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48.二人だけの儀式④※

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「すごいな。入り口を少し触っただけなのに、もう私の指がべとべとだ。やっぱり君は感じやすいんだね」
「ご、ごめんなさい」

「どうして謝るの?」
「だって、アレクシス様の手を汚してしまって……」

「いいんだよ。リリアが気持ち良くなっているのなら、私も満足だからね。それにこの溢れた蜜は後で私が綺麗にしてあげるから、リリアはそんなことは気にしないで本能のまま感じていればいいよ」
「……わかり、ました」

 そうは言うけど、やっぱり恥ずかしいことには変わりが無い。
 私が戸惑っていると、再び胸元に強い刺激を感じ、ビクッと体を震わせてしまう。

「ひぁっ……」
「まだ胸の愛撫が途中だったね。今度は反対側を可愛がってあげる。それとリリアがずっと気にしている、この濡れているところも指で撫でていてあげるよ」

「やっ、ま、まって……ぁっ、ああっ!」
「待つのは無しかな。確かに時間はたっぷりあるけど、私はじっくりリリアを味わいたいからね」

 腫れ上がった胸の先端を食まれ、舌先で弄ばれる。
 それと同時に入り口を撫でていた指が、ゆっくりと中へと入ってくるのを感じる。

「ぁっ、やぁっ……はぁっ」
「中は狭いけど、一本なら入りそうだね。痛かったら言って」

「痛くないけどっ、は、恥ずかしい……、音やだぁ」
「音はリリアが気持ち良くなっている証拠だよ。だから照れる必要なんてないよ。だけど私は恥じらっているリリアの姿を見るのは好きだから、少し意地悪をしてしまいたくなる、かな」

 アレクシスの意地悪そうな声が聞こえてきて、嫌な予感を感じた。
 その後すぐに痺れるような強い刺激に襲われ、私の腰はびくんと大きく跳ね上がった。

「え、……ひっ、ぁあああっ!!」
「ああ、予想以上の反応だな。この小さな蕾を少し押しただけなんだけど。少し強すぎたかな。もう少し優しく触るから、逃げないで」

「ぁ、ぁあっ、だ、だめっ、それいやっ……怖いっ!」
「怖いと思うのは最初だけだよ」

 アレクシスは優しく触れてくれているのだろうが、私にはまだ強すぎる刺激のようだ。
 じわじわと焼けるような、痺れるような感覚に翻弄される。
 身を捩ろうとしても、アレクシスは逃してはくれない。 
 追いつめられ、私の瞳からは生理的な涙が溢れてくる。
 パクパクと魚のように開く口元からは、嬌声混じりの甘い吐息が漏れる。

「アレクシスさ、まっ、おねがっ……」
「泣いているの?」

 私の涙に気付くと、アレクシスの動き止まった。
 そして彼の顔が目の前に表れ、心配そうにこちらを見つめている。
 少し涙で視界が霞んでしまっているが、彼の表情を確認することは出来た。
 アレクシスは私の瞼にそっとキスを落とし、舌先で涙を拭ってくれた。
 それが擽ったく感じてしまったが、なんとなく安心していた。

 彼は少し意地悪な時もあるけど、いつだって私には優しくしてくれる。
 すぐに心配してくるところも、彼らしいと言える。

「ごめんね、少し意地悪し過ぎてしまったかな」

 その言葉に私は首を横に振った。
 きっと私は初めて知る感覚に驚いてしまっただけなのだろう。
 それにこの行為は、私の体を治して貰うという目的もある。
 だから中断させてしまったことに、少し罪悪感を覚えた。

「もう、大丈夫です。た、多分……」
「無理をしなくてもいいよ。だけど、少しづつ慣らしていこうか。さっきは指だったけど、今度は舌を使って舐めるから、さっきよりは優しく出来ると思う」

「え、な、舐めるって……」
「言葉通りだよ。リリアが沢山感じてくれた方が、その後が楽になるはずだからね。リリアだって痛いのは嫌だろう?」

「痛いんですか?」
「うん、初めてはどうしても痛みが伴うからね。それを少しでも軽減させるための行為でもあるかな。恥ずかしいとは思うけど、耐えられそう?」

 そんな言い方をされると困ってしまう。
 たしかに痛いのは嫌だ。
 だからと言ってあんな場所を舐められるなんて、想像しただけでも恥ずかしく感じてしまう。

(……っ、どうしよう……)

「やらないことには先には進めないから始めるよ。リリアはゆっくりでいいから、この感覚に慣れてきて」
「え、ちょっと、待ってくださいっ」

「リリアの返事を待っていたら時間がかかってしまいそうだから、悪いけど待ったは無しだよ」
「うっ、……ぁ、やっ」

 アレクシスは愉しそうに答えると、私の足首を掴み、膝を折りたたむように持ち上げた。
 そして重なっている足を、左右に大きく開かれる。
 濡れた場所に空気が触れるとひんやりとして、ゾクッと体が震えてしまう。
 そして漸く自分が今している格好に気付く。

(……っ!?)

「い、いやっ! この格好、恥ずかしいっ」
「リリア、暴れないで。恥ずかしいけど我慢して」

 アレクシスは私の言葉を無視して、顔を中心に寄せる。
 まるで奥をじっくりと覗かれているようで、羞恥心を更に煽られる。
 顔の奥が一気に熱くなるのを感じる。

(そんな場所、見ないでっ……)
 
 それから間もなくすると、痺れるような刺激を感じる。
 
「……ぁあっ!」
「リリア、余計な力は抜いていた方が楽だぞ」

「ぁあっ、だ、だめっ、それやだぁっ……」
「蕾を舌で刺激しながら、中も同時に弄ってあげる」

 そんなことは頼んでいないのに、アレクシスは勝手に色々とし始める。
 アレクシスの指が私の蜜口に触れると、ぐちゅっと嫌らしい水音が耳に響く。
 
(だめ、こんなのおかしくなるっ……)

 何度も蜜を垂れ零している入り口は既に柔らかくなっていて、簡単にアレクシスの指を呑み込んでいってしまう。
 彼の指は浅いところで一旦止まり、それから暫くすると内壁を擦るように掻き混ぜ始めた。
 その間も蕾への刺激は止まることはなかった。
 輪郭に沿って舌先で優しくなぞられ、一定の間隔できゅっと吸い上げてくる。
 ピリピリとした刺激から逃れることが出来ず、私はずっと腰をビクビクと震わせていた。

「ぁあっ、だめっ、それ、吸うのだめぇっ……」
「ふふっ、リリアは吸われのがいいの?」

 ダメだと言っているのに、アレクシスはちゅ、ちゅっと音を立てて連続で吸い上げてくる。
 私は力なく首を横に振って、嫌々と抵抗していた。
 息をするのを忘れてしまいそうになる。

「ここ吸うと、奥から熱い蜜が沢山溢れてくる。素直で可愛い体だ。一度果ててみようか」
「ぁっ、ぁあっ、な、に?」

(今度は何をするの?)

「これから少し激しくするけど頑張ろうな。リリアが果てるまで止めないよ」
「え、やっ、まってっ!」

「ダメだよ。待たないってさっきから言っているだろう」

 私が戸惑いながら声を掛けると、アレクシスは当然のように返してきた。
 そして言葉通り直ぐに強い刺激が襲ってくる。

「ぁ、ぁあっ……だ、だめっ、それ、ぁああっ!!」

 一瞬で頭の奥が真っ白になる。
 アレクシスは蜜口に差し込んでいる指を二本に増やし、激しく中を掻き混ぜ始めた。
 そして同時に蕾を何度も吸い上げてくる。
 頭がおかしくなりそうな快楽に、私の口からは悲鳴の様な嬌声が響く。

「ぁあっ、い、いやぁっ……おかしく、なるっ……ぁああっ!!」

 足はしっかりとアレクシスに押さえられていて、逃げることは叶わない。
 ただ腰をビクビクと揺らし、アレクシスの指を締め付けるくらいしか今の私には出来ることはなさそうだ。

「私の指を一生懸命に締め付けて、そろそろイきそう?」
「ぁあっ、わかんなっ、……ぁ、だ、だめっ……っっ!!」

 アレクシスは更に追い打ちをかけるように、蕾を深く吸い上げてきた。
 その瞬間頭の奥が真っ白になる。
 声にならない悲鳴を上げて、私はそのまま呆気なく達してしまった。

「上手く果てたようだな」
「はぁっ……はぁっ……」

 アレクシスは満足そうに呟くと、漸く解放してくれた。
 私の体からは完全に力が抜け、ベッドに縫い付けられているように重く感じる。
 だけどその後に現れた浮遊感のような感覚が、とても心地いい。

 私は天井を眺めながら、必死に呼吸を繰り返していた。
 最後は上手く息を出来ていなかったような気がする。

(終わったの……?)

 私がぼんやりと天井を眺めていると、視界にアレクシスの姿が入ってきた。
 そして私の額にそっと口付け、その後は優しく頭を撫でてくれた。

「リリア、大丈夫?」
「……っ、なん、とかっ……」

 私はへらっとした顔で力なく答えた。
 先程あんなに意地悪なことをされたはずなのに、彼の顔を見ると何故か安心してしまう。

「私、これで助かったんですか?」
「ううん、まだ全て終わっていないよ。この後、私と一つになるんだ」

「え……」
「リリアは、これから私に抱かれるんだよ。ここまでしたら気付いていると思っていたけど、そうでもなかったみたいだね」

 抱かれると言う言葉を聞いて、私の顔は燃えるように真っ赤に染まっていた。

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