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15_宿縁の章_17
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鬼気迫る表情で向かうマリアは、
「行きますわ!」
クローザーとして強化された左右で、得意とする連撃。
目にも留まらぬ速さに剣風逆巻き、激しく舞い上がる雪煙。
しかしアナクスは神速とも言える連撃を両の扇子で淡々と全て弾き、
(領民の為にと誹謗中傷にも耐え戦っていたヌシよ……ヌシは疑問には思いせぇんしたかぇ? 何故に妾たちスティーラーは、輩(権力者)ども決めた「いかさま戦(いくさ)」に、命を賭さねばならぬか……(配下の)兵の命を消費せねばならぬのか……)
手は止めず、
(妾には出来んせぇんした……まともな心を保つには、狂おしいほど「最強」にしがみつき戦わねば……そしてそれは今も変わりんせん……)
妖艶な笑みの下に隠した、誰にも語る事の無い真実。
はたして彼女と同じ苦悩を抱えているのか、
「消えるでござるゥ! サイジャクがァアァァァァア!」
憤怒の形相で、右拳、左拳の連続乱打で殴り掛かるアナス。
上下左右容赦なく迫る拳に、
「クッ!」
(クソがァ!)
得意武器の鎌を、三節棍状態に変化させつつ、防戦一方のジャック。
(何なんだ、この素手ゴロの無茶苦茶な攻撃はぁよ! しかもナノマシンで両腕に発生させた攻防一体の風がマジ邪魔くせぇ!)
単純な殴り攻撃の威力は倍化され、止まぬ怒りの連打と相まって「攻撃は最大の防御」反撃の機会を見い出せずにいた。
しかしそんな中にあって、
(それにしてもコイツの動き……どこかで……)
懐かしさの様な物を感じ、ほんの一瞬、気持ちの一部に生じた緩みをアナスは見逃さなかった。
瞬間的にチカラの溜を作り、攻撃力を増加、
「それが『最弱』の由縁と言っているぅ!」
「し、しまっ、」
防御に気合を入れ直そうと鎌を構えたジャックごと、
「戦いに集中せぬかァ、『粗忽者』がァアァァァァァ!」
ドガァガァーーーッ!
殴り飛ばし、受け止めた鎌は粉々に砕けて粒子に帰り、ジャックの体は、
「カハァ! クハァ! ガハァ!」
水面を切って飛ぶ水切り石の様に、大地を何度もバウンドして転げ飛んだ。
『ジャァァァクゥウゥゥッゥゥ!』
思わず声を上げるマリア。
「ヌシも浮気(よそ見)は感心せんぇ!」
「しまっ、」
アナクスが扇子を大きく振ると赤き突風が発生し、マリアも吹き飛び地に転がった。
「行きますわ!」
クローザーとして強化された左右で、得意とする連撃。
目にも留まらぬ速さに剣風逆巻き、激しく舞い上がる雪煙。
しかしアナクスは神速とも言える連撃を両の扇子で淡々と全て弾き、
(領民の為にと誹謗中傷にも耐え戦っていたヌシよ……ヌシは疑問には思いせぇんしたかぇ? 何故に妾たちスティーラーは、輩(権力者)ども決めた「いかさま戦(いくさ)」に、命を賭さねばならぬか……(配下の)兵の命を消費せねばならぬのか……)
手は止めず、
(妾には出来んせぇんした……まともな心を保つには、狂おしいほど「最強」にしがみつき戦わねば……そしてそれは今も変わりんせん……)
妖艶な笑みの下に隠した、誰にも語る事の無い真実。
はたして彼女と同じ苦悩を抱えているのか、
「消えるでござるゥ! サイジャクがァアァァァァア!」
憤怒の形相で、右拳、左拳の連続乱打で殴り掛かるアナス。
上下左右容赦なく迫る拳に、
「クッ!」
(クソがァ!)
得意武器の鎌を、三節棍状態に変化させつつ、防戦一方のジャック。
(何なんだ、この素手ゴロの無茶苦茶な攻撃はぁよ! しかもナノマシンで両腕に発生させた攻防一体の風がマジ邪魔くせぇ!)
単純な殴り攻撃の威力は倍化され、止まぬ怒りの連打と相まって「攻撃は最大の防御」反撃の機会を見い出せずにいた。
しかしそんな中にあって、
(それにしてもコイツの動き……どこかで……)
懐かしさの様な物を感じ、ほんの一瞬、気持ちの一部に生じた緩みをアナスは見逃さなかった。
瞬間的にチカラの溜を作り、攻撃力を増加、
「それが『最弱』の由縁と言っているぅ!」
「し、しまっ、」
防御に気合を入れ直そうと鎌を構えたジャックごと、
「戦いに集中せぬかァ、『粗忽者』がァアァァァァァ!」
ドガァガァーーーッ!
殴り飛ばし、受け止めた鎌は粉々に砕けて粒子に帰り、ジャックの体は、
「カハァ! クハァ! ガハァ!」
水面を切って飛ぶ水切り石の様に、大地を何度もバウンドして転げ飛んだ。
『ジャァァァクゥウゥゥッゥゥ!』
思わず声を上げるマリア。
「ヌシも浮気(よそ見)は感心せんぇ!」
「しまっ、」
アナクスが扇子を大きく振ると赤き突風が発生し、マリアも吹き飛び地に転がった。
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