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第七章

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 まかりサロワートが強く反発していたら、元より気の短い三人は考える余地などなく、スグさま強く反発し返していたであろうが、
「「「…………」」」
 思惑通り黙り込んだ三人に、

(…………)

 彼女は内心でホッとしつつも顔には出さず、
「この世界にある物は全て初代魔王が創った物よ。意図的で無い限り、地世で生まれたモノが「地世のチカラ」で汚染獣化したり、狂暴化したりはしないわ」
「「「「「「「…………」」」」」」」
 彼女の言葉には「真実味」があった。

 そう感じた理由も同様で、ラディッシュ達が地世に来てから現在まで、実際に目にして、耳にして、体験した物と相違が無かったから。
 口先だけと感じた天世との違いに、

(((((((…………)))))))

 勇者組の心中は、複雑。
 その様なタイミングで、

『何だいアンタ達はぁ若いのにしょぼ暮れてぇ! ウチの店のご飯を食べたら元気がでるわよぉ!』
((((((((!))))))))

 店の女主人が、ニコやかな笑顔で料理を運んで来た。
 注文に悩むであろう勇者組を見越したサロワートが、先んじて頼んでいた「サロワートセレクト」の品々である。

 中世の一般的な食堂より、やはり見た目は見劣りするものの、こだわりが感じられ、味も良く、何より「食したから」と言って違和感も無く、体に異変など皆無であり、
((((((((…………))))))))
 それぞれが、それぞれの想いを抱きつつ食事を進め、

「「「「「「「「ごちそうさまでした」」」」」」」」

 食材を作った人々と、調理してくれた人々に感謝。
 店から出るとサロワートは勝ち誇った笑みを浮かべ、

「アンタ達がゴネたせいでぇ随分と時間を食っちゃったわねぇ♪」
「「「…………」」」

 バツが悪そうに黙るターナップとニプルウォート、そしてカドウィードをチラ見。
 そんな三人に苦笑するラディッシュやドロプウォート達を横目に、

『さぁ、行くわよぉん♪』

 上機嫌で、再び先陣切って歩き始めた。
 しかし、
(((((((?!)))))))
 村の外にまで出てしまう、サロワート。
 遅くなったと言う割には宿泊先も探さずに。

 太陽代わりの雲が明るさを落とし始め、時間が夜へと移り始める中、

「「「「「「「…………」」」」」」」

 黙って彼女に付き従う勇者組。
 彼女の「次なる目的が読めぬ故」であったが、しばし歩くと、

『これくらい離れれば大丈夫でしょ』

 急に足を止め、
「「「「「「「?」」」」」」」
 不思議に思う七人に、

「野営するわよぉ♪」

 笑顔で振り返り、

『『『『『『『やっ、やえい?!』』』』』』』

 驚きを隠せない勇者組。
 狂暴な汚染獣は「出ない」とのお墨付きを貰っているとは言え、何が起きるか分からない世界の森で野宿など、心中穏やかで居られる筈が無かった。
 しかし彼女は「何を驚いているんだ」と言わんばかり、

「当然でしょ?」

 首を傾げ、

「だって「村に迷惑」は掛けられないもの」

 それを言われてしまっては返す言葉も無く、

「「「「「「「…………」」」」」」」
「野営できる装備は持って来てるんでしょ?」
「「「「「「「…………」」」」」」」

 なし崩し的に、何が起きるか分からない「未知なる地世の森」での一泊を余儀なくされ、

(((((((フリンジめぇえ!)))))))

 怒りを新たに抱く中、

『ほらぁ、何してるのぉ! 置いて行くわよぉ!』

 急かすサロワートは森の奥へと分け入り、
「「「「「「「………」」」」」」」
 渋々後に続くラディッシュ達であった。
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