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第一章 ハローえちえちワールド~俺の長い一日~
4.友達ゲット、やったぜ!
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用語説明
・『親友』……本作では許嫁のような意味として用いています。親友になるということは、結婚を見据えたうえでの付き合い、デロデロ甘々仲良しこよしの関係。もちろん主人公は知らない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺たちは世界樹の根元までようやくたどり着くことができた。てっぺんを見ようとすると、身長が150ない俺じゃあ首がスゴく痛くなる。木の幹なんか、大人が何十人集まって手をつないでも囲える気がしないし。京都タワーよりはでかいと思う。
「うわぁ、この世界樹っていつから生えてるんだろう?」
リアンが呟く。
「21万年くらい前だって俺は聞いたことあるけど」
神さまが精霊のために植えたとか何とか、設定に書いてあった。今が何年かは知らないけど21万年の前では誤差だし問題ないだろ。リアンの顔がニヨニヨしている。
「うっそだぁ~、シュリはそんなの信じてるの?」
隙をついて、ほっぺたを思う存分ムニムニしてやった。意外とやわらかい……。
リアンが俺をからかうのは、百年はやい。
「嘘じゃないし、事実だろ? 隠れエロ吉くん……」
「え、エロッ!? ……し、シュリこそ湖でーーっにゃ!!」
ほっぺたを挟んで、口を閉じさせた。反射的にしてしまったから、力加減ができなくて痛かったかもしれない。
「しー……」
湖でのこと、やっぱりリアンにはバレていたのか……。レオガルトさんには気づかれていないと信じたい。こんな黒歴史、絶対に外には出したくないし。
リアンが上下に頭を振るからほっぺたを離した。
レオガルトさんの方を指差しておく。リアン察してくれ、心臓がバクバクしていた。
「う、うん」
リアンの言葉にすこし、息が楽になった。
やっぱりリアンって落ち着きはないけど、優しくていいやつだ。休憩のときも俺が尻を痛めないようにクッションを貸してくれたし。
リアンは何か迷っているのか、目を端のほうへ泳がせていた。「どうしたんだ?」と言ってゆっくり聞き出してみる。
「……こ、このことオレが黙ってるかわりに、さ」
……前言撤回、交換条件なんて卑怯なやつだ。
っていうかその手は何だ!
「な、何するつもりだよ……」
「し、親友になってください」
バッとリアンが頭を下げる。
俺の予想してなかった、親友になってほしいという言葉。もっと別に金寄越せとかあるのに、そんなこと?
それじゃあこの手は、握手……?
握り返してみる。
「え、本当に良いの!?」
「……はい? 別にいいけど」
なぜか前を進んでいたレオガルトさんまで、振り向いてきた。
「シュリくん、本当に私の息子が親友で良いのですか?」
いや、確かに今日会ったばかりのやつが親友ってのもおかしな話だけど。要するに友達になってくださいってことだよな。
何で友達ってだけでここまでなってんだろ、リアンって友達が少ないのか。別にそれは俺と関係ないけど。
「まぁ、逆に俺なんかが親友で良いのか、リアンに聞きたいくらいですけどね」
だって、俺って何もリアンにしてないぞ? それに外でせーし出してしまった変態ってバレてるし。リアンのお父さんになら色々と、木の実とってあげたりしたけど。
「し、シュリはその、アレな感じでカッコ可愛いいし。一目惚れっていうか……その~」
おい、笑かすなよ。なんだそれ、すごい告白みたいじゃん。
「ははは、ありがとリアン。でもさ、今日会ったばかりなんだし、友達からでどう?」
よくわからないけど。まぁ、これなら問題なかろう。
「……ぜ、ぜひお願いします!!」
リアンは幸せそうに目をキラキラさせていて、こう改めて見てみると、何だか可愛げがあった。レオガルトさんから肉食獣を抜いた感じだし。将来ビックリするくらいイケメンになってそう。
…………ってか、めっちゃ告白みたいな感じがするんだけど、大丈夫かな。
・『親友』……本作では許嫁のような意味として用いています。親友になるということは、結婚を見据えたうえでの付き合い、デロデロ甘々仲良しこよしの関係。もちろん主人公は知らない。
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俺たちは世界樹の根元までようやくたどり着くことができた。てっぺんを見ようとすると、身長が150ない俺じゃあ首がスゴく痛くなる。木の幹なんか、大人が何十人集まって手をつないでも囲える気がしないし。京都タワーよりはでかいと思う。
「うわぁ、この世界樹っていつから生えてるんだろう?」
リアンが呟く。
「21万年くらい前だって俺は聞いたことあるけど」
神さまが精霊のために植えたとか何とか、設定に書いてあった。今が何年かは知らないけど21万年の前では誤差だし問題ないだろ。リアンの顔がニヨニヨしている。
「うっそだぁ~、シュリはそんなの信じてるの?」
隙をついて、ほっぺたを思う存分ムニムニしてやった。意外とやわらかい……。
リアンが俺をからかうのは、百年はやい。
「嘘じゃないし、事実だろ? 隠れエロ吉くん……」
「え、エロッ!? ……し、シュリこそ湖でーーっにゃ!!」
ほっぺたを挟んで、口を閉じさせた。反射的にしてしまったから、力加減ができなくて痛かったかもしれない。
「しー……」
湖でのこと、やっぱりリアンにはバレていたのか……。レオガルトさんには気づかれていないと信じたい。こんな黒歴史、絶対に外には出したくないし。
リアンが上下に頭を振るからほっぺたを離した。
レオガルトさんの方を指差しておく。リアン察してくれ、心臓がバクバクしていた。
「う、うん」
リアンの言葉にすこし、息が楽になった。
やっぱりリアンって落ち着きはないけど、優しくていいやつだ。休憩のときも俺が尻を痛めないようにクッションを貸してくれたし。
リアンは何か迷っているのか、目を端のほうへ泳がせていた。「どうしたんだ?」と言ってゆっくり聞き出してみる。
「……こ、このことオレが黙ってるかわりに、さ」
……前言撤回、交換条件なんて卑怯なやつだ。
っていうかその手は何だ!
「な、何するつもりだよ……」
「し、親友になってください」
バッとリアンが頭を下げる。
俺の予想してなかった、親友になってほしいという言葉。もっと別に金寄越せとかあるのに、そんなこと?
それじゃあこの手は、握手……?
握り返してみる。
「え、本当に良いの!?」
「……はい? 別にいいけど」
なぜか前を進んでいたレオガルトさんまで、振り向いてきた。
「シュリくん、本当に私の息子が親友で良いのですか?」
いや、確かに今日会ったばかりのやつが親友ってのもおかしな話だけど。要するに友達になってくださいってことだよな。
何で友達ってだけでここまでなってんだろ、リアンって友達が少ないのか。別にそれは俺と関係ないけど。
「まぁ、逆に俺なんかが親友で良いのか、リアンに聞きたいくらいですけどね」
だって、俺って何もリアンにしてないぞ? それに外でせーし出してしまった変態ってバレてるし。リアンのお父さんになら色々と、木の実とってあげたりしたけど。
「し、シュリはその、アレな感じでカッコ可愛いいし。一目惚れっていうか……その~」
おい、笑かすなよ。なんだそれ、すごい告白みたいじゃん。
「ははは、ありがとリアン。でもさ、今日会ったばかりなんだし、友達からでどう?」
よくわからないけど。まぁ、これなら問題なかろう。
「……ぜ、ぜひお願いします!!」
リアンは幸せそうに目をキラキラさせていて、こう改めて見てみると、何だか可愛げがあった。レオガルトさんから肉食獣を抜いた感じだし。将来ビックリするくらいイケメンになってそう。
…………ってか、めっちゃ告白みたいな感じがするんだけど、大丈夫かな。
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