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25.甘い快感④※

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私が誤魔化す様に答えると、バルは「教えてくれないんだ」と少し不満そうに呟いた。

「シロは、僕以外のことを考える余裕があるの…?」
「ち…違う、考えてたのはバルのことでっ…」
バルが意地悪そうな顔をしてきて嫌な予感を感じた私は、咄嗟に観念する様に答えてしまう。
するとバルは僅かに口端を上げて、今度は満足そうに私のことを見下ろしていた。

「僕のことを考えていたの…?」
「……う、うん…」
バルは息が掛かるほどの近距離まで顔を寄せると、じっと私の瞳を覗き込んでくる。
そんなに見つめられると、逆に視線が逸らせなくなり私は焦ってしまう。

「そっか、僕のことを考えていてくれたんだね。嬉しいよ。シロにはいつだって僕の事だけを考えていて欲しいな…」
「……」
バルは欲望に満ちたような歪んだ笑みを見せてきたので、私の背筋に鳥肌が走る。

たまにバルは狂気に満ちたような顔を私に向けてくる。
それが少し怖いと思ってしまう。

「シロ、好きだよ。大好き…、だからそろそろ愛し合おうか…」
バルはうっとりとした視線で私に好きだと伝えてくる。

好きな人に好きだと言われるだけで、感情が高まり胸の奥が熱くなる。
そして嬉しいという感情が溢れてしまう。

「私も…バルのこと…好きだよ」
私が照れながら答えると「シロは可愛いね」と言われ、そっと唇に口付けられた。
唇からバルの熱を感じて更に私の鼓動は早くなる。

私が熱っぽい瞳で視線を送っていると、バルは「少しだけ待っていて」と言って私の額にちゅっと音を立てて口付けると、ベッドから離れ服を脱ぎ始めた。

これからバルと体を繋げるのだと思うと鼓動が更に早くなり、緊張と興奮で体の奥が熱くなっていくのを感じる。

暫く横たわったまま待っていると「おまたせ」と言ってバルがベッドに戻ってきた。
そして熱くなった塊を私の蜜口へと押し当てる。

「ぁっ……」
「ふふっ、少し触れただけでもシロはすぐに甘い声を漏らしてしまうね。そんなところすごく可愛いよ」
バルは入り口を確認するように、何度も熱棒を擦りつけてくる。
その度に甘い快感に誘われるように、体を揺らし甘ったるい声を漏らしてしまう。

(すごく…気持ちいい…)

「それじゃあ挿れるよ…。前回ほどは痛くは無いと思うけど、力を抜いておいた方がシロも楽だと思うから…楽にしていてね…」
バルは私に優しい声をかけてくれると、ぐっと入り口に力が集まり、熱いものがゆっくりと入り込んでくる。

「ぁあっ……っ…」
私は入ってくる感覚に腰を揺らして、バルの存在感を感じるように受け入れていく。

「ああ、相変わらずシロの中は狭いな…。僕のを抱きしめる様にきゅんきゅん締め付けてきて…本当に可愛い…」
「…はぁっ…ぁぁっ…熱いっ…」
根本まで全て受け入れると、お腹の奥が圧迫されて、更に体の奥から熱くなっていくのを感じてしまう。

(私の中に…バルのが…入ってる…)

「全部入ったね…。ゆっくり動くよ…、シロは激しいのが好きみたいだけど…最初から飛ばしたら勿体無いからね。今日は長くシロを感じていたいから…」
「……っ…」
バルの言葉に私は恥ずかしくなり顔を赤めてしまう。

照れている私を見てバルは「可愛い」と呟く。
私はその言葉で更に顔の奥に熱が篭もっていくのを感じてしまう。

そしてバルは宣言した通りゆっくりと腰を動かし始めた。
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