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9.黎明の章_13
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ジゼ、マリア、シャーロット、ナヤスや、ガルシア女性クルー達が「私も良い?」と続々名乗りを上げ、ナクアのお腹を撫でて妊娠を祝っていると、ブレイクも撫でながら、未だ照れ臭そうな「これから父親になるマシュー」をチラリと見、悪い顔してニヤリ。
「ナクア、(マシューに)乱暴にされなかったかぁい?」
「た、隊長ぉ! 人聞きの悪い事をぉ!」
マシューが慌て、クルー達に笑いが起きる中、ナクアはいつも通りの無表情でありながらも、
「と……とても……優しかった……」
ポッと顔を赤らめ、
「なぁ!?」
マシューがおののくと、からかい半分、ひがみ半分、ガルシア男性陣は一斉に飛び掛かりマシューをもみくちゃ、手荒に祝い、女性陣は気恥ずかしそうな表情を滲ませるナクアに、ほんわか癒された。
そんなお祝いムードの中、
「?」
タケダさんが不在である事に気付くヤマト。
手荒くも、仲間達からの祝福に笑顔を見せるマシューに、
「なぁマシュー、タケダさんは? 良い悪いを別にして一番騒ぎそうなのに……」
するとマシューは笑顔から一転、表情を曇らせ、手荒い祝福をしていた男性陣たちが手を止め窺うと、女性陣に祝福されていたナクアは、無表情の中に憤慨を滲ませた。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
祝福ムードから一転、場の空気は不穏な物へと変わり、
「なんか……あったのか?」
慎重に、言葉とタイミングを選びながら伺うと、
「なんかあったのか、ではありませぇん!」
アンドロイドペンギン達の群れの中から大きな声が上がり、ペンギン達は声の主の前を一斉にバッと開けた。
存在が露わになるタケダさん。開けられた道を不愉快そうにズンズン歩きながら、
「いつクローザーが攻めて来るか分からぬこの時期に「戦力を低下させる行いをして如何するのです」と、ワタクシメは苦言を申し上げているだけです!」
この一言は、打ちひしがれていたナクアの状態を知っていた女性陣の不評を買うに十分であった。マシューが南極基地に残った事で、ナクアが明るさを取り戻した事は一目瞭然であり、
「「「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」」
女性陣が不快感を露わに、理屈に重きを置く男性陣も違和感を感じたが、タケダさんの暴言は留まる事を知らず、
「一刻も早く戦力を強化する為、安定期に入りましたら「お子」は取り出し培養液内で育て、ナクア様には対クローザー用の改造手術を受けて頂きたいと申しているのです! それなのにナクア様ときましたら! マシュー様も、ナクア様と契りを結ばれた以上、この大陸の皇帝なのです! もっと自覚を持っていただかねば!」
言われている意味は理解し、甘んじて責め苦を受けるマシューとナクア。そんな二人に代わり、
「ざぁけんじゃないよ!」
先陣切ってブッチ切れたのはブレイクであった。
続く大ブーイングの女性陣。男性陣からも非難の声が上がる中、
「な、なんと……」
予想外であった驚きを見せるタケダさん。
一部から非難の声が上がるであろう事は覚悟済みであったが、よもや自分の考えが孤立するなど、思ってもいなかったのである。
「ナクア、(マシューに)乱暴にされなかったかぁい?」
「た、隊長ぉ! 人聞きの悪い事をぉ!」
マシューが慌て、クルー達に笑いが起きる中、ナクアはいつも通りの無表情でありながらも、
「と……とても……優しかった……」
ポッと顔を赤らめ、
「なぁ!?」
マシューがおののくと、からかい半分、ひがみ半分、ガルシア男性陣は一斉に飛び掛かりマシューをもみくちゃ、手荒に祝い、女性陣は気恥ずかしそうな表情を滲ませるナクアに、ほんわか癒された。
そんなお祝いムードの中、
「?」
タケダさんが不在である事に気付くヤマト。
手荒くも、仲間達からの祝福に笑顔を見せるマシューに、
「なぁマシュー、タケダさんは? 良い悪いを別にして一番騒ぎそうなのに……」
するとマシューは笑顔から一転、表情を曇らせ、手荒い祝福をしていた男性陣たちが手を止め窺うと、女性陣に祝福されていたナクアは、無表情の中に憤慨を滲ませた。
「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」
祝福ムードから一転、場の空気は不穏な物へと変わり、
「なんか……あったのか?」
慎重に、言葉とタイミングを選びながら伺うと、
「なんかあったのか、ではありませぇん!」
アンドロイドペンギン達の群れの中から大きな声が上がり、ペンギン達は声の主の前を一斉にバッと開けた。
存在が露わになるタケダさん。開けられた道を不愉快そうにズンズン歩きながら、
「いつクローザーが攻めて来るか分からぬこの時期に「戦力を低下させる行いをして如何するのです」と、ワタクシメは苦言を申し上げているだけです!」
この一言は、打ちひしがれていたナクアの状態を知っていた女性陣の不評を買うに十分であった。マシューが南極基地に残った事で、ナクアが明るさを取り戻した事は一目瞭然であり、
「「「「「「「「「「はぁ!?」」」」」」」」」」
女性陣が不快感を露わに、理屈に重きを置く男性陣も違和感を感じたが、タケダさんの暴言は留まる事を知らず、
「一刻も早く戦力を強化する為、安定期に入りましたら「お子」は取り出し培養液内で育て、ナクア様には対クローザー用の改造手術を受けて頂きたいと申しているのです! それなのにナクア様ときましたら! マシュー様も、ナクア様と契りを結ばれた以上、この大陸の皇帝なのです! もっと自覚を持っていただかねば!」
言われている意味は理解し、甘んじて責め苦を受けるマシューとナクア。そんな二人に代わり、
「ざぁけんじゃないよ!」
先陣切ってブッチ切れたのはブレイクであった。
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「な、なんと……」
予想外であった驚きを見せるタケダさん。
一部から非難の声が上がるであろう事は覚悟済みであったが、よもや自分の考えが孤立するなど、思ってもいなかったのである。
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