12 / 12
憑依
遭遇
しおりを挟む
次の日、聖奈が会社に出勤すると、警察が早川のデスクを調べていた。
近くにいた社員に聞く聖奈。
聖奈「何かあったんですか?」
社員1「何か、早川さん、行方不明になったらしい。 家族が電話しても出ないから、最近のこともあって警察に通報したらしいんだけど」
聖奈「ホントに早川なんですか?」
社員「自宅に、携帯だけ残して姿を消したらしい」
聖奈「そんなことあります?」
刑事が聖奈の元へ来る、
刑事「あなたが安藤さん?」
聖奈「そうですけど・・・」
ーーテラスーー
軽い事情聴取を受ける聖奈。
聖奈「昨日ですか?」
刑事「安藤さんが1番仲が良いとお聞きしまして」
聖奈「待ってうください、私が疑われてるんですか?」
刑事「疑うのが仕事なもんで」
聖奈「私じゃないですからね!」
刑事「何も、殺されたってわけじゃないんですから、あまり否定されすぎると逆に怪しくなりますよ」
聖奈「昨日ですよね? 記憶ないんですよ!」
刑事「記憶がない?」
聖奈「昨日は、体調悪くて、ずっと頭が痛かったんで薬を飲んですぐに寝ました。記憶がないって言うより頭が痛すぎて気を失うように寝たんです」
刑事「そういう事ですか、安藤さん一人暮らしですか?」
聖奈「はい・・・」
刑事「という事は、証言者は居ないですね」
聖奈「そういうことですね」
刑事「なんであなたに話を聞いたかと言いますとね」
刑事が事情聴取の経緯を話し始めた。
鑑識が調べた結果、
聖奈へかける予定だったのか、番号が表示されていたこと
勤務中に聖奈へ掛けていたこと
検索履歴に行方不明に関することが調べられていたこと
など、行方不明になる当日までに、何回か出てきた聖奈とのやり取りからだった。
刑事「すみません。お時間取らせて」
聖奈「必ず見つけ出してください」
刑事「善処します」
ーーオフィス・自席ーー
聖奈の席に竹村が座っている。
竹村「朝から大変だね」
聖奈「竹村さんって、最近よく来ますけど、暇なんですか?」
竹村「仕事の中休みだよ! こっちは朝の6時に出社してるんだから、その分帰るのは早いけどね」
聖奈「羨ましいですね」
竹村「何?犯人なの?」
聖奈「冗談でも言っていいことと悪いことがありますけど?」
竹村「同期の子が行方が分からないのは、心配だよな?」
聖奈「もちろん心配ですよ! でも自分じゃどうしようも出来ないですし」
竹村「確かにな。 安藤ちゃん、君も気をつけなよ!」
聖奈「えぇ。分かってます」
立ち去る竹村。
聖奈M「正直、内心はドキドキしていた。 昨日の夜の記憶がすっぽりと消えているのも不思議だったし、早川がいなくなったのも、怖くて仕方なかった。 次は自分なんだろうか? 身の回りでたった1人いなくなるだけで、そう感じていた」
ーー夜・聖奈の部屋ーー
寝ている聖奈。
ひとりでに動くネックレス。
宙に浮かぶと、聖奈の首目掛けて飛んでいき、巻き付く。
見る見るうちに、聖奈からキキョウの姿へ変わって行くと、目が開いて起き上がる。
ーーとある公園・夜ーー
終電を乗り過ごした1人の女性が、公園の遊歩道を歩いていた。
女性「終電逃すとかまじで最悪なんだけど」
誰かと通話している女性。
女性「最近、行方不明事件が多いから、マジで怖いんだけどね」
電話の声「ホント気をつけなよ!」
目の前に現れるキキョウ。
キキョウ「お嬢さん、行方不明の真実知りたくない?」
無視する女性。
キキョウ「待ちなよ、お嬢さん」
肩を掴むキキョウ。
女性「警察呼びますよ!」
キキョウ「呼べるものなら、呼んでみなさい。 その頃にはあなたもユートピアへ行ってる頃だと思うけど」
女性「ごめん!一旦切るわ!」
電話を切ると、即座に緊急通報のボタンを押す女性。
タイミングよく自転車で通りかかる警察官。
その警察官は聖奈の恋人である俊一だった。
俊一「どうかされましたか?」
女性「いや、この人が!」
キキョウがいた方向に向き直すが、姿が無かった。
一瞬のうちに、キキョウは、女性の背後に回り込み、口を塞ぐ。
既に意識を失っている女性。
キキョウ「そこの無能な人間よ! これ以上関わるな!」
声の方向に向く俊一。
俊一は、一瞬でキキョウが聖奈だと言うことを見抜く。
俊一「何をしてるんだ! お前、聖奈だろ? 馬鹿なマネはやめろ!」
キキョウ「この人間、聖奈というのか。 こいつは、私が活動するための箱に過ぎないが、いずれこの肉体共々侵食する。 お前には助けることが出来ないだろう」
俊一は、拳銃を構える。
キキョウ「もう、お前と会うことはない。 さらばだ!」
女性と一緒に消えるキキョウ。
俊一「待て!」
当たりを見回す俊一。
地面には、連れ去られた女性のカバンが落ちていた。
携帯で電話をかける俊一。
画面には聖奈の文字。
俊一「なんで出ないんだよ!」
自分が目撃したものを信じたくない俊一。
俊一は、電話を切ると、無線で連絡をする。
俊一「こちら、藤村、連れ去り事件発生!」
しばらくして、鳴り響くパトカーのサイレン。
続
近くにいた社員に聞く聖奈。
聖奈「何かあったんですか?」
社員1「何か、早川さん、行方不明になったらしい。 家族が電話しても出ないから、最近のこともあって警察に通報したらしいんだけど」
聖奈「ホントに早川なんですか?」
社員「自宅に、携帯だけ残して姿を消したらしい」
聖奈「そんなことあります?」
刑事が聖奈の元へ来る、
刑事「あなたが安藤さん?」
聖奈「そうですけど・・・」
ーーテラスーー
軽い事情聴取を受ける聖奈。
聖奈「昨日ですか?」
刑事「安藤さんが1番仲が良いとお聞きしまして」
聖奈「待ってうください、私が疑われてるんですか?」
刑事「疑うのが仕事なもんで」
聖奈「私じゃないですからね!」
刑事「何も、殺されたってわけじゃないんですから、あまり否定されすぎると逆に怪しくなりますよ」
聖奈「昨日ですよね? 記憶ないんですよ!」
刑事「記憶がない?」
聖奈「昨日は、体調悪くて、ずっと頭が痛かったんで薬を飲んですぐに寝ました。記憶がないって言うより頭が痛すぎて気を失うように寝たんです」
刑事「そういう事ですか、安藤さん一人暮らしですか?」
聖奈「はい・・・」
刑事「という事は、証言者は居ないですね」
聖奈「そういうことですね」
刑事「なんであなたに話を聞いたかと言いますとね」
刑事が事情聴取の経緯を話し始めた。
鑑識が調べた結果、
聖奈へかける予定だったのか、番号が表示されていたこと
勤務中に聖奈へ掛けていたこと
検索履歴に行方不明に関することが調べられていたこと
など、行方不明になる当日までに、何回か出てきた聖奈とのやり取りからだった。
刑事「すみません。お時間取らせて」
聖奈「必ず見つけ出してください」
刑事「善処します」
ーーオフィス・自席ーー
聖奈の席に竹村が座っている。
竹村「朝から大変だね」
聖奈「竹村さんって、最近よく来ますけど、暇なんですか?」
竹村「仕事の中休みだよ! こっちは朝の6時に出社してるんだから、その分帰るのは早いけどね」
聖奈「羨ましいですね」
竹村「何?犯人なの?」
聖奈「冗談でも言っていいことと悪いことがありますけど?」
竹村「同期の子が行方が分からないのは、心配だよな?」
聖奈「もちろん心配ですよ! でも自分じゃどうしようも出来ないですし」
竹村「確かにな。 安藤ちゃん、君も気をつけなよ!」
聖奈「えぇ。分かってます」
立ち去る竹村。
聖奈M「正直、内心はドキドキしていた。 昨日の夜の記憶がすっぽりと消えているのも不思議だったし、早川がいなくなったのも、怖くて仕方なかった。 次は自分なんだろうか? 身の回りでたった1人いなくなるだけで、そう感じていた」
ーー夜・聖奈の部屋ーー
寝ている聖奈。
ひとりでに動くネックレス。
宙に浮かぶと、聖奈の首目掛けて飛んでいき、巻き付く。
見る見るうちに、聖奈からキキョウの姿へ変わって行くと、目が開いて起き上がる。
ーーとある公園・夜ーー
終電を乗り過ごした1人の女性が、公園の遊歩道を歩いていた。
女性「終電逃すとかまじで最悪なんだけど」
誰かと通話している女性。
女性「最近、行方不明事件が多いから、マジで怖いんだけどね」
電話の声「ホント気をつけなよ!」
目の前に現れるキキョウ。
キキョウ「お嬢さん、行方不明の真実知りたくない?」
無視する女性。
キキョウ「待ちなよ、お嬢さん」
肩を掴むキキョウ。
女性「警察呼びますよ!」
キキョウ「呼べるものなら、呼んでみなさい。 その頃にはあなたもユートピアへ行ってる頃だと思うけど」
女性「ごめん!一旦切るわ!」
電話を切ると、即座に緊急通報のボタンを押す女性。
タイミングよく自転車で通りかかる警察官。
その警察官は聖奈の恋人である俊一だった。
俊一「どうかされましたか?」
女性「いや、この人が!」
キキョウがいた方向に向き直すが、姿が無かった。
一瞬のうちに、キキョウは、女性の背後に回り込み、口を塞ぐ。
既に意識を失っている女性。
キキョウ「そこの無能な人間よ! これ以上関わるな!」
声の方向に向く俊一。
俊一は、一瞬でキキョウが聖奈だと言うことを見抜く。
俊一「何をしてるんだ! お前、聖奈だろ? 馬鹿なマネはやめろ!」
キキョウ「この人間、聖奈というのか。 こいつは、私が活動するための箱に過ぎないが、いずれこの肉体共々侵食する。 お前には助けることが出来ないだろう」
俊一は、拳銃を構える。
キキョウ「もう、お前と会うことはない。 さらばだ!」
女性と一緒に消えるキキョウ。
俊一「待て!」
当たりを見回す俊一。
地面には、連れ去られた女性のカバンが落ちていた。
携帯で電話をかける俊一。
画面には聖奈の文字。
俊一「なんで出ないんだよ!」
自分が目撃したものを信じたくない俊一。
俊一は、電話を切ると、無線で連絡をする。
俊一「こちら、藤村、連れ去り事件発生!」
しばらくして、鳴り響くパトカーのサイレン。
続
0
お気に入りに追加
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる