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本編
3.やらかした女
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彼女と素敵なキスがしたい(by夏美解釈)、と悩める少年の力になってやろうではないかっ!
と意気揚々と安請け合いしたものの、アキちゃんの瞳がみるみる喜色に染まっていくのをみて一気に不安になる。
「えっと……アキちゃん、彼女とキスがしたい、んだよね?」
「うん!」
「……いるんだよね?」
「はっ? 何? 俺に彼女いちゃおかしいの?」
途端に不機嫌になり慌てる。
「いやいやいやソコは疑っちゃいない! うん! 君のファンらしき乙女達がよく団地前でたむろしてんのもよく知ってるし! アキちゃん昔からモテてたもんね。お姉ちゃんそれ鼻高でさあ」
「何が言いたいの?」
「あ、すまん……だからえーーと……、いいのかな? って」
「何が?」
「うん……いやーーだって練習って、練習と言ってもねえ、どう練習すんのかもよくわかんないけど、もしアキちゃんの大事なファーストキスをさ、彼女じゃなくてわたしが誤って奪ってしまったらどう償えばよいのかと」
「ああ……」
アキちゃんはそこまで考えが至ってなかったのか、膝上に乗せた腕に顎を添えてしばし物思いにふける。
わたしはちょっとホッとしてテレビリモコンをいじって面白い番組がないかとチャンネルサーフィン。しかし、チャンネルが定着する前にアキちゃんは結論を出してしまった。
「俺自身のファーストキスに拘りはない。練習もガッツリやりたい、以上」
「はい??」
うそだろ青少年。いや、今時の中学生ってこうなのか? いやいや六歳しか違わんわ。もしくは男女の違いなのか。
「そ、そうか……うーーんわかった……。ファーストキスの件は了解した。けど、練習ガッツリって何? く、唇くっつけるだけなんだけどな……」
なぜに年上の大人のわたしの方が、こっぱずかしく顔赤らめなきゃいかんのだ。なぜ中坊のアキちゃんが清々しいまでに綺麗な微笑浮かべとんのじゃ。
「ナツミってさあ……無駄に経験豊富だよね?」
「はっ? なにっ? なんのことっ?」
「付き合ってきたヤツ無駄に多いよね」
「ちょっ、さっきから無駄無駄なんなのこの子っ!」
「その今までの無駄な経験でさあ、はたして唇くっつけただけで終わったことあんの?」
ぐうの音も出ないとはこのことか。てかアキちゃん、わたしの何をそんなご存知なのか怖いんですけど。まさか、まさか歴代彼氏の名前知ってるとかないよね?
「あ、アキちゃん! あのね、君はまだ中学二年生。ひょっ、ひょっとしたらディープ系のキスのことをおっしゃってるのかも知らないけどもっ、まっまだ君にも彼女にも早いんじゃないかな~」
「ナツミが初めて彼氏出来たのいつ?」
「ふへっ?」
「いーつっ?」
やばい、この子。わたしの身辺調査してないでしょうね。いやでもここは、はっきり誤解なく言わねばっ。
「た、確かちゅっ、中二だったかなーあれっ? 今のアキちゃんと一緒だねエヘっ」
「1個上のサッカー部の赤木」
「そう、赤木先輩っなつかしいなっ……て、ええっ? なんで?!」
まじでこの子なんなの? エスパーか? 君はエスパーなのか?
「その赤木とはどこまでやったの?」
なんだか尋問されてる気がするのは、気のせいにしてよいものか。
「あ、あのね。先輩とはほんと、ほんと清い交際でね」
「キスしたんだろ」
「……はい……」
無意識に小さくなる自分に気付き慌てて顔上げる。
「あ、でもね! ディープとかそんなのぜんっぜんしてないからっまじで! チュッてなもんよほんとっ」
だいぶ疑わしき表情でジーーと見つめられてビビる。
いや、だからコレなんでわたしまるで責められてるの?
「まっいーや、ナツミがその無駄に経験した熟練の技を俺に伝承してくれ」
突っ込む気力も無くして、わたしはソファの背に項垂れた。
あんなにかわいかったアキちゃん。あんなに健気にわたしの後をついてきて「おねーたん」と呼んでくれてた子が……わたしの手に余るようになりました。月日の流れを感じます。
ふわっと頭に温かいものが乗っかり顔をあげると、アキちゃんが頭を撫でていた。
「今日……おばさん夜勤だよね」
「え?……あ、うん」
なんだこれ、妙にドギマギする。なんでそんなトーンでしゃべるの? なぜうちの母の就労時間確認したの?
「……しよっか」
アキちゃんのプルプルピンクな唇からこぼれた台詞に、思わずビクリと体が反応してしまった。
「……練習……?」
「うん、練習」
ジーーーーと見つめられていたたまれない。
「さ、サ○ンラップ取ってこよっかな」
「却下」
「うっ……で、でもこれはさすがに」
「女に二言は?」
「ないっ!……いやいや、それ『男に二言はない』っていうやつ!」
「……そんなに嫌? 俺とすんの」
アキちゃん顔っ顔怖いよっ! かわいい顔台無しだよっ!
「嫌じゃないよっ! だけどなんかやっぱアキちゃんの大事なファーストキスがねっもったいなくて」
「……ナツミ」
「へっ?」
「するぞ」
両腕を捕まれて向かいあったアキちゃんの表情はいたって真面目で、表情も読み取れなくてそれに気がとられたせいか、ふいに視界が途切れて唇にやわらかいものが当たってもしばらく脳ミソの情報処理が追い付いてこない。
少し離れた目の前のアキちゃんの、睫毛の長さと気持ち良いほど綺麗な眉毛と鼻のライン、すべらかでニキビのひとつもない艶々した肌。なんて綺麗な男の子なんだろう、羨ましい。
そんなこと頭よぎってるそばからその長い睫毛が少し伏せられ、再び近づいてくる。
今度はさっきよりしっかり唇同士がくっつきあう。
……あったかいな……気持ちいいな……てかやわらかい……。
ちょっと罪悪感忘れて目を閉じて浸ってしまった久しぶりのキス。
ぎゅっとわたしの腕を掴むアキちゃんの手のひらから熱が伝わってくるようだ。
ゆっくりと離した唇を、アキちゃんは見つめたまま小さく息を吐いた。
「……どう? どっかおかしい?」
「う? ううん。全然。……練習必要なかったんじゃないかな……」
「……でもぎこちなかったよな俺」
「いや、まあその……ある意味そのぎこちなさが良きスパイス的な」
「それはナツミが無駄に経験してるからだろ」
「いやだからさっきからなにその無駄攻撃」
「「ぶっ!!」」
二人して笑ってしまった。さっきまでの危うい空気を消しさるように。
わたしは肩の荷が降りた気がしてソファにもたれて伸びをした。なんだかさっきまで一歩間違ったら喰われるのかとヒヤヒヤしてたけど、あんなにウブウブで小さく震える手のひらを感じると、何を怖がってたんだ自分、と気が抜けたのだ。
だからまた失敗をやらかしてしまった。
「ということでナツミ」
「ん?」
「明日から毎日練習だから」
「……ん?」
「おばさんの夜勤来週末までだよな」
「……え?」
「それまで毎日練習すっぞ。俺がスムーズに出来るようになるまで」
「いやちょっと」
「来週末に彼女との本番を迎えるようにするから、それまでに総仕上げだ」
「そう?……え? なに?」
「しっかり俺を鍛えてくれよな! 師匠!」
「はい!……え? いやちがっ!」
意気揚々と立ち上がってアキちゃんは自分ちに帰っていった。
おとなりさんのほうでガチャンとドアが閉まる音が聞こえて、やっとわたしは我に返る。
いやちょっと。これはいったいなんの試合開始なんですか! 毎日開催とか聞いてないぞーーーー!!
と意気揚々と安請け合いしたものの、アキちゃんの瞳がみるみる喜色に染まっていくのをみて一気に不安になる。
「えっと……アキちゃん、彼女とキスがしたい、んだよね?」
「うん!」
「……いるんだよね?」
「はっ? 何? 俺に彼女いちゃおかしいの?」
途端に不機嫌になり慌てる。
「いやいやいやソコは疑っちゃいない! うん! 君のファンらしき乙女達がよく団地前でたむろしてんのもよく知ってるし! アキちゃん昔からモテてたもんね。お姉ちゃんそれ鼻高でさあ」
「何が言いたいの?」
「あ、すまん……だからえーーと……、いいのかな? って」
「何が?」
「うん……いやーーだって練習って、練習と言ってもねえ、どう練習すんのかもよくわかんないけど、もしアキちゃんの大事なファーストキスをさ、彼女じゃなくてわたしが誤って奪ってしまったらどう償えばよいのかと」
「ああ……」
アキちゃんはそこまで考えが至ってなかったのか、膝上に乗せた腕に顎を添えてしばし物思いにふける。
わたしはちょっとホッとしてテレビリモコンをいじって面白い番組がないかとチャンネルサーフィン。しかし、チャンネルが定着する前にアキちゃんは結論を出してしまった。
「俺自身のファーストキスに拘りはない。練習もガッツリやりたい、以上」
「はい??」
うそだろ青少年。いや、今時の中学生ってこうなのか? いやいや六歳しか違わんわ。もしくは男女の違いなのか。
「そ、そうか……うーーんわかった……。ファーストキスの件は了解した。けど、練習ガッツリって何? く、唇くっつけるだけなんだけどな……」
なぜに年上の大人のわたしの方が、こっぱずかしく顔赤らめなきゃいかんのだ。なぜ中坊のアキちゃんが清々しいまでに綺麗な微笑浮かべとんのじゃ。
「ナツミってさあ……無駄に経験豊富だよね?」
「はっ? なにっ? なんのことっ?」
「付き合ってきたヤツ無駄に多いよね」
「ちょっ、さっきから無駄無駄なんなのこの子っ!」
「その今までの無駄な経験でさあ、はたして唇くっつけただけで終わったことあんの?」
ぐうの音も出ないとはこのことか。てかアキちゃん、わたしの何をそんなご存知なのか怖いんですけど。まさか、まさか歴代彼氏の名前知ってるとかないよね?
「あ、アキちゃん! あのね、君はまだ中学二年生。ひょっ、ひょっとしたらディープ系のキスのことをおっしゃってるのかも知らないけどもっ、まっまだ君にも彼女にも早いんじゃないかな~」
「ナツミが初めて彼氏出来たのいつ?」
「ふへっ?」
「いーつっ?」
やばい、この子。わたしの身辺調査してないでしょうね。いやでもここは、はっきり誤解なく言わねばっ。
「た、確かちゅっ、中二だったかなーあれっ? 今のアキちゃんと一緒だねエヘっ」
「1個上のサッカー部の赤木」
「そう、赤木先輩っなつかしいなっ……て、ええっ? なんで?!」
まじでこの子なんなの? エスパーか? 君はエスパーなのか?
「その赤木とはどこまでやったの?」
なんだか尋問されてる気がするのは、気のせいにしてよいものか。
「あ、あのね。先輩とはほんと、ほんと清い交際でね」
「キスしたんだろ」
「……はい……」
無意識に小さくなる自分に気付き慌てて顔上げる。
「あ、でもね! ディープとかそんなのぜんっぜんしてないからっまじで! チュッてなもんよほんとっ」
だいぶ疑わしき表情でジーーと見つめられてビビる。
いや、だからコレなんでわたしまるで責められてるの?
「まっいーや、ナツミがその無駄に経験した熟練の技を俺に伝承してくれ」
突っ込む気力も無くして、わたしはソファの背に項垂れた。
あんなにかわいかったアキちゃん。あんなに健気にわたしの後をついてきて「おねーたん」と呼んでくれてた子が……わたしの手に余るようになりました。月日の流れを感じます。
ふわっと頭に温かいものが乗っかり顔をあげると、アキちゃんが頭を撫でていた。
「今日……おばさん夜勤だよね」
「え?……あ、うん」
なんだこれ、妙にドギマギする。なんでそんなトーンでしゃべるの? なぜうちの母の就労時間確認したの?
「……しよっか」
アキちゃんのプルプルピンクな唇からこぼれた台詞に、思わずビクリと体が反応してしまった。
「……練習……?」
「うん、練習」
ジーーーーと見つめられていたたまれない。
「さ、サ○ンラップ取ってこよっかな」
「却下」
「うっ……で、でもこれはさすがに」
「女に二言は?」
「ないっ!……いやいや、それ『男に二言はない』っていうやつ!」
「……そんなに嫌? 俺とすんの」
アキちゃん顔っ顔怖いよっ! かわいい顔台無しだよっ!
「嫌じゃないよっ! だけどなんかやっぱアキちゃんの大事なファーストキスがねっもったいなくて」
「……ナツミ」
「へっ?」
「するぞ」
両腕を捕まれて向かいあったアキちゃんの表情はいたって真面目で、表情も読み取れなくてそれに気がとられたせいか、ふいに視界が途切れて唇にやわらかいものが当たってもしばらく脳ミソの情報処理が追い付いてこない。
少し離れた目の前のアキちゃんの、睫毛の長さと気持ち良いほど綺麗な眉毛と鼻のライン、すべらかでニキビのひとつもない艶々した肌。なんて綺麗な男の子なんだろう、羨ましい。
そんなこと頭よぎってるそばからその長い睫毛が少し伏せられ、再び近づいてくる。
今度はさっきよりしっかり唇同士がくっつきあう。
……あったかいな……気持ちいいな……てかやわらかい……。
ちょっと罪悪感忘れて目を閉じて浸ってしまった久しぶりのキス。
ぎゅっとわたしの腕を掴むアキちゃんの手のひらから熱が伝わってくるようだ。
ゆっくりと離した唇を、アキちゃんは見つめたまま小さく息を吐いた。
「……どう? どっかおかしい?」
「う? ううん。全然。……練習必要なかったんじゃないかな……」
「……でもぎこちなかったよな俺」
「いや、まあその……ある意味そのぎこちなさが良きスパイス的な」
「それはナツミが無駄に経験してるからだろ」
「いやだからさっきからなにその無駄攻撃」
「「ぶっ!!」」
二人して笑ってしまった。さっきまでの危うい空気を消しさるように。
わたしは肩の荷が降りた気がしてソファにもたれて伸びをした。なんだかさっきまで一歩間違ったら喰われるのかとヒヤヒヤしてたけど、あんなにウブウブで小さく震える手のひらを感じると、何を怖がってたんだ自分、と気が抜けたのだ。
だからまた失敗をやらかしてしまった。
「ということでナツミ」
「ん?」
「明日から毎日練習だから」
「……ん?」
「おばさんの夜勤来週末までだよな」
「……え?」
「それまで毎日練習すっぞ。俺がスムーズに出来るようになるまで」
「いやちょっと」
「来週末に彼女との本番を迎えるようにするから、それまでに総仕上げだ」
「そう?……え? なに?」
「しっかり俺を鍛えてくれよな! 師匠!」
「はい!……え? いやちがっ!」
意気揚々と立ち上がってアキちゃんは自分ちに帰っていった。
おとなりさんのほうでガチャンとドアが閉まる音が聞こえて、やっとわたしは我に返る。
いやちょっと。これはいったいなんの試合開始なんですか! 毎日開催とか聞いてないぞーーーー!!
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