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第2章 ほのぼの結婚まで

37話 二人の絆

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 料理フェアが大成功を収め、ホッと胸を撫で下ろしていたセリーナは、感慨深く広場を見つめていた。

 人々が去った後の空虚さも、今日は、ちょっぴり清々しい。

 広場に集まった人々の笑顔、賑やかな会話、そして地元の特産品がたくさん売れたことが、いつまでも頭の中を駆け巡る。

 ライオネルもフェアの成功を喜びながら、セリーナの元に駆け寄った。

「本当に素晴らしいイベントだった。みんなの協力があったからこそ、ここまで来れたんだ」

 と微笑む。

「うん、本当にそう思う。みんなの力で実現できたんだね」

「君の思いが伝わったんだ」

 そう、二人で腕を撫で下ろしていたが、セリーナは、まだやることがあることを思い出す。
 成功の余韻に浸る間もなく、新たな課題があった。
 それは、地域の振興だけではなく、自分自身の健康をも気遣う必要があると感じ始めたからだ。
 病み明けから頑張りすぎたせいもある。
 
 ライオネルにこう告げる。

「ライオネル、これからも地域を支援し続けたいと思ってる。でも、私自身の健康も大事だと思うの。もっと体を動かす方法を見つけたい」

 ライオネルは言葉に深く頷いた。「その通りだ。無理をしない範囲で、少しずつでも体を動かすことが大切だと思う。何かアクティビティを一緒に始めようか?」

 その提案にセリーナは目を輝かせた。「ほんと! 最近、町の人たちと一緒に体を動かすイベントを考えていたんだ。皆で集まって、運動を楽しむのはどうかな?」

 ライオネルは笑顔で答えた。「それはいいアイデアだ! 地域の人たちが集まることで、さらに絆も深まるし、楽しさも増すさ」

 二人はその日から、地域振興と自身の健康を両立させるためのプランを練り始めた。周囲に声をかけ、運動イベントの企画を進めていく中で、セリーナは自身の成長を感じる。


 イベントの準備が進む中、今は笑顔で接してくれているが、過去にセリーナが罵倒したことのある村人がいることに気づき、ふと思った。

「昔の私は、こんな風にみんなと支え合うことなんて考えられなかった…」

 気づかぬ間に、呟いていた言葉に、ライオネルが反応した。

「でも、今は違う。セリーナはたくさんの人に愛され、支えられている」

 セリーナは微笑み、心に暖かい感情が広がった。

「私、幸せだな。今までの経験があったからこそ、今の私がいるんだと思う」 



 運動イベント当日、広場は地域の人々で賑わい、皆で楽しむ姿は本当にほっこりとした光景だった。セリーナは自らも参加し、笑顔で皆と共に体を動かし、交流を楽しんでいた。

「これが私たちの新しい日常になるんだね」

 とセリーナは心の中で思った。
 ライオネルも彼女の隣で楽しそうに動いており、その姿を見てセリーナは嬉しさを感じた。

 イベントが終わると、参加者たちから感謝の声が「楽しかった! また開催してほしい!」と、たくさん集まった。次々と聞こえ、セリーナの心は温かい。

「これからも、皆で支え合いながら、もっと素敵な未来を築いていきましょう」

 セリーナの目頭は熱い。

 今、自分自身だけでなく、周りの人々のことも考え、共に成長していくことの大切さを理解し、そして、隣にはライオネルもいる。
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