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青木 森

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5.愁嘆の大地の章-5

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 しかし班長ブレイクの反応は、芳しいモノではなかった。
 ヤマトから事情を聴くなり、
「ったぁく、ジャックの次はマリアかい! ウチは「社会不適合者」の引き取り所じゃないんだよ!」
(しゃ、社会不適合者ぁあぁぁぁぁ……)
 落ち込むマリアを宥めつつ、
「いや、でも隊長、マシューとルークの二人がブリッジに行ったから、マリアが入れば丁度欠員二人分に、」
 何とか間を取り持とうと、言葉を選んでいると、
「僕は大歓迎さぁ!」
 満面の笑みのダニエルと、
「ケッ! ここでもテメェと顔会すのかよぉ」
 露骨にイヤそうな顔するジャック。
 うつむくマリアは目一杯の笑顔を作り上げ、
「ありがとうですわ、ヤマト。自分の働き口くらい、自分で探してみますわぁ!」
「でもマリア」
「何ですのぉ♪」
 可愛らしく首を傾げると、
「ここが最後だよ……」
「!」
 衝撃の事実に、もはや作り笑顔も維持出来ず、半泣きでうなだれた。
「カッカッカッ! 序列三位もここじゃドベ(最下位)、俺より下だなぁ!」
 愉快そうに笑うジャックに、ムッとしたマリアは「駄々っ子パンチ」。
「きぃぃぃぃいぃぃ!」
「な、何しやがる、死神ィ! ガキみてぇな真似してんじゃねぇ!」
 抵抗するジャックと、そんな二人を見てケラケラ笑うダニエル。
 もはや保育園状態。
 収拾つかない状態にブレイクはため息を一つ、
「分かった分かったよぉ、ウチで引き取ってやんよぉ」
「「「「!」」」」
「ウチは元々他所が手を焼く様な連中の集まりさ」
「え? 俺も??」
 キョトンとするヤマトを尻目に、マリアはパッと笑顔を弾けさせ、
「ありがとう、ございますわ! わたくし頑張りますわぁ!」
「ケッ!」
 不愉快そうにしながらも、そこはかとなく嬉しそうに見えるジャック。
 ダニエルは過剰な満面の笑みを浮かべ、
「これからヨロシク!」
 必要以上にマリアの手を握り、ブレイクは新たな頭痛の種の参入に、ため息交じり。
 喜ぶ者、喚く者、頭を抱える者、ヤマトは混沌の様相を呈する自身の職場を見つめ、
(誘っておいて今さら何だけど……大丈夫なのか……)
 一抹の不安を覚えた。

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