悪役令嬢に転生したら病気で寝たきりだった⁉︎完治したあとは、婚約者と一緒に村を復興します！

第2章 ほのぼの結婚まで

44話 心から楽しむ

　セリーナは村人たちとの会話を終え、心地よい疲れを感じながら広場を後にした。夜空には星が輝き、心の中にも新たな希望の光が灯っている。ライオネルが彼女の隣を歩きながら、ふと声をかけた。

「今日は素晴らしい一日だったね。村人たちの反応が本当に嬉しかった」

　セリーナは微笑みながら頷いた。

「みんなの支援があれば、きっと私たちはこの地域を守れる。私ももっと頑張りたい」

　言葉には、過去の自分を乗り越えた強い意志が込められていた。その瞬間、セリーナは村人たちが私に寄せてくれる期待に応えるため、さらなる努力をしなければならないと感じた。

　広場を離れると、ライオネルが言った。

「これから具体的に何を始めるつもりなんだ？」

　セリーナはしばらく考え、心に浮かんだアイデアが山のように浮かんだが、言葉にするのはやめて微笑む。

「ふふふ、秘密よ」

　ライオネルは彼女の言葉に真剣に耳を傾け微笑み返す。

「何だ？　意味深だ」

　と。



　数日後、皆で村の広場に再び集まり、具体的なプロジェクトを話し合った。
　セリーナとライオネルは商業活動を活性化させるための提案を次々にした。

　村人たちの反応は上々で、次々と手を挙げて提案が上がった。「私も手伝います！」、「私たちで一緒に農作物を育てて、収穫を分け合いましょう！」といった声が上がり、広場には活気が戻ってきた。

　セリーナはその様子を見ながら、彼女たちの心が一つになっているのを実感した。「みんなの協力があれば、きっと成功する」と信じている。

　そんな中、村の長老がセリーナに近づいてきた。「セリーナさん、あなたのリーダーシップがこの町に必要です。私たちはあなたに期待しています」と語りかける。

　その言葉に、セリーナは胸が熱くなった。「私にできることがあれば、何でもします。でも、私一人ではなく、みんなで支え合っていきたいです」

　長老は頷き、村の人々とともに新しい挑戦に取り組むことの重要性を感じていた。セリーナはその姿に励まされ、より一層の責任感を抱くこととなった。

　数週間が経ち、セリーナたちの取り組みは徐々に成果を上げ始めていた。農作物の収穫量が増え、村の人々は笑顔を取り戻していた。市場も賑わいを見せ、提案が実を結んでいることを実感した。


　夜、セリーナとライオネルは、広場での成功を祝うために小さな集まりを開くことにした。村人たちが集まり、共に笑い、喜びを分かち合う時間が持たれた。

　その夜空の下、セリーナは心の中で強く願った。「この場所がずっと平和であり続けますように」



　セリーナの提案が実を結び、町は再び活気を取り戻しつつあった。農作物の収穫祭が近づく中、人たちはその準備に追われていた。セリーナは、彼らの頑張りを見ていると、自分の心もまた高揚していくのを感じていた。

　ある日の午後、広場で収穫祭の計画を練るための集会が開かれた。セリーナは、ライオネルと共に前に立ち、村人たちに向けて話し始めた。

「皆さん、収穫祭は私たちの努力の成果を祝う素晴らしい機会です。みんなで協力し合って、最高の祭りにしましょう！」

　村人たちの顔には期待が広がり、各自が自分の役割を果たすために積極的にアイデアを出し始めた。料理、飾り付け、ゲームの準備など、多くの手が必要だった。

「私たちが育てた作物を使った料理を作りたい！」

　と一人が声を上げると、他の人たちも賛同した。

　セリーナはその様子を見ながら、改めて確信する。

「これが私の夢だ」




「それでは、各自が持ち寄った作物を使って、特別な料理を競うコンテストを開きましょう！」

　とライオネルが提案した。

　その提案に、村人たちの興奮はさらに高まった。セリーナは、皆が互いに競い合い、楽しむ姿を想像し、胸が高鳴った。「最高の収穫祭になるに違いない！」

　準備が進む中、セリーナは村の一角で料理の手伝いをすることにした。そこで、若い母親たちが集まっているのを見つけた。彼女たちは、子どもたちのために特別なデザートを作る準備をしていた。

「私も手伝います！」

　とセリーナが声をかけると、母親たちは喜んで受け入れてくれた。

　作業を進める中で、セリーナは彼女たちの笑顔や子どもたちの無邪気な声を聞きながら、心が温まる思いを抱いた。「この村が一つになっているのを感じる。私がここにいる意味がある」

　時間が経つにつれて、準備は順調に進んでいった。村の広場では、飾り付けが終わり、鮮やかな色と香りが広がる。セリーナはその光景を見て、思わず涙ぐんでしまった。

「こんなにも素晴らしいことができるなんて…」

　その時、ライオネルが傍にやってきた。「セリーナ、どうしたの？泣いているのか？」

　セリーナは恥ずかしさに頬を赤らめながら、微笑んだ。「嬉しくて…みんなが一つになっているのを見ると、心が満たされるの」

　ライオネルはその言葉を聞いて微笑み返した。「君がここにいるから、みんなも頑張っているんだ。君の力が、みんなに希望を与えている」

　その瞬間、セリーナは言葉に励まされ、さらに頑張ろうと決意した。「ありがとう、ライオネル。私も、みんなのために全力を尽くすわ」


　数日後、行われた収穫祭は、村人たちの笑顔で溢れ、色とりどりの料理が並んで、楽しい音楽が流れ、セリーナとライオネルは、人々と共にその瞬間を心から楽しんだ。