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23.誤解②
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「セラ、顔を上げてくれ」
「……っ」
話すのは怖いけど、ずっとこのままというわけにもいかない。
誤解を生ませてしまったのは、私にも非がある。
最初から全てを話していれば、きっとこうはならなかったはずだから。
私は掌をぎゅっと握りしめて覚悟を決めると、ゆっくりと顔を上げた。
目の前には心配するような瞳があり、胸がドクドクと鳴り響く。
私が顔を上げると、少しだけユーリの表情が緩んだように見えた。
彼にこんな表情をさせてしまった以上、話さなくてはならないと思った。
「私が異世界から来たことは事実です。でも……、聖女は私ではないんです」
「それはどういうことだ? ゆっくりで構わない。話してくれるか?」
震えている私の手を、彼の掌が再び優しく包んだ。
全てを話し終えてしまったら、この手は私から離れていってしまうかもしれない。
だけど今は、この温もりに縋らせてもらうことにした。
落ち着けるものがなければ、上手く話せないような気がしたからだ。
「召喚されたのは私の他に、もう一人いました。私はたまたまその子の傍にいたから誤ってこっちの世界に連れて来られただけで、聖女に選ばれたのはもう一人の子です」
「召喚されたのは、二人だったと言うことか……?」
「はい……。その子は鑑定で光魔法が使えることが判明して、魔力量も多かったみたいです。周りにいた人達はその子が聖女だと口々に言ってました」
「セラは鑑定しなかったのか?」
「私もしました。だけど、何も判定されませんでした。魔力が無いってことみたいです。誤って連れて来たと分かると、直ぐに王宮から追い出されて……」
「随分と酷い扱いだな」
こんな話をした後でも、ユーリは私の心配を一番にしてくれる。
それが無性に嬉しくて、涙が出そうになった。
「だからっ、ユーリが必要としている人間は私ではないんです。誤解させてしまって、ごめんなさい……」
「いや、私が勝手に勘違いしたことだ。セラが謝ることではない」
「でもっ、私がちゃんと説明をしなかったから。異世界人だと分かったら利用されるかも知れないって思っちゃって、敢えて伝えなかった。ユーリは私にちゃんと事情を話してくれたのにっ……」
私の目からは涙が溢れていた。
昨日に戻れるなら、戻ってやり直したいとさえ思ってしまう。
ユーリの傍にいられる時間は限られていると分かっていたけど、失望されて終わるのは辛すぎる。
「いや、セラの言うことは最もな理由だと思うし、どこも悪くはないと思うぞ。初対面の人間を簡単に信じる者なんて、馬鹿か相当なお人好しくらいだろうからな」
「でもっ、ユーリは話してくれたっ……」
私が涙でぐちゃぐちゃになった顔で話していると、ユーリは私の目元の涙を何度も指で拭ってくれた。
「セラからは特別な何かを感じたからな。まあ、女神の言葉もあったから、直感を信じたというか」
「私が異世界から来た人間だから、勘違いさせちゃったのかも……」
私の言葉に彼は困ったような表情を浮かべていた。
困らせているのでは無いかと思うと、余計に胸が苦しくなる。
私は耐えれなくなり、彼の指を剥がして立ち上がった。
「どこに行くつもりだ?」
私が立ち上がると、直ぐに手首を掴まれてしまう。
巻き付いている掌を必死に剥がそうとしても、きつく掴まれているので離れない。
「離してください。今の私の話、聞いてましたよね? 私は聖女でもなんでもない、ただ誤って送られただけの異世界人……。本物の聖女はバルムート王国にいるはずです」
「今は聖女の話は聞いていない」
「……っ、私に構う理由なんてもうないくせにっ」
こんな捨て台詞みたいな言葉を伝えたかったわけではない。
表情を変えること無く、じっと私を見つめてくる瞳に悔しくなり、感情が昂ぶって思わず口に出してしまった。
そしてキッと鋭い瞳で睨み付けてしまう。
しかし、ユーリの表情はそれでも変わらなかった。
「離してっ……」
「離さない」
私の言葉を即答で返され、思わず眉根を寄せてしまう。
「なんでっ……? 私は聖女じゃないのに……。ユーリにとって必要な人間じゃないんだよ? 一緒にいても意味ない……「意味ならある」」
私の言葉は遮られる。
そして同時に腕を強く引っ張られ、体勢を崩して前に倒れ込んでしまう。
「……きゃっ! な、なにするっ……」
気付くと彼の大きな胸に受け止められ、腕の中に抱きしめられていた。
突然のことに私は混乱してしまう。
「セラと離れたくない。それが理由にはならないか?」
「……っ」
(なんでそんなこと言うの? ユーリは勇者の家系で、聖女が必要なくせに……。私は違う)
その言葉が響くと、胸の奥がじわりと熱くなる。
「私も白状する……。最初はセラが聖女だと思っていたから、繋ぎ止めるために協力者になって欲しいと提案した」
(やっぱり、優しくしてくれたのは私が聖女だと思っていたからだったんだ……)
事実を突きつけられると、胸の奥がぎゅっと苦しくなる。
「だけど、一目惚れというのは強ち間違ってはいないと思う。まだ出会って一日だと言うのに、私の心はお前で満たされているからな。こんな感情を抱いたのは初めてだ。これから先もセラのころころと変わる表情を一番近くで見ていたいし、この手の届く範囲に収めていたい。聖女のことは抜きにして、お前を独占したい」
「……っ、私……、このままユーリの傍にいてもいいの? 役に立たないよ?」
私の声はどこか震えていた。
今聞いた言葉が嬉し過ぎて、だけどまだ信じられなかった。
先程からずっと、私の心は上がったり下がったりを繰り返している。
こんなにも大きく心を揺さぶられたのは、私だって初めてだ。
だけど、聞きたかった言葉を貰えて、幸福感に心が埋め尽くされていく。
「セラは傍にいてくれるだけでいい。それだけで私の心は穏やかになれるのだから。十分過ぎる程、役に立っているぞ。今ここでセラを手放したら絶対後悔すると分かっているからな。離れるなんて言わないでくれ」
「……っ、離れないっ」
私は彼の背中に手を回すと、ぎゅっと強く抱きついた。
そして彼の胸に顔を押しつけながら、安心したように顔を緩める。
(ユーリも私と同じ気持ちでいてくれたんだ……。どうしよう、すごく嬉しい)
「不安なことを沢山言って、泣かせてしまったな。すまない……。折角綺麗に化粧をしてくれたのにな」
「化粧ならまたすればいいだけだし、大丈夫」
「セラは優しいな。だけど、また何か詫びをさせて欲しい」
「それなら……、また髪を洗ってくれますか? き、気持ち良かったので……」
私は思い出したかのように呟くと、ユーリは小さく笑って「いいよ」と呟いた。
気付けばいつもの、のんびりとした雰囲気に戻っている。
「セラ、落ち着いたか?」
「はい。もう大丈夫です。色々とごめんなさい……」
「何故、謝るんだ?」
「だって、私……色々と言っちゃったし」
「あの程度なら謝罪は不要だぞ。セラは気にしすぎだ。お前の素直な声が聞けて、私は満足しているくらいなのだから。これからはもっと甘えてくれて構わない。これも独占したいという気持ちに含まれている」
「う、うん……」
そんな風に言われると嬉しいけど照れてしまう。
ユーリは私の肩を掴むと、ゆっくりと体を引き剥がした。
そして私の顔を覗き込んでくる。
今のことで私の顔はきっと真っ赤に染まっているはずだ
彼はそんな私の顔を見て満足そうに笑うと、瞼にそっと口付けた。
「このまま抱き合っていたいところだが、そうもいかないからな。きっとザイールも心配しているはずだ。セラが落ち着いてきたのなら呼んでくるが、構わないか?」
「あ……、は、はいっ! すっかり忘れてました」
私が慌てて答えると、ユーリはおかしそうにクスクスと笑っていた。
「セラはここで待っていてくれ。呼んでくる」
「お願いします」
ユーリはそう言うとソファーから立ち上がり、扉の方へと向かっていった。
私が彼の後ろ姿を眺めていると、不意にユーリが振り返り目が合う。
突然のことに私はドキッとしてしまう。
「そこにある焼き菓子でも食べているといい。これはお前のために用意してくれたものだ。どんな姿のセラも愛らして好きだが、嬉しそうにはしゃいでいる姿が一番だからな。その顔をまた見せて」
「……っ」
急にそんなことを言うのは止めて欲しい。
鼓動が急に速くなり、じわじわと顔の奥に熱が篭もっていくのを感じる。
ユーリはずるいくらい、言葉選びが上手い。
このまま彼の傍にいたら、私の心臓はいつか壊れてしまうかもしれない。
それくらい彼にドキドキさせられている気がする。
「早く呼んできてくださいっ!」
「はは、そうだな。行ってくる」
私は照れ隠しをするように、ムスッとした顔で強い口調で答えた。
するとユーリは小さく笑いながら、部屋から出て行った。
(……どうしよう。私、今ものすごく幸せかもっ……。両思いになれたってことでいいんだよね!? ……私の勘違いなんかじゃないよね?)
私は自分の胸に手を当てて、鼓動を抑えようとした。
だけど先程言われた言葉が頭の中でぐるぐると回っていて、その度にドキドキしてしまい、暫くは落ち着く様子はなさそうだ。
そんな中、目の前に置かれている焼き菓子に手を伸ばした。
クッキーを一口食べると、甘さが口の中いっぱいに広がってきて自然と笑みが込み上げてくる。
今まで食べたどのお菓子よりも、美味しく感じていたのかもしれない。
「美味しい……」
私はクッキーを食べながら、幸せを噛みしめていた。
「……っ」
話すのは怖いけど、ずっとこのままというわけにもいかない。
誤解を生ませてしまったのは、私にも非がある。
最初から全てを話していれば、きっとこうはならなかったはずだから。
私は掌をぎゅっと握りしめて覚悟を決めると、ゆっくりと顔を上げた。
目の前には心配するような瞳があり、胸がドクドクと鳴り響く。
私が顔を上げると、少しだけユーリの表情が緩んだように見えた。
彼にこんな表情をさせてしまった以上、話さなくてはならないと思った。
「私が異世界から来たことは事実です。でも……、聖女は私ではないんです」
「それはどういうことだ? ゆっくりで構わない。話してくれるか?」
震えている私の手を、彼の掌が再び優しく包んだ。
全てを話し終えてしまったら、この手は私から離れていってしまうかもしれない。
だけど今は、この温もりに縋らせてもらうことにした。
落ち着けるものがなければ、上手く話せないような気がしたからだ。
「召喚されたのは私の他に、もう一人いました。私はたまたまその子の傍にいたから誤ってこっちの世界に連れて来られただけで、聖女に選ばれたのはもう一人の子です」
「召喚されたのは、二人だったと言うことか……?」
「はい……。その子は鑑定で光魔法が使えることが判明して、魔力量も多かったみたいです。周りにいた人達はその子が聖女だと口々に言ってました」
「セラは鑑定しなかったのか?」
「私もしました。だけど、何も判定されませんでした。魔力が無いってことみたいです。誤って連れて来たと分かると、直ぐに王宮から追い出されて……」
「随分と酷い扱いだな」
こんな話をした後でも、ユーリは私の心配を一番にしてくれる。
それが無性に嬉しくて、涙が出そうになった。
「だからっ、ユーリが必要としている人間は私ではないんです。誤解させてしまって、ごめんなさい……」
「いや、私が勝手に勘違いしたことだ。セラが謝ることではない」
「でもっ、私がちゃんと説明をしなかったから。異世界人だと分かったら利用されるかも知れないって思っちゃって、敢えて伝えなかった。ユーリは私にちゃんと事情を話してくれたのにっ……」
私の目からは涙が溢れていた。
昨日に戻れるなら、戻ってやり直したいとさえ思ってしまう。
ユーリの傍にいられる時間は限られていると分かっていたけど、失望されて終わるのは辛すぎる。
「いや、セラの言うことは最もな理由だと思うし、どこも悪くはないと思うぞ。初対面の人間を簡単に信じる者なんて、馬鹿か相当なお人好しくらいだろうからな」
「でもっ、ユーリは話してくれたっ……」
私が涙でぐちゃぐちゃになった顔で話していると、ユーリは私の目元の涙を何度も指で拭ってくれた。
「セラからは特別な何かを感じたからな。まあ、女神の言葉もあったから、直感を信じたというか」
「私が異世界から来た人間だから、勘違いさせちゃったのかも……」
私の言葉に彼は困ったような表情を浮かべていた。
困らせているのでは無いかと思うと、余計に胸が苦しくなる。
私は耐えれなくなり、彼の指を剥がして立ち上がった。
「どこに行くつもりだ?」
私が立ち上がると、直ぐに手首を掴まれてしまう。
巻き付いている掌を必死に剥がそうとしても、きつく掴まれているので離れない。
「離してください。今の私の話、聞いてましたよね? 私は聖女でもなんでもない、ただ誤って送られただけの異世界人……。本物の聖女はバルムート王国にいるはずです」
「今は聖女の話は聞いていない」
「……っ、私に構う理由なんてもうないくせにっ」
こんな捨て台詞みたいな言葉を伝えたかったわけではない。
表情を変えること無く、じっと私を見つめてくる瞳に悔しくなり、感情が昂ぶって思わず口に出してしまった。
そしてキッと鋭い瞳で睨み付けてしまう。
しかし、ユーリの表情はそれでも変わらなかった。
「離してっ……」
「離さない」
私の言葉を即答で返され、思わず眉根を寄せてしまう。
「なんでっ……? 私は聖女じゃないのに……。ユーリにとって必要な人間じゃないんだよ? 一緒にいても意味ない……「意味ならある」」
私の言葉は遮られる。
そして同時に腕を強く引っ張られ、体勢を崩して前に倒れ込んでしまう。
「……きゃっ! な、なにするっ……」
気付くと彼の大きな胸に受け止められ、腕の中に抱きしめられていた。
突然のことに私は混乱してしまう。
「セラと離れたくない。それが理由にはならないか?」
「……っ」
(なんでそんなこと言うの? ユーリは勇者の家系で、聖女が必要なくせに……。私は違う)
その言葉が響くと、胸の奥がじわりと熱くなる。
「私も白状する……。最初はセラが聖女だと思っていたから、繋ぎ止めるために協力者になって欲しいと提案した」
(やっぱり、優しくしてくれたのは私が聖女だと思っていたからだったんだ……)
事実を突きつけられると、胸の奥がぎゅっと苦しくなる。
「だけど、一目惚れというのは強ち間違ってはいないと思う。まだ出会って一日だと言うのに、私の心はお前で満たされているからな。こんな感情を抱いたのは初めてだ。これから先もセラのころころと変わる表情を一番近くで見ていたいし、この手の届く範囲に収めていたい。聖女のことは抜きにして、お前を独占したい」
「……っ、私……、このままユーリの傍にいてもいいの? 役に立たないよ?」
私の声はどこか震えていた。
今聞いた言葉が嬉し過ぎて、だけどまだ信じられなかった。
先程からずっと、私の心は上がったり下がったりを繰り返している。
こんなにも大きく心を揺さぶられたのは、私だって初めてだ。
だけど、聞きたかった言葉を貰えて、幸福感に心が埋め尽くされていく。
「セラは傍にいてくれるだけでいい。それだけで私の心は穏やかになれるのだから。十分過ぎる程、役に立っているぞ。今ここでセラを手放したら絶対後悔すると分かっているからな。離れるなんて言わないでくれ」
「……っ、離れないっ」
私は彼の背中に手を回すと、ぎゅっと強く抱きついた。
そして彼の胸に顔を押しつけながら、安心したように顔を緩める。
(ユーリも私と同じ気持ちでいてくれたんだ……。どうしよう、すごく嬉しい)
「不安なことを沢山言って、泣かせてしまったな。すまない……。折角綺麗に化粧をしてくれたのにな」
「化粧ならまたすればいいだけだし、大丈夫」
「セラは優しいな。だけど、また何か詫びをさせて欲しい」
「それなら……、また髪を洗ってくれますか? き、気持ち良かったので……」
私は思い出したかのように呟くと、ユーリは小さく笑って「いいよ」と呟いた。
気付けばいつもの、のんびりとした雰囲気に戻っている。
「セラ、落ち着いたか?」
「はい。もう大丈夫です。色々とごめんなさい……」
「何故、謝るんだ?」
「だって、私……色々と言っちゃったし」
「あの程度なら謝罪は不要だぞ。セラは気にしすぎだ。お前の素直な声が聞けて、私は満足しているくらいなのだから。これからはもっと甘えてくれて構わない。これも独占したいという気持ちに含まれている」
「う、うん……」
そんな風に言われると嬉しいけど照れてしまう。
ユーリは私の肩を掴むと、ゆっくりと体を引き剥がした。
そして私の顔を覗き込んでくる。
今のことで私の顔はきっと真っ赤に染まっているはずだ
彼はそんな私の顔を見て満足そうに笑うと、瞼にそっと口付けた。
「このまま抱き合っていたいところだが、そうもいかないからな。きっとザイールも心配しているはずだ。セラが落ち着いてきたのなら呼んでくるが、構わないか?」
「あ……、は、はいっ! すっかり忘れてました」
私が慌てて答えると、ユーリはおかしそうにクスクスと笑っていた。
「セラはここで待っていてくれ。呼んでくる」
「お願いします」
ユーリはそう言うとソファーから立ち上がり、扉の方へと向かっていった。
私が彼の後ろ姿を眺めていると、不意にユーリが振り返り目が合う。
突然のことに私はドキッとしてしまう。
「そこにある焼き菓子でも食べているといい。これはお前のために用意してくれたものだ。どんな姿のセラも愛らして好きだが、嬉しそうにはしゃいでいる姿が一番だからな。その顔をまた見せて」
「……っ」
急にそんなことを言うのは止めて欲しい。
鼓動が急に速くなり、じわじわと顔の奥に熱が篭もっていくのを感じる。
ユーリはずるいくらい、言葉選びが上手い。
このまま彼の傍にいたら、私の心臓はいつか壊れてしまうかもしれない。
それくらい彼にドキドキさせられている気がする。
「早く呼んできてくださいっ!」
「はは、そうだな。行ってくる」
私は照れ隠しをするように、ムスッとした顔で強い口調で答えた。
するとユーリは小さく笑いながら、部屋から出て行った。
(……どうしよう。私、今ものすごく幸せかもっ……。両思いになれたってことでいいんだよね!? ……私の勘違いなんかじゃないよね?)
私は自分の胸に手を当てて、鼓動を抑えようとした。
だけど先程言われた言葉が頭の中でぐるぐると回っていて、その度にドキドキしてしまい、暫くは落ち着く様子はなさそうだ。
そんな中、目の前に置かれている焼き菓子に手を伸ばした。
クッキーを一口食べると、甘さが口の中いっぱいに広がってきて自然と笑みが込み上げてくる。
今まで食べたどのお菓子よりも、美味しく感じていたのかもしれない。
「美味しい……」
私はクッキーを食べながら、幸せを噛みしめていた。
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