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青木 森

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13_流転の章_42

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 やがて三人は町の入り口近くまで来て―――
 クローザーの男が不敵な笑みを浮かべ、
「ほほぅ、コレは確かに手厚い歓迎でござるなぁ」
 町の入り口を見つめると、
「町をメチャクチャにして逃げた男の連れ(ファティマ)が居るぞォ!!」
「全員、構えろォ!!」
「容赦するなァ!!」
「相手が人間だと思うなよォ!!」
「町に近づけるなァ!!」
 飛び交うあまたの怒号。
 以前は門兵だけで固められていた入り口には、自動小銃やバズーカ砲などで重武装した兵士の他に、機関砲を備えた装甲車や戦車までもが並べられ、砲口を一斉に向けて来た。
蜂の巣を突いたどころではない大騒ぎに、女は妖艶な笑みを浮かべ、
「やはり、こう言う事でありんしたかぁ」
 胸元に抱えたファティマを見下ろすと、
「…………」
(シショーのシカエシをしてもらうなぉぅ……)
 無言で視線を逸らした。
 すると、
「最近ちと運動不足ゆえ、拙者が行くとするでござるかぁ」
「!?」
 動じた様子も見せない男の声に、驚きの顔を上げるファティマ。
 そんな彼女を横目に男は余裕の表情で歩み出ると、門でいきり立つ兵士たちを見つめたまま、
「童の身でありながら、己のチカラで「親の仇」を討てぬのならば『死なば諸共』と思うた覚悟は感服するでござるが……」
 肩越しにチラリと振り返り、
「ちと浅知恵でござったな」
 笑みを浮かべ、
「なぉぅ!?」
 クローザーの女と同じ事を言われギョッとするが先か、男は都市攻略戦なみに重武装で固められた門に向かって突進して行った。
 その後ろ姿に、女は淫靡な笑みを浮かべ、
「さぁファティ坊よ、「後悔の時間」の始まりでありんすぇ」
「なぉ……」
 言われた意味を頭で理解する間もなく、彼女はその意味を自身の眼で知る事となった。
 男は走りながら日本刀のような剣を出現させ、その手に握ると、
「参るでござるぅ!」
 狂気染みた満面の笑顔を以って、
「さぁさぁ各々がたぁあぁ! 覚悟するでござるよぉぉぉぉおおおぉぉぉ!」
 完全武装した兵士たちに向かって猛突進。
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
 グングン迫る異様な気配に気圧されつつ、
「ひ、怯むなぁ! 今回の装備は万全だぁ! 撃て撃て撃て撃てぇえぇぇぇぇぇぇぇ!」
「「「「「「「「「「おぉーーーーーーッ!」」」」」」」」」」
 勝どきと共に一斉に火を噴く兵士たちの銃口や、戦車、装甲車、バズーカ砲などの重砲口。

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