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5.愁嘆の大地の章-47
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ナクアは、マシューとルークに贈られたルビーのペンダントをしばし見つめ、
「ジゼ……」
「なぁに?」
おもむろに顔を上げると、ジゼを真っ直ぐ見つめ、
「チュウした?」
「………………へぇ!?」
「仲の良い「つがい」、はチュウするって、タケダさん、言ってた」
「なっ! なななんなななあんなな、何言ってるのよぉ!」
「わたくしも興味がありますわぁ! 今後の考察の為に、是非にィ!」
「ヤマトはあくまで家族であって! 奴隷であって! 家畜であって! 下僕なのよォ! だから何かあっても、それはノーカンでぇ!」
「?」
「貴方、言っている事が支離滅裂ですわよぉ?」
明らかな動揺見せるジゼに、半ば呆れ笑いであったマリアの感がピンと働き、
(何かありますわねぇ~)
久々見せる悪い顔。
「なぁ~んだぁ~そうですのぉ~~~」
「そっ、そうよ! だぁ、だからヤマトとは、別に何でもないんだからぁ!」
「なら、わたくしが名乗りを上げても、なんの問題ありませんのね?」
「へ?」
赤面から一転、目が点になるジゼ。
「実はわたくし、ヤマトに胸を触られて以来、ずっとぉ……」
ポッと頬を桜色に染めるマリアに、
「ヤマト、がマリアの胸に! 大胆! 不敵! ハレンチ!」
何故か鼻息荒く、興奮気味の無表情ナクア。
「真に受けないのナクア! あ、アレは、マリアが無理矢理触らせたんだからぁ!」
「チュウしてないジゼより、進んでぇる」
「ウフフフフ。ですわよねぇ~」
勝ち誇った女の笑みに、女としてのプライドの導火線に火が付いた。
「チュウくらいとっくにしたわよぉおぉぉぉぉおぉ!」
「「…………」」
一瞬にして静まり、
「あ……」
冷静に返るジゼ。
マリアは「してやったり」と、したり顔。
「だ、だぁ、騙したわねぇーーーーーー!」
「ぷぷぷぅーーーですわぁ! さぁ素直に白状なさいですわぁ!」
「ジゼ! チュウ! どんな感じ? どんな気分? どうなる?」
「ウルサイうるさいウルサァーーーイ! あんなのはノーカンなのぉ! 今はそんな話じゃないでしょ!」
「「「!」」」
ハッとする三人娘。
各々が抱える重要問題をドンと思い出してしまい、
「「「はぁ~~~」」」
暗い顔して三人並んで体育座り。
波間をぼんやり見つめていると、ナクアがポツリ。
「……分からない事、は詳しい人、に聞く、一番」
「なるほどぉ……」
「一理ありますわねぇ」
ジゼとマリアは顔を見合わせ、
「ガルシアで『大人な恋愛経験が一番豊富そうな人』って言うと……」
「日本の言葉で「才色兼備」ですわよねぇ? その様な方が、この船に……」
「…………」
しばし黙考する三人娘の脳裏に、
「「「あ!」」」
とある人物の顔が浮かんだ。
「ジゼ……」
「なぁに?」
おもむろに顔を上げると、ジゼを真っ直ぐ見つめ、
「チュウした?」
「………………へぇ!?」
「仲の良い「つがい」、はチュウするって、タケダさん、言ってた」
「なっ! なななんなななあんなな、何言ってるのよぉ!」
「わたくしも興味がありますわぁ! 今後の考察の為に、是非にィ!」
「ヤマトはあくまで家族であって! 奴隷であって! 家畜であって! 下僕なのよォ! だから何かあっても、それはノーカンでぇ!」
「?」
「貴方、言っている事が支離滅裂ですわよぉ?」
明らかな動揺見せるジゼに、半ば呆れ笑いであったマリアの感がピンと働き、
(何かありますわねぇ~)
久々見せる悪い顔。
「なぁ~んだぁ~そうですのぉ~~~」
「そっ、そうよ! だぁ、だからヤマトとは、別に何でもないんだからぁ!」
「なら、わたくしが名乗りを上げても、なんの問題ありませんのね?」
「へ?」
赤面から一転、目が点になるジゼ。
「実はわたくし、ヤマトに胸を触られて以来、ずっとぉ……」
ポッと頬を桜色に染めるマリアに、
「ヤマト、がマリアの胸に! 大胆! 不敵! ハレンチ!」
何故か鼻息荒く、興奮気味の無表情ナクア。
「真に受けないのナクア! あ、アレは、マリアが無理矢理触らせたんだからぁ!」
「チュウしてないジゼより、進んでぇる」
「ウフフフフ。ですわよねぇ~」
勝ち誇った女の笑みに、女としてのプライドの導火線に火が付いた。
「チュウくらいとっくにしたわよぉおぉぉぉぉおぉ!」
「「…………」」
一瞬にして静まり、
「あ……」
冷静に返るジゼ。
マリアは「してやったり」と、したり顔。
「だ、だぁ、騙したわねぇーーーーーー!」
「ぷぷぷぅーーーですわぁ! さぁ素直に白状なさいですわぁ!」
「ジゼ! チュウ! どんな感じ? どんな気分? どうなる?」
「ウルサイうるさいウルサァーーーイ! あんなのはノーカンなのぉ! 今はそんな話じゃないでしょ!」
「「「!」」」
ハッとする三人娘。
各々が抱える重要問題をドンと思い出してしまい、
「「「はぁ~~~」」」
暗い顔して三人並んで体育座り。
波間をぼんやり見つめていると、ナクアがポツリ。
「……分からない事、は詳しい人、に聞く、一番」
「なるほどぉ……」
「一理ありますわねぇ」
ジゼとマリアは顔を見合わせ、
「ガルシアで『大人な恋愛経験が一番豊富そうな人』って言うと……」
「日本の言葉で「才色兼備」ですわよねぇ? その様な方が、この船に……」
「…………」
しばし黙考する三人娘の脳裏に、
「「「あ!」」」
とある人物の顔が浮かんだ。
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