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青木 森

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5.愁嘆の大地の章-20

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 左頬を赤く腫らすジャックと、薄っすら涙を浮かべてジャックを睨むマリア。
(あわぁぁぁあぁ、姫様なんて事をぉ! 船が壊されちゃうよぉ~~~!!)
 艦内で勃発するであろうスティーラー同士の戦いに頭を抱えると、
「自らの憂いを「他者への当て擦り」で晴らすのは、お止めなさい! みっともないですわ!」
「!」
 的を射られたジャックは一瞬驚いた目をしたものの、悔し気に奥歯をギリッと鳴らし、
「ケッ、そうかよ……」
 叩かれた左頬を一擦り、仄暗い目をして格納庫から出て行った。
「ほぅ~お、逆ギレして暴れ出すかと思いきや、存外まともな神経してんじゃないかい」
 意外そうな顔するブレイクに、ヤマトは新たな理解者が増えた事に緩んだ笑顔を見せ、
「見た目あんなだけど、本音は疑われてるのを気にしてるんですよ。「弟の件」とか、色々重なって」
「面倒臭い、「ひねくれ者」なのは確かでございますが」
「そうなのかい? 見かけによらず「繊細」で「乙女なヤツ」って事かい」
 困り笑顔で消えたジャックの背中をみつめていると、
「ところで姐さん……」
「?」
 ダニエルの声に振り返り、
「これだけの武器……やっぱ「僕達だけ」で分解清掃するんスよね……」
「「「「…………」」」」
 ガルシアが所有する無数のハンドガンやライフル達を前に、げんなり顔のブレイク達。
 
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