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76.双子の姉妹③
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サリーが何故私のことを裏切ったのか、真相とまではいかないが、大体の理由を把握することが出来た。
「サリーの体がここにあるってことは、とりあえず私達は安全だと思っていいのよね?」
私は自分の胸に手を置きながら、安堵した様子で呟いた。
「リリア様は、何か勘違いをされていませんか?」
「勘違い……?」
私の言葉を聞いていたマリーは、直ぐに言い返してきた。
「たしかにリリア様は今現在サリーの体に入っています。ですが、それは器が変わっただけで、中身……、魂はリリア様のままですよね?」
「そうね」
「私もグレインさんに説明されるまで知らなかったのですが、アレクシス様が行った契約は先程も説明したとおり魂を結ぶものです。器が変わったからと言って、契約者が変わるというものでは無いようです」
「そういえば……、あの時、アレクシス様もそんなことを言っていたような……」
アレクシスはサリーの体に入っている私のことを、いとも簡単に見つけ出した。
最初は魔力関知のようなもので探し当てたのだと思っていたが、私の魔力が彼と同調しているのだとしたら、容易に探し当てることが出来たことにも合点がいく。
(それじゃあ、私はもう一生アレクシス様から逃げられないってこと……?)
「サリーが行った魔法は、禁忌に記されているものの可能性はありますが、恐らくは別のものです。リリア様がアレクシス様と契約した時、体が入れ替わるなんてこと起きませんでしたよね? 私がサリーとした時も入れ替わっていません」
「あ……、たしかに」
私は気が動転していたせいか、そんな大きな相違点を見落としていた。
たしかに彼女の言うとおりだ。
「きっとサリーは体を入れ替えさえすれば、以前行った魂の契約も元の体の持ち主に受け継がれると勘違いしているのだと思います」
「そういうことか……。だけど、どうして勘違いだって言い切れるの?」
「それは簡単な理由ですよ。本当の意味が分かっていたとすれば、こんな馬鹿げた計画を起こすメリットが何一つ無いからです」
マリーは一切の迷いも見せず、きっぱりと言い張った。
「リリア様の傍にはいつだってアレクシス様がいます。あの方の目を欺くなんて、はっきりいって無理です。サリーは数年間、あの方の傍で共に戦っていた。桁外れな能力だって当然知っていたはずです」
私は彼女の言葉を聞いて、僅かに眉を顰めた。
戦いについては分からないが、彼は妙に勘が鋭いし、きっと頭も切れて高い洞察力を持っているのだろう。
あんなに傍にいたのに、私は彼の本性を見抜くことが出来なかった。
悔しいが、それが彼女の話に納得出来た最大の理由なのだと思う。
私の警戒心を上手く取り除き、屋敷へと誘い込んだ。
親切で優しい人物を演じて、私をあの場所に留まらせた。
ほぼ軟禁状態に近いことをされたのにも関わらず、あの時の私は逃げようとすら思わなかった。
あれは彼だけが私の味方なんだと思い込ませるための、巧妙な罠だったのかもしれない。
今となっては、そんな風にすら思えてきてしまう。
「マリーは、アレクシス様のことをどんな人物だと思っているの? 良かったら聞かせて」
「……それはっ」
彼女は私の言葉に困惑したような表情を浮かべた。
それは当然の反応だ。
一応彼女はアレクシスに仕える人間なのだから、主を悪く言うことなんて出来ないのだろう。
だけど、常に彼の傍にいたマリーならば、私よりもアレクシスがどういう人物であるのかを知っているはずだ。
私は本当のアレクシスを知りたい。
彼女はサリーの件で、少なからず私に罪悪感を抱いているに違いない。
卑怯かも知れないが、今ならば彼女の本心を引き出せるのではないかと踏んでいた。
逆に言えば、聞けるチャンスは今しかない。
「ここだけの話にするから、正直に答えてくれると嬉しいわ」
私はそう付け加え、彼女を安心させるように穏やかな口調で続けた。
「……悪魔のような人」
私の問いかけに、マリーは戸惑った表情を浮かべるも、小さな声でぽつりと呟いた。
その言葉を聞いて、私は思わず引き攣った顔を見せてしまう。
なんとなく予想はしていた。
アレクシスは、間違いなく善人なんかではない。
「……そっか」
「はい……」
私はすぐに表情を戻すと、納得したように小さく答えた。
今までアレクシスの傍で仕えていた彼女が言うのだから、その言葉通りなのだろう。
(悪魔のような人、……か)
「ですが、リリア様の前では決してそのような姿は見せないと思います」
「どうして、そう思うのか聞いてもいい?」
「はい。あの方にとっては、リリア様が世界の中心で全てなんです。あれほどの実力を身に付けたことも、周囲を一蹴出来るほどの発言力を手にしていることも。全てリリア様を手に入れるために行った手段の一環に過ぎません。そして王位を継ぐことには一切興味を示していない。そんなもの、アレクシス様にとっては必要ないからです」
マリーの言葉に私は絶句してしまう。
思い当たる節が頭の中でいくつも思い浮かんだからだ。
アレクシスはいつも大袈裟なことを言っていた。
それに王位から退こうと考えていたことも知っている。
「でも、分からないわ。どうして私が選ばれたんだろう。私はアレクシス様に認められるような、秀でた部分なんて何も持っていないのに……」
アレクシスに勝っている所なんて、何一つとして思い浮かばない。
私は凡人で、アレクシスは天才。
凡人がいくら努力したところで、やれることには限りがある。
先程マリーが言っていたように、私もサリー同じ側の人間だ。
死ぬ気で努力したとしても、アレクシスに追いつくどころか、並ぶことなんて一生掛けたとしても無理なのだろう。
「理由はアレクシス様にしか分かりません。ですが、あの方はリリア様のことを本当に愛していらっしゃいますよ。歪な形ではありますが……」
マリーの言葉に思わず苦笑してしまった。
「私、アレクシス様から逃げられる気がしないわ……」
半ば諦めるように答えてしまったが、不思議とその時は恐怖心を感じなかった。
マリーは私を気遣っているのか、その時は何も言わなかったが、彼女の表情が答えを物語っているように見えた。
私は以前、アレクシスに初めて『大嫌い』だと言ってしまったことがあった。
あの時は色々なことが起こって、動揺と混乱から思わず口にしてしまったわけだが、言った直後はなんとも言えない感情に包まれていた。
あんな酷いことを言って、彼に怒られるのでは無いかという恐怖心は勿論あった。
だけどそれだけでは無かった気がする。
あんなことを言ってしまった自分に、きっと後悔していた。
(なんかものすごく悔しいけど、私……やっぱりアレクシス様のことが好きなのかも)
酷いことをされて、許せない気持ちは当然持っている。
それでも、心の中では彼の傍にいたいと思っている自分がいて。
今マリーと話しているこの時間も、一切焦る気持ちが沸かないのは、私に逃げる気持ちがないからなのだろう。
「ところで、ここってどこなの?」
私が話題を変えると、マリーは驚いたような顔を一瞬浮かべた後、気まずそうに視線を泳がせた。
「安心して。もう何を聞いても驚かないわ」
最近、現実離れしていることばかりに遭遇しているせいか、並大抵のことであれば驚かない自信が私にはあった。
「ここは……」
マリーの返答をドキドキしながら待っていると、奥の方で扉が開く音が聞こえた。
視線をそちらに流すと、私は驚いて二度見してしまう。
「リリア、やっと会えた」
そこにいたのは、紛れもなくアレクシスだった。
彼は私のことを視界に捉えると、嬉しそうな表情を浮かべそう言った。
私の鼓動は次第にバクバクと激しく鳴り始める。
「サリーの体がここにあるってことは、とりあえず私達は安全だと思っていいのよね?」
私は自分の胸に手を置きながら、安堵した様子で呟いた。
「リリア様は、何か勘違いをされていませんか?」
「勘違い……?」
私の言葉を聞いていたマリーは、直ぐに言い返してきた。
「たしかにリリア様は今現在サリーの体に入っています。ですが、それは器が変わっただけで、中身……、魂はリリア様のままですよね?」
「そうね」
「私もグレインさんに説明されるまで知らなかったのですが、アレクシス様が行った契約は先程も説明したとおり魂を結ぶものです。器が変わったからと言って、契約者が変わるというものでは無いようです」
「そういえば……、あの時、アレクシス様もそんなことを言っていたような……」
アレクシスはサリーの体に入っている私のことを、いとも簡単に見つけ出した。
最初は魔力関知のようなもので探し当てたのだと思っていたが、私の魔力が彼と同調しているのだとしたら、容易に探し当てることが出来たことにも合点がいく。
(それじゃあ、私はもう一生アレクシス様から逃げられないってこと……?)
「サリーが行った魔法は、禁忌に記されているものの可能性はありますが、恐らくは別のものです。リリア様がアレクシス様と契約した時、体が入れ替わるなんてこと起きませんでしたよね? 私がサリーとした時も入れ替わっていません」
「あ……、たしかに」
私は気が動転していたせいか、そんな大きな相違点を見落としていた。
たしかに彼女の言うとおりだ。
「きっとサリーは体を入れ替えさえすれば、以前行った魂の契約も元の体の持ち主に受け継がれると勘違いしているのだと思います」
「そういうことか……。だけど、どうして勘違いだって言い切れるの?」
「それは簡単な理由ですよ。本当の意味が分かっていたとすれば、こんな馬鹿げた計画を起こすメリットが何一つ無いからです」
マリーは一切の迷いも見せず、きっぱりと言い張った。
「リリア様の傍にはいつだってアレクシス様がいます。あの方の目を欺くなんて、はっきりいって無理です。サリーは数年間、あの方の傍で共に戦っていた。桁外れな能力だって当然知っていたはずです」
私は彼女の言葉を聞いて、僅かに眉を顰めた。
戦いについては分からないが、彼は妙に勘が鋭いし、きっと頭も切れて高い洞察力を持っているのだろう。
あんなに傍にいたのに、私は彼の本性を見抜くことが出来なかった。
悔しいが、それが彼女の話に納得出来た最大の理由なのだと思う。
私の警戒心を上手く取り除き、屋敷へと誘い込んだ。
親切で優しい人物を演じて、私をあの場所に留まらせた。
ほぼ軟禁状態に近いことをされたのにも関わらず、あの時の私は逃げようとすら思わなかった。
あれは彼だけが私の味方なんだと思い込ませるための、巧妙な罠だったのかもしれない。
今となっては、そんな風にすら思えてきてしまう。
「マリーは、アレクシス様のことをどんな人物だと思っているの? 良かったら聞かせて」
「……それはっ」
彼女は私の言葉に困惑したような表情を浮かべた。
それは当然の反応だ。
一応彼女はアレクシスに仕える人間なのだから、主を悪く言うことなんて出来ないのだろう。
だけど、常に彼の傍にいたマリーならば、私よりもアレクシスがどういう人物であるのかを知っているはずだ。
私は本当のアレクシスを知りたい。
彼女はサリーの件で、少なからず私に罪悪感を抱いているに違いない。
卑怯かも知れないが、今ならば彼女の本心を引き出せるのではないかと踏んでいた。
逆に言えば、聞けるチャンスは今しかない。
「ここだけの話にするから、正直に答えてくれると嬉しいわ」
私はそう付け加え、彼女を安心させるように穏やかな口調で続けた。
「……悪魔のような人」
私の問いかけに、マリーは戸惑った表情を浮かべるも、小さな声でぽつりと呟いた。
その言葉を聞いて、私は思わず引き攣った顔を見せてしまう。
なんとなく予想はしていた。
アレクシスは、間違いなく善人なんかではない。
「……そっか」
「はい……」
私はすぐに表情を戻すと、納得したように小さく答えた。
今までアレクシスの傍で仕えていた彼女が言うのだから、その言葉通りなのだろう。
(悪魔のような人、……か)
「ですが、リリア様の前では決してそのような姿は見せないと思います」
「どうして、そう思うのか聞いてもいい?」
「はい。あの方にとっては、リリア様が世界の中心で全てなんです。あれほどの実力を身に付けたことも、周囲を一蹴出来るほどの発言力を手にしていることも。全てリリア様を手に入れるために行った手段の一環に過ぎません。そして王位を継ぐことには一切興味を示していない。そんなもの、アレクシス様にとっては必要ないからです」
マリーの言葉に私は絶句してしまう。
思い当たる節が頭の中でいくつも思い浮かんだからだ。
アレクシスはいつも大袈裟なことを言っていた。
それに王位から退こうと考えていたことも知っている。
「でも、分からないわ。どうして私が選ばれたんだろう。私はアレクシス様に認められるような、秀でた部分なんて何も持っていないのに……」
アレクシスに勝っている所なんて、何一つとして思い浮かばない。
私は凡人で、アレクシスは天才。
凡人がいくら努力したところで、やれることには限りがある。
先程マリーが言っていたように、私もサリー同じ側の人間だ。
死ぬ気で努力したとしても、アレクシスに追いつくどころか、並ぶことなんて一生掛けたとしても無理なのだろう。
「理由はアレクシス様にしか分かりません。ですが、あの方はリリア様のことを本当に愛していらっしゃいますよ。歪な形ではありますが……」
マリーの言葉に思わず苦笑してしまった。
「私、アレクシス様から逃げられる気がしないわ……」
半ば諦めるように答えてしまったが、不思議とその時は恐怖心を感じなかった。
マリーは私を気遣っているのか、その時は何も言わなかったが、彼女の表情が答えを物語っているように見えた。
私は以前、アレクシスに初めて『大嫌い』だと言ってしまったことがあった。
あの時は色々なことが起こって、動揺と混乱から思わず口にしてしまったわけだが、言った直後はなんとも言えない感情に包まれていた。
あんな酷いことを言って、彼に怒られるのでは無いかという恐怖心は勿論あった。
だけどそれだけでは無かった気がする。
あんなことを言ってしまった自分に、きっと後悔していた。
(なんかものすごく悔しいけど、私……やっぱりアレクシス様のことが好きなのかも)
酷いことをされて、許せない気持ちは当然持っている。
それでも、心の中では彼の傍にいたいと思っている自分がいて。
今マリーと話しているこの時間も、一切焦る気持ちが沸かないのは、私に逃げる気持ちがないからなのだろう。
「ところで、ここってどこなの?」
私が話題を変えると、マリーは驚いたような顔を一瞬浮かべた後、気まずそうに視線を泳がせた。
「安心して。もう何を聞いても驚かないわ」
最近、現実離れしていることばかりに遭遇しているせいか、並大抵のことであれば驚かない自信が私にはあった。
「ここは……」
マリーの返答をドキドキしながら待っていると、奥の方で扉が開く音が聞こえた。
視線をそちらに流すと、私は驚いて二度見してしまう。
「リリア、やっと会えた」
そこにいたのは、紛れもなくアレクシスだった。
彼は私のことを視界に捉えると、嬉しそうな表情を浮かべそう言った。
私の鼓動は次第にバクバクと激しく鳴り始める。
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