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13_流転の章_36
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クローザーであるロイドが倒されたこの日、他のクローザー達に激震が走った。
序列一位と二位を倒す為に造られたクローザーが仲間のクローザーを手に掛けた時、二人の反逆行為を知らせるシグナルが一斉送信される仕掛けになっていたから。
懸念されていた二人の起動が確実なモノとなり、
「コーギィー!」
「ヴァイオレットォ!」
アララト山を下山中であったコーギーとヴァイオレットは青ざめた顔を見合わせる。
とある洞窟に隠された石棺の中では、アフリカ大陸のクローザーが目覚めの時を迎え、遠く離れた南極大陸の地下では、
「ッ!」
信号を受信したナヤスがギクリと身を震わせた途端、
「隙アリッ!」
ジゼの右拳が顔面に迫り、
「そこまで!」
ヤマトの掛け声で寸止め。
「勝者ジゼぇ!」
宣言すると、
「やったぁ! ナヤスから一本取ったぁーーーーーー!」
ジゼは素直に大喜び。無邪気に喜ぶ姿に、
「喜び過ぎだぞぉ」
ヤレヤレ顔のヤマトはナヤスの下に歩み寄り、
「試合中に考え事なんて珍しいなぁ」
笑顔で気遣いを見せると、
「…………」
緊急事態を唯一知り得るナヤスは黙り込み、
(話せば、みんなはスグにでもアフリカへ行こうとする……でも今のレベルでは足りない。今、話す訳にはいかない……)
苦悩を心の内に秘め、自嘲する様な笑み(笑顔下手の「般若の様な顔」は変わらず)を浮かべ、
「理由はどうであれ、結果が全てです、ヤマト様」
淡々と言ってのけると、
(相変わらず笑顔が苦手なんだなぁ)
ヤマトはお茶を濁す様な笑みを浮かべたが、当のジゼはよほど嬉しかったのか、
「そうだよぉ、ヤマトぉ! 理由はどうあれ「結果が全て」なんだからぁ♪」
上機嫌。
しかし、期せずして敗者となってしまったナヤスを不安げに見つめる一人の人物がいた。彼女の姉のシャーロットである。その表情は、いつもと変わらぬ満面の笑顔のままではあったが。
序列一位と二位を倒す為に造られたクローザーが仲間のクローザーを手に掛けた時、二人の反逆行為を知らせるシグナルが一斉送信される仕掛けになっていたから。
懸念されていた二人の起動が確実なモノとなり、
「コーギィー!」
「ヴァイオレットォ!」
アララト山を下山中であったコーギーとヴァイオレットは青ざめた顔を見合わせる。
とある洞窟に隠された石棺の中では、アフリカ大陸のクローザーが目覚めの時を迎え、遠く離れた南極大陸の地下では、
「ッ!」
信号を受信したナヤスがギクリと身を震わせた途端、
「隙アリッ!」
ジゼの右拳が顔面に迫り、
「そこまで!」
ヤマトの掛け声で寸止め。
「勝者ジゼぇ!」
宣言すると、
「やったぁ! ナヤスから一本取ったぁーーーーーー!」
ジゼは素直に大喜び。無邪気に喜ぶ姿に、
「喜び過ぎだぞぉ」
ヤレヤレ顔のヤマトはナヤスの下に歩み寄り、
「試合中に考え事なんて珍しいなぁ」
笑顔で気遣いを見せると、
「…………」
緊急事態を唯一知り得るナヤスは黙り込み、
(話せば、みんなはスグにでもアフリカへ行こうとする……でも今のレベルでは足りない。今、話す訳にはいかない……)
苦悩を心の内に秘め、自嘲する様な笑み(笑顔下手の「般若の様な顔」は変わらず)を浮かべ、
「理由はどうであれ、結果が全てです、ヤマト様」
淡々と言ってのけると、
(相変わらず笑顔が苦手なんだなぁ)
ヤマトはお茶を濁す様な笑みを浮かべたが、当のジゼはよほど嬉しかったのか、
「そうだよぉ、ヤマトぉ! 理由はどうあれ「結果が全て」なんだからぁ♪」
上機嫌。
しかし、期せずして敗者となってしまったナヤスを不安げに見つめる一人の人物がいた。彼女の姉のシャーロットである。その表情は、いつもと変わらぬ満面の笑顔のままではあったが。
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