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第十章
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いつから会議に参加していたのか、スパイダマグは筋骨隆々な巨漢を申し訳なさげに小さく縮め、痛々しく思えるその姿に、
「オマエさんは気にし過ぎなのさぁ、スパイダぁ♪」
ニプルウォートが苦笑いを浮かべると、
「げにぃありんすなぁ。被害者でもありぃんすソナタがぁ、そこまで気に病む必要はありぃせぇんぇ♪」
「まったくじゃな。ヌシが架け橋となり各国への外遊を続けておらなんだら、中世における天世への心象はもっと悪くなっておったじゃろぅて」
「だな。各国王族も民衆から「天世に弱腰」と、責め立てられていたやも知れぬしな」
同盟四国王からのねぎらいの言葉に、
「…………」
スパイダマグは黙り、ほんの僅かに、ほんの微かに揺れる両肩からは、一枚布で隠した素顔での感涙を感じさせた。
彼の陰ながらの苦労が報われた瞬間でもあり、そこへトドメを刺すが如くニプルウォートからの、
「リンドウが「民(みん)の架け橋」ならならぁ、さしずめオマエさんは「官(かん)の架け橋」で、その苦労と努力は誰もが認めてるのさぁ♪」
からかいも含めた称賛ではあったがイタズラ好きな彼女の狙い通り、彼の涙の防波堤はついに決壊。
想像以上に苦労の絶えない活動でもあったのか、
『ありがどうございまず皆様がたぁあぁぁ~~~!』
男泣き。
大泣き。
少々子供っぽくも、それこそ苦労の表れか。
スパイダマグの落ち着きを待っての閑話休題。
しばし後、
『とぉ、取り乱し、大変失礼致しました』
冷静を取り戻した彼は話しを本筋に戻すべく、
「主軸となる四国以外の同盟各国でも汚染獣の群れの散発的、かつ断続的活動が確認されていて、信奉者たちの勧誘工作も水面下で活発化しているようだとの事ですが……やはり今はその場しのぎの対処療法しか無いようでして……」
「「「「「…………」」」」」
するとカルニヴァ王が『ならば』と声を上げ、
「来たる有事の際に我ら四国だけでなく、同盟諸国も中世を導けるよう連携を強める為に、今後はこの会議に参加させてはどうだろう?」
「なるほどのぉ。確かに一理あり」
頷くエルブ王であったが、
「…………」
黙して同意を示さない女帝フルール。
天技の運用開発に関して頭一つ抜けている国の長であるが故に何事か懸念があるのか、同じく同意を示さなかったニプルウォートを妖艶な眼差しで見つめながら、
「今の話ぃ如何な思いんすぅ?」
「「「「「「…………」」」」」」
問い掛けに視線が集まると、四大大国の「二王が示した案」にも拘らず、
『ウチは反対さ』
彼女は平然と、昂然と却下。
女帝フルールの傍らに立つリブロンも内心では彼女の意見に同意であったが、物怖じもせず切って捨てる物言いに、元同僚の諸王に対する不敬に、
(言い方ぁ言い方ぁ!)
背筋に冷や汗をかいたが、ニプルウォートを未だ「実の娘と同じ」に思っている女帝は、彼女の肝の座りを、堂(どう)を、艶やかな笑みで以て称賛するように「ふっ」と小さく笑い、
「何故に否定にぃありぃんすかぇ? 「連(れん)を密に」はぁ悪き話でぇありせんぇ?」
重ねて問うた。
理由を承知の上で訊いているのを窺わせる、含みを持った笑みを浮かべ。
「オマエさんは気にし過ぎなのさぁ、スパイダぁ♪」
ニプルウォートが苦笑いを浮かべると、
「げにぃありんすなぁ。被害者でもありぃんすソナタがぁ、そこまで気に病む必要はありぃせぇんぇ♪」
「まったくじゃな。ヌシが架け橋となり各国への外遊を続けておらなんだら、中世における天世への心象はもっと悪くなっておったじゃろぅて」
「だな。各国王族も民衆から「天世に弱腰」と、責め立てられていたやも知れぬしな」
同盟四国王からのねぎらいの言葉に、
「…………」
スパイダマグは黙り、ほんの僅かに、ほんの微かに揺れる両肩からは、一枚布で隠した素顔での感涙を感じさせた。
彼の陰ながらの苦労が報われた瞬間でもあり、そこへトドメを刺すが如くニプルウォートからの、
「リンドウが「民(みん)の架け橋」ならならぁ、さしずめオマエさんは「官(かん)の架け橋」で、その苦労と努力は誰もが認めてるのさぁ♪」
からかいも含めた称賛ではあったがイタズラ好きな彼女の狙い通り、彼の涙の防波堤はついに決壊。
想像以上に苦労の絶えない活動でもあったのか、
『ありがどうございまず皆様がたぁあぁぁ~~~!』
男泣き。
大泣き。
少々子供っぽくも、それこそ苦労の表れか。
スパイダマグの落ち着きを待っての閑話休題。
しばし後、
『とぉ、取り乱し、大変失礼致しました』
冷静を取り戻した彼は話しを本筋に戻すべく、
「主軸となる四国以外の同盟各国でも汚染獣の群れの散発的、かつ断続的活動が確認されていて、信奉者たちの勧誘工作も水面下で活発化しているようだとの事ですが……やはり今はその場しのぎの対処療法しか無いようでして……」
「「「「「…………」」」」」
するとカルニヴァ王が『ならば』と声を上げ、
「来たる有事の際に我ら四国だけでなく、同盟諸国も中世を導けるよう連携を強める為に、今後はこの会議に参加させてはどうだろう?」
「なるほどのぉ。確かに一理あり」
頷くエルブ王であったが、
「…………」
黙して同意を示さない女帝フルール。
天技の運用開発に関して頭一つ抜けている国の長であるが故に何事か懸念があるのか、同じく同意を示さなかったニプルウォートを妖艶な眼差しで見つめながら、
「今の話ぃ如何な思いんすぅ?」
「「「「「「…………」」」」」」
問い掛けに視線が集まると、四大大国の「二王が示した案」にも拘らず、
『ウチは反対さ』
彼女は平然と、昂然と却下。
女帝フルールの傍らに立つリブロンも内心では彼女の意見に同意であったが、物怖じもせず切って捨てる物言いに、元同僚の諸王に対する不敬に、
(言い方ぁ言い方ぁ!)
背筋に冷や汗をかいたが、ニプルウォートを未だ「実の娘と同じ」に思っている女帝は、彼女の肝の座りを、堂(どう)を、艶やかな笑みで以て称賛するように「ふっ」と小さく笑い、
「何故に否定にぃありぃんすかぇ? 「連(れん)を密に」はぁ悪き話でぇありせんぇ?」
重ねて問うた。
理由を承知の上で訊いているのを窺わせる、含みを持った笑みを浮かべ。
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