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4.偽りの新天地の章-36
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なんともコメントに困る状況下、艦長がお茶を濁す様に、
「で、では、ミスアドミスター、我々は出港準備に取り掛かりますので、ブリッジにて航路の指示を頂けますかな?」
しかしナクアはマシューとルークの背に顔を隠し、二人と離れたくない事をアピール。
マシューとルークが困惑顔を見合わせると、
「オマエ達ィ! 女の、恥を忍んでの御指名を断る気かい!」
満面の笑顔のブレイク。
「「でも姐さん、俺らの仕事がぁ……」」
「んなモン、気にスンじゃないよ! その分は、コイツに働いてもらえば良いのさァ!」
ニカッと笑い、ジャックの首に腕を掛けた。
「ハァ? 何で俺がぁ!?」
露骨に面倒そうな顔に、ブレイクがニヤリ。
「んん? なんだアンタ、ウチ等の家に来といてタダ飯を食うつもりだったのかぁ~い?」
ジャックが言い逃れをしようとすると、ソフィアが申し訳なさげにスッと歩み出て、
「ぶしつけなお願いな事は重々承知していますが、当艦の置かれた状況を鑑み、何とかお願い出来ないでしょうか……」
たおやかな微笑みに、ポッと赤くなるジャック。
今までブレイクの様なタイプとばかり関わりを持って来た彼にとって、ソフィアの様な女性から真摯にお願いをされる事は新鮮で、かつ免疫も無く、つい見とれるも集まるニヤつき視線にハッと我に返り、
「チッ! 南極までだからなァ!」
照れを誤魔化す様な物言いで、ニヤつくブレイクの腕を振り払った。
「ありがとうございます」
「か、勘違いすんじゃねぇぞ! 俺の体重で燃料も食ってる訳だしぃ、ただ飯ぐらいって訳にもいかねぇから仕方なし……そう、仕方なくだからなぁ!」
プイッと横向き壁に背を預けると、不機嫌そうな顔してうつむき、眼を閉じた。
((((((((((ツンデレだ、ツンデレ、ツンデレ、男のツンデレ……))))))))))
ウブな反応に、クスクス、ヒソヒソ、笑い合うガルシアクルー達。
そ知らぬフリするジャックであったが、数分もたずに恥ずかしさが決壊、
「だぁーーー! コッチ見んなぁ! ツンデレとか言うんじゃねぇ!」
「「「「「「「「「「アハハハハハ、ツンデレ男が怒ったぁ~~~」」」」」」」」」」
クルー達は笑い出し、ブレイクは愉快そうにゲラゲラ笑い、
「ワァハハハハ。やっぱオマエ、イイヤツだなぁ!」
「イイヤツって、言うんじゃねぇ! 俺は「狂気神」だぞォ! 俺の歩いた後にはなァ!」
ガルシアは新たに結ばれた縁に、明るい笑いに包まれ、
「俺の話を聞けぇーーーーーーーーー!」
ジャックの叫びが夕闇に、虚しくコダマした。
夜へと時間を移す洋上を、戦艦ガルシア改は一路南極を目指し静かに滑り始める。
「で、では、ミスアドミスター、我々は出港準備に取り掛かりますので、ブリッジにて航路の指示を頂けますかな?」
しかしナクアはマシューとルークの背に顔を隠し、二人と離れたくない事をアピール。
マシューとルークが困惑顔を見合わせると、
「オマエ達ィ! 女の、恥を忍んでの御指名を断る気かい!」
満面の笑顔のブレイク。
「「でも姐さん、俺らの仕事がぁ……」」
「んなモン、気にスンじゃないよ! その分は、コイツに働いてもらえば良いのさァ!」
ニカッと笑い、ジャックの首に腕を掛けた。
「ハァ? 何で俺がぁ!?」
露骨に面倒そうな顔に、ブレイクがニヤリ。
「んん? なんだアンタ、ウチ等の家に来といてタダ飯を食うつもりだったのかぁ~い?」
ジャックが言い逃れをしようとすると、ソフィアが申し訳なさげにスッと歩み出て、
「ぶしつけなお願いな事は重々承知していますが、当艦の置かれた状況を鑑み、何とかお願い出来ないでしょうか……」
たおやかな微笑みに、ポッと赤くなるジャック。
今までブレイクの様なタイプとばかり関わりを持って来た彼にとって、ソフィアの様な女性から真摯にお願いをされる事は新鮮で、かつ免疫も無く、つい見とれるも集まるニヤつき視線にハッと我に返り、
「チッ! 南極までだからなァ!」
照れを誤魔化す様な物言いで、ニヤつくブレイクの腕を振り払った。
「ありがとうございます」
「か、勘違いすんじゃねぇぞ! 俺の体重で燃料も食ってる訳だしぃ、ただ飯ぐらいって訳にもいかねぇから仕方なし……そう、仕方なくだからなぁ!」
プイッと横向き壁に背を預けると、不機嫌そうな顔してうつむき、眼を閉じた。
((((((((((ツンデレだ、ツンデレ、ツンデレ、男のツンデレ……))))))))))
ウブな反応に、クスクス、ヒソヒソ、笑い合うガルシアクルー達。
そ知らぬフリするジャックであったが、数分もたずに恥ずかしさが決壊、
「だぁーーー! コッチ見んなぁ! ツンデレとか言うんじゃねぇ!」
「「「「「「「「「「アハハハハハ、ツンデレ男が怒ったぁ~~~」」」」」」」」」」
クルー達は笑い出し、ブレイクは愉快そうにゲラゲラ笑い、
「ワァハハハハ。やっぱオマエ、イイヤツだなぁ!」
「イイヤツって、言うんじゃねぇ! 俺は「狂気神」だぞォ! 俺の歩いた後にはなァ!」
ガルシアは新たに結ばれた縁に、明るい笑いに包まれ、
「俺の話を聞けぇーーーーーーーーー!」
ジャックの叫びが夕闇に、虚しくコダマした。
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