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8.朋友の章_11
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メラニー婆ちゃんはリビングに戻ると、ライフル銃を壁のフックに戻し、
「それにしてもさっきのアレは何だい?」
不思議そうな顔をコーギーたちに向けると、ガーディアン隊員エラも二人に熱視線を向け、向けられたコーギーとヴァイオレットは、
「だ、ダイバーズに知り合いがいて、その人から貰った防犯装置なんですよぉ」
「そ、そうでございますですのぉ。おほほほほほ」
ヴァイオレットは同調して見せつつ、
(何ですの、その(強引な)説明は!)
(し、仕方ないじゃないですか! エラが居る前で、うかつな事が言えないじゃないですか!)
(そんな突拍子もない話を、誰が信じますですのぉ!)
(じゃあ、何て言えば良かったんですかぁ!)
小声でもめていると、
「はぁ~時代は進化してるんだねぇ~」
感心したように頷くメラニー婆ちゃんと、
「確かにダイバーズの作った装置なら、頷けますですねぇ」
得心が言ったように笑顔で頷くエラ。
(信じたみたいですよ)
(で、ですわねぇ……)
ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、
「因みに、ダイバーズのどなたから貰ったんです?」
((!?))
ギョッとするコーギーとヴァイオレット。
(そ、そこまで考えていない!)
「え、えと……その……」
コーギーがしどろもどろで、答えられずにいると、
「あ、貴方がガーディアンの隊員と分かった今、教えられる筈があぁりぃえませんでございますですわぁ!」
ヴァイオレットがその場の勢いで、出任せを言ってのけた。
怪訝な顔して、ジッと二人を見つめるエラ。
「「…………」」
内心冷や汗もののコーギーとヴァイオレット。
しかし二人の心配をよそに、エラはニコッと笑顔になり、
「それはそうですよねぇ~」
「そ、そうですよぉ~」
「あ、当たり前でございますですわぁ~」
二人も笑ってお茶を濁すと、
「ですよねぇ~正直に名前を言っていただいてたら、むしろ信じませんでしたよぉ~」
エラはケラケラと笑った。
((ナイス(僕達・あたくし達)!))
心の中で力強くガッツポーズする二人。
「そ、それにしてもロクでもない町でございますですわねぇ~」
話を逸らすヴァイオレットに、
「失礼ですよ、ヴァイオレット」
コーギーが優しく苦言を呈すると、
「構いやしないさぁ。本当の事だしねぇ」
メラニー婆ちゃんはフッと小さく笑い、
「それでもねぇ、ココはアタシらが生まれ、育ってきた町なのさ。よそ者で、若いアンタ達には分からない話だろうけどねぇ」
その表情は、愛おしむかのように穏やかであった。
「それにしてもさっきのアレは何だい?」
不思議そうな顔をコーギーたちに向けると、ガーディアン隊員エラも二人に熱視線を向け、向けられたコーギーとヴァイオレットは、
「だ、ダイバーズに知り合いがいて、その人から貰った防犯装置なんですよぉ」
「そ、そうでございますですのぉ。おほほほほほ」
ヴァイオレットは同調して見せつつ、
(何ですの、その(強引な)説明は!)
(し、仕方ないじゃないですか! エラが居る前で、うかつな事が言えないじゃないですか!)
(そんな突拍子もない話を、誰が信じますですのぉ!)
(じゃあ、何て言えば良かったんですかぁ!)
小声でもめていると、
「はぁ~時代は進化してるんだねぇ~」
感心したように頷くメラニー婆ちゃんと、
「確かにダイバーズの作った装置なら、頷けますですねぇ」
得心が言ったように笑顔で頷くエラ。
(信じたみたいですよ)
(で、ですわねぇ……)
ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、
「因みに、ダイバーズのどなたから貰ったんです?」
((!?))
ギョッとするコーギーとヴァイオレット。
(そ、そこまで考えていない!)
「え、えと……その……」
コーギーがしどろもどろで、答えられずにいると、
「あ、貴方がガーディアンの隊員と分かった今、教えられる筈があぁりぃえませんでございますですわぁ!」
ヴァイオレットがその場の勢いで、出任せを言ってのけた。
怪訝な顔して、ジッと二人を見つめるエラ。
「「…………」」
内心冷や汗もののコーギーとヴァイオレット。
しかし二人の心配をよそに、エラはニコッと笑顔になり、
「それはそうですよねぇ~」
「そ、そうですよぉ~」
「あ、当たり前でございますですわぁ~」
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「ですよねぇ~正直に名前を言っていただいてたら、むしろ信じませんでしたよぉ~」
エラはケラケラと笑った。
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「構いやしないさぁ。本当の事だしねぇ」
メラニー婆ちゃんはフッと小さく笑い、
「それでもねぇ、ココはアタシらが生まれ、育ってきた町なのさ。よそ者で、若いアンタ達には分からない話だろうけどねぇ」
その表情は、愛おしむかのように穏やかであった。
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