったので、恐らくは後者なのだろう。
ギルドに行けば直ぐに会うことは出来るだろうし、その時に確認すればいいと思い然程気にはしなかった。
***
「セラは大分年上の男が好みなのか?」
「は……? ち、違うよ!」
ユーリの不満そうな声が頭上から聞こえてきて、私は慌てるように顔を上げた。
「冗談だ」
「……っ!」
彼は小さく笑っていた。
良く彼にからかわれることを、私はすっかり忘れていたようだ。
(もうっ……!)
「お前が他の男からちやほやされている姿を見せられるのは、あまりいいものじゃないな。腹が立つ」
「それって、嫉妬ですか?」
私はムッとしながら問いかけた。
「ああ……、たしかに嫉妬だな。私を妬かせたのだから、その責任は後できっちりと取ってもらうぞ」
「……っ!?」
ユーリは私の瞳をじっと見つめながら「覚悟しておけよ」と呟いた。
獲物を狙うような、鋭い視線で見つめられたような気がして、ゾクッと背筋が震えた。
だけど次の瞬間にはいつもの穏やかな表情に戻っていた。
「さあ、行こうか。解体も終わっている頃だと思うし、まずはそこからだな」
「はいっ!」
色々あって忘れていたが、私達は沢山の魔物を倒した。
換金額は普段よりも大きいはずだと思うと、顔が勝手ににんまりとしてしまう。
「本当にお前はすぐ顔に出るんだな」
「良いことなら別にいいじゃないですかっ!」
「悪いとは言っていない。だが、お前の傍にいると私まで伝染しそうだ」
「……っ、換金したら美味しいものをいっぱい食べましょう!」
優しく微笑む姿を見てしまうと急に胸がドキドキしてきてしまい、私は強引に話題を変えた。
その頃には私の心も大分落ち着きを取り戻していた。
私は戻ってきた二人に自分が聖女で無いことを改めて伝え、本物の聖女についても出来る限り話した。
この世界に来て誰にも話さなかったことを伝えると、胸のつかえがとれたようで少しだけ心がすっきりとしたような気がする。
だけど私は自分の能力については伝えていない。
これを伝えたら、変に誤解されたり期待される可能性があるからだ。
ユーリにはいずれこのことを話してもいいと思っているが、現時点では黙っておくことにした。
「私が勘違いをしたばっかりに混乱させてしまったな。だけど聖女の情報は助かる。セラ、話してくれてありがとう」
「はい……、お役に立てたなら良かったです」
ユーリは戻って来てからずっと私の手を握ってくれている。
そのおかげで私は落ち着いて話すことが出来たのかも知れない。
「セラさん、本当に気の毒でしたね。バルムートで召喚されなければ、聖女でなかったとしてもこんな酷い扱いはされなかったはずだ。アルヴァールではこれまでに何度も召喚の儀を行ってきましたが、このような非礼な扱いは絶対にしていないと思います。そんなことをしたら罰当たりと蔑まれ、最悪極刑になりますから」
ザイールは呆れた様な口調で答えた。
国によって扱い方は様々ということなのだろうか。
(召喚の儀って、私みたいに異世界から召喚したってこと……?)
「たしかにそうだな。我が国では聖女という存在は、神に近い神聖な存在だと教えられているからな。聖女でなくとも異界から来た人間は特別な力や知識を持っている者が殆どだ」
「もしかして、シャワーも……?」
「ああ、そうだ。あれを発明したのもの異世界人だと聞いている」
(……やっぱり)
先程は他のことに気を捉えていて大して気にしていなかったが、やはり過去には私と同じように召喚された者達がいるようだ。
私は平民として今まで生活していたので気付かなかっただけで、この世界には私の知る便利なものが色々と溢れているのかもしれない。
「ユーリの国では、聖女以外を召喚したことはあるんですか?」
「昔の文献には、複数同時に召喚されたこともあったと記されていたな」
過去に同じことが起こっていると聞くと、少し安心する。
何度も召喚しているアルヴァールならば、帰る方法も知っているのかも知れない。
だけど、私はその方法を聞かなかった。
元の世界に帰るということは、ユーリとはもう会えなくなってしまうということを意味しているからだ。
(乗りかかった船だし、安心出来るまでは見届けたい……)
心の中で理由を見つけるように、自分自身に向けて呟いた。
だけど本当の理由は、彼と離れたくない。
その気持ちに尽きるのだと思う。
「ザイール、話はこれくらいで構わないか?」
「はい。ユーリウス様は暫くこちらに滞在されるのですよね?」
「ああ、そのつもりだ。ある程度状況を把握してからでないと、動くに動けないからな」
「たしかに。それならばこちらに何か情報が入りましたら直ぐにお伝えしますね」
「そうしてくれると助かる。分かっているとは思うが、今話したことは他言無用で頼む」
「勿論です」
話し終えるとユーリはソファーから立ち上がった。
そして「行こうか」と告げると、私の前に手を差し出してくれた。
私は嬉しそうな声で「はいっ」と答えて、ユーリの手を握った。
「それでは失礼させてもらう」
「セラさん。ユーリウス様とのデート、楽しんで来てくださいね」
私が立ち上がるとザイールと目が合った。
するとにっこりと微笑みながらそんなことを言われて、私は顔を赤く染めてしまう。
「本当に可愛らしい方だ」
「ザイール、セラは私のものだぞ」
(私のもの……)
ザイールとのやり取りを見ていたユーリは、不満そうな声で呟いた。
まるで妬いているみたいに聞こえて、更にドキドキしてしまう。
「はは、私はただ見たままを呟いただけですよ。こんな姿のユーリウス様を見れるなんて」
「……もういい。セラ、行くぞ」
「は、はいっ……」
ユーリは私の手を引いて歩き出した。
(そうだ、ザイールさんの鑑定忘れてた……)
私は慌てるようにザイールの方に視線を向けると、彼は微笑ましい顔でこちらを見つめていた。
私は愛想笑いを見せて誤魔化しながら、意識を集中させて彼のステータスを確認した。
歩いていたので、見えたのはほんの数秒だけだった。
本当にさらりとしか見えなかったが、能力はかなり高かった。
さすが元S級冒険者と言ったところだ。
そして慌てていたので一瞬しか見れなかったが、画面には『呪い』という文字が書かれていた。
(呪いって……)
「セラ、何をしている。そんな歩き方をしていると転ぶぞ」
「あ、ごめんなさいっ」
私は戸惑いながらザイールに向けて小さく会釈をすると、ユーリに連れられるままに部屋から出て行った。
(さっきの呪いってなんだったんだろう。次に会った時はちゃんと確認しよう)
ザイール自身が呪いにかけられているのか、それとも呪いのスキルを持っているのかは分からなかった。
苦しんでいる様子は全く感じなかったので、恐らくは後者なのだろう。
ギルドに行けば直ぐに会うことは出来るだろうし、その時に確認すればいいと思い然程気にはしなかった。
***
「セラは大分年上の男が好みなのか?」
「は……? ち、違うよ!」
ユーリの不満そうな声が頭上から聞こえてきて、私は慌てるように顔を上げた。
「冗談だ」
「……っ!」
彼は小さく笑っていた。
良く彼にからかわれることを、私はすっかり忘れていたようだ。
(もうっ……!)
「お前が他の男からちやほやされている姿を見せられるのは、あまりいいものじゃないな。腹が立つ」
「それって、嫉妬ですか?」
私はムッとしながら問いかけた。
「ああ……、たしかに嫉妬だな。私を妬かせたのだから、その責任は後できっちりと取ってもらうぞ」
「……っ!?」
ユーリは私の瞳をじっと見つめながら「覚悟しておけよ」と呟いた。
獲物を狙うような、鋭い視線で見つめられたような気がして、ゾクッと背筋が震えた。
だけど次の瞬間にはいつもの穏やかな表情に戻っていた。
「さあ、行こうか。解体も終わっている頃だと思うし、まずはそこからだな」
「はいっ!」
色々あって忘れていたが、私達は沢山の魔物を倒した。
換金額は普段よりも大きいはずだと思うと、顔が勝手ににんまりとしてしまう。
「本当にお前はすぐ顔に出るんだな」
「良いことなら別にいいじゃないですかっ!」
「悪いとは言っていない。だが、お前の傍にいると私まで伝染しそうだ」
「……っ、換金したら美味しいものをいっぱい食べましょう!」
優しく微笑む姿を見てしまうと急に胸がドキドキしてきてしまい、私は強引に話題を変えた。
1
お気に入りに追加
1,204
あなたにおすすめの小説
じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
大好きだった人には振られましたが、なぜかヤンデレ王太子に溺愛されました
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のアリアは、子供の頃からずっと同い年の侯爵令息、カーターの事が大好き。毎日の様に侯爵家に足を運び、カーターに会いに行っていた。その思いは貴族学院に入学してからも変わらない。
カーターが好きなお菓子も上手に作れる様になったし、カーターが刺繍が出来る女の子が好きと言えば、刺繍もマスターした。
でもカーターは中々アリアと婚約を結ぼうとはしない。そんな中、カーターが王女でもある、スカーレットと近々婚約を結ぶと言う話を耳にしたアリア。
大好きなカーターが別の女性と結婚してしまう現実に、大きなショックを受ける。友人や家族の支えもあり、何とか立ち直ろうとしていたアリアの元に、一通の手紙が…
その手紙は、王宮で開かれる夜会への招待状だった。何でも今年16歳になる王太子、ワイアットの婚約者を決める為の夜会との事。伯爵以上の婚約者のいない女性は強制参加の様で、仕方なく夜会に参加するアリア。その夜会が、アリアの運命を大きく左右する事になる!
追記
話しが進むにつれ、ワイアットがかなり病んでいきます。ちょっと残酷なシーンも出て来そうなので、R15指定にしました。
よろしくお願いいたしますm(__)m
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
王宮の片隅で、醜い王子と引きこもりライフ始めました(私にとってはイケメン)。
花野はる
恋愛
平凡で地味な暮らしをしている介護福祉士の鈴木美紅(20歳)は休日外出先で西洋風異世界へ転移した。
フィッティングルームから転移してしまったため、裸足だった美紅は、街中で親切そうなおばあさんに助けられる。しかしおばあさんの家でおじいさんに襲われそうになり、おばあさんに騙され王宮に売られてしまった。
王宮では乱暴な感じの宰相とゲスな王様にドン引き。
王妃様も優しそうなことを言っているが信用できない。
そんな中、奴隷同様な扱いで、誰もやりたがらない醜い第1王子の世話係をさせられる羽目に。
そして王宮の離れに連れて来られた。
そこにはコテージのような可愛らしい建物と専用の庭があり、美しい王子様がいた。
私はその専用スペースから出てはいけないと言われたが、元々仕事以外は引きこもりだったので、ゲスな人たちばかりの外よりここが断然良い!
そうして醜い王子と異世界からきた乙女の楽しい引きこもりライフが始まった。
ふたりのタイプが違う引きこもりが、一緒に暮らして傷を癒し、外に出て行く話にするつもりです。
つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福
ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨ 読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話に加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン♥️
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる