504 / 706
第七章
7-39
しおりを挟む
初めて地世の村に足を踏み入れる勇者組――
そこで目にした物は先と同様、中世の村と「何ら変わらぬ暮らしぶり」であった。
しかし、
「「「「「「「…………」」」」」」」
お世辞にも「豊か」とは言い難い家並み。
その佇まいから彷彿とさせるのは、エルブ国の端にあり、主だった産業も無く、過疎化が進むに任せる一方であった、ターナップが生まれ育った村の「かつての姿」。
ラディッシュの助言から研鑽を重ね、今では町と呼べるほどの発展を遂げてはいるが。
地世において、派手な家並み、奇抜な家並み、異質な家並みなどを想像していた訳では無かったが、目の当たりにした現実に勇者組は、
「「「「「「「…………」」」」」」」
ただ立ち尽くす。
この世界はターナップにとって「両親、知人の仇の世界」であり、ドロプウォートにとっては「母国の兵や民の命」を数え切れないほど奪った世界であり、妖人のパストリスにとっても数々の辛酸を経験した「元凶の世界」であり、他の仲間たちも事情は似たり寄ったり。
異世界人のラディッシュにとっても大切な存在であった、ラミウムの命を奪った世界。
複雑な心境から心の何処かで、敵として再認識できる「憎める要素」を探していた自身に気付いてしまった。
それを見つけられたならば「心の整理が容易かったかも知れない」とも。
しかし目にした村の人々は、中世人と何ら変わらぬ容姿を持ち、貧しさを窺わせるヨレた服や暮らしぶりをしながらも、みな笑顔を絶やさず、額に汗して懸命に働いていて、
(((((((…………)))))))
それは天世人が説(と)く「怠惰な世界」からは、著しくかけ離れた光景であった。
自身の差別意識と、浮薄(ふはく)な思慮に、
(((((((これがチゼ……)))))))
動揺を隠せずには居られなかった。
すると、
『いつまで突っ立てるのよぉ?!』
サロワートの呆れ声に、
(((((((!)))))))
意識を現実世界に連れ戻され、
「ほらぁ行くわよぉ! いつまでも村の入り口に立ってたら邪魔になるでしょ!」
村の奥へと導かれ、内心で茫然自失の勇者組は促されるまま、言われるままに、
「「「「「「「…………」」」」」」」
ただただ後に続いた。
村を奥に進んだからと言って、目の当たりにする光景に変化が起きる訳も無し。
目にした地世の人々は、
「「「「「「「…………」」」」」」」
その日を、懸命に生き抜いていた。
明るさを、失わず。
中世の人々と何ら変わらぬ「逞しさ」を以て。
そんな中、天世人の教えを守り生きて来た中世人であり、勇者組で、良く言えば「最も警戒心の強いニプルウォート」が受け入れ難い現実を前に、
(まさかこの村は、ウチ等を篭絡する為に用意したぁ?!)
疑心暗鬼に囚われ、怪訝な表情を浮かべていると、
『あぁーっ♪ ミズタマのねぇちゃんだぁ♪』
子供の明るい声が。
「!?」
想念の森からハッと我に返るニプルウォート。
声に振り返ると、村の幼子たちが屈託ない満面の笑顔でサロワートを指差し、
「「「「ミズタマぁ♪ ミズタマぁ♪」」」」
からかい笑っていて、言われた彼女は羞恥と怒りで顔を真っ赤に、
『ふぉお!!!』
反射的素早さでミニスカを押さえ、その姿から彼女が「この村でもしでかした」のを悟るドロプウォート。
多分に呆れを交え、
「貴方ぁ、この村でも「御披露」なさっておりましてですわのぉ?」
『すっ、好きで披露した訳じゃないわよぉおぉ!』
逆ギレ気味にツッコムと、
「大人をからかうんじゃナイわよぉ子供たちぃい!」
囃し立てる子供たちを追い掛け始め、笑顔ですばしっこく逃げ回る子供たちも、
「やぁーい、ミズタマねぇちゃぁん♪」
「つかまえられるモンならぁつかまえてみろぉ♪」
『なぁんでぇすってぇえーーー!』
大人げなく、血相を変えるサロワート。
「「お仕置き」よぉー!」
駆ける姿に、
「「「「「「どっちがコドモぉ……」」」」」」
ラディッシュ達が苦笑を浮かべる中、
(ウチの勘繰り過ぎ……悪い癖さぁ……)
ニプルウォートは、サロワートや村に疑いを持った自身に苦笑いした。
やがて「とばっちり」が勇者組にも。
生温かく静観していたラディッシュ達にサロワートは、
『アンタ達もボサッと見てないでぇ悪ガキ共を捕まえるのを手伝いなさいよぉ!』
(((((((…………)))))))
強要に「なんで自分たちが」と思う七人であったが、追われる子供たちの笑顔を眺めるうち、
「「「「「「「…………」」」」」」」
触発され、
「「「「「「「こらぁ、まぁてぇ~~~♪」」」」」」」
いつの間にか「鬼ごっこ」の鬼と化していた。
地世の村の子供たちと、本気で遊ぶ「中世の勇者」たち。
しばしの交流を楽しんだ後に、
「「「「「「バイバぁ~~~イ♪」」」」」」
笑顔で手を振る子供たちが去って行くと、
「さぁ次の村へ行くわよ♪」
サロワートが余韻も無しに歩き出し、
『『『『『『『もぅぉ?!』』』』』』』
ギョッとするラディッシュ達。
一泊しないならまだしも、食事や、ちょっとした休憩すら取っていなかったのだから。
すると彼女は淡々と、
「長居する訳にはいかないのよ」
「「「「「「「?」」」」」」」
「アノ変態に見つかったら、この村の人達が何をされるか分からないのよ」
「「「「「「「!」」」」」」」
「アタシ達の都合で、迷惑を掛ける訳にはいかないわ」
「「「「「「「…………」」」」」」」
アノ変態とは「フリンジ」に他ならず、彼が目的遂行の為ならば、守るべき存在である筈の「地世の民」にすら手を下す、卑劣漢(ひれつかん)であるのを改めて知り、
「分かったよ、サロワ」
頷くラディッシュ。
「僕も、僕達のせいで、この村の人達に「不幸が起きる」のは本意じゃないから」
ドロプウォート達も頷くと、
「理解が早くて助かるわぁ~」
フリンジに対する辟易した笑みを見せながら、
「次は、下調べで立ち寄っていない村なの。食事を取る位の余裕はある筈だわ」
サロワートとラディッシュ達は足早に「初めての村」を後にした。
そこで目にした物は先と同様、中世の村と「何ら変わらぬ暮らしぶり」であった。
しかし、
「「「「「「「…………」」」」」」」
お世辞にも「豊か」とは言い難い家並み。
その佇まいから彷彿とさせるのは、エルブ国の端にあり、主だった産業も無く、過疎化が進むに任せる一方であった、ターナップが生まれ育った村の「かつての姿」。
ラディッシュの助言から研鑽を重ね、今では町と呼べるほどの発展を遂げてはいるが。
地世において、派手な家並み、奇抜な家並み、異質な家並みなどを想像していた訳では無かったが、目の当たりにした現実に勇者組は、
「「「「「「「…………」」」」」」」
ただ立ち尽くす。
この世界はターナップにとって「両親、知人の仇の世界」であり、ドロプウォートにとっては「母国の兵や民の命」を数え切れないほど奪った世界であり、妖人のパストリスにとっても数々の辛酸を経験した「元凶の世界」であり、他の仲間たちも事情は似たり寄ったり。
異世界人のラディッシュにとっても大切な存在であった、ラミウムの命を奪った世界。
複雑な心境から心の何処かで、敵として再認識できる「憎める要素」を探していた自身に気付いてしまった。
それを見つけられたならば「心の整理が容易かったかも知れない」とも。
しかし目にした村の人々は、中世人と何ら変わらぬ容姿を持ち、貧しさを窺わせるヨレた服や暮らしぶりをしながらも、みな笑顔を絶やさず、額に汗して懸命に働いていて、
(((((((…………)))))))
それは天世人が説(と)く「怠惰な世界」からは、著しくかけ離れた光景であった。
自身の差別意識と、浮薄(ふはく)な思慮に、
(((((((これがチゼ……)))))))
動揺を隠せずには居られなかった。
すると、
『いつまで突っ立てるのよぉ?!』
サロワートの呆れ声に、
(((((((!)))))))
意識を現実世界に連れ戻され、
「ほらぁ行くわよぉ! いつまでも村の入り口に立ってたら邪魔になるでしょ!」
村の奥へと導かれ、内心で茫然自失の勇者組は促されるまま、言われるままに、
「「「「「「「…………」」」」」」」
ただただ後に続いた。
村を奥に進んだからと言って、目の当たりにする光景に変化が起きる訳も無し。
目にした地世の人々は、
「「「「「「「…………」」」」」」」
その日を、懸命に生き抜いていた。
明るさを、失わず。
中世の人々と何ら変わらぬ「逞しさ」を以て。
そんな中、天世人の教えを守り生きて来た中世人であり、勇者組で、良く言えば「最も警戒心の強いニプルウォート」が受け入れ難い現実を前に、
(まさかこの村は、ウチ等を篭絡する為に用意したぁ?!)
疑心暗鬼に囚われ、怪訝な表情を浮かべていると、
『あぁーっ♪ ミズタマのねぇちゃんだぁ♪』
子供の明るい声が。
「!?」
想念の森からハッと我に返るニプルウォート。
声に振り返ると、村の幼子たちが屈託ない満面の笑顔でサロワートを指差し、
「「「「ミズタマぁ♪ ミズタマぁ♪」」」」
からかい笑っていて、言われた彼女は羞恥と怒りで顔を真っ赤に、
『ふぉお!!!』
反射的素早さでミニスカを押さえ、その姿から彼女が「この村でもしでかした」のを悟るドロプウォート。
多分に呆れを交え、
「貴方ぁ、この村でも「御披露」なさっておりましてですわのぉ?」
『すっ、好きで披露した訳じゃないわよぉおぉ!』
逆ギレ気味にツッコムと、
「大人をからかうんじゃナイわよぉ子供たちぃい!」
囃し立てる子供たちを追い掛け始め、笑顔ですばしっこく逃げ回る子供たちも、
「やぁーい、ミズタマねぇちゃぁん♪」
「つかまえられるモンならぁつかまえてみろぉ♪」
『なぁんでぇすってぇえーーー!』
大人げなく、血相を変えるサロワート。
「「お仕置き」よぉー!」
駆ける姿に、
「「「「「「どっちがコドモぉ……」」」」」」
ラディッシュ達が苦笑を浮かべる中、
(ウチの勘繰り過ぎ……悪い癖さぁ……)
ニプルウォートは、サロワートや村に疑いを持った自身に苦笑いした。
やがて「とばっちり」が勇者組にも。
生温かく静観していたラディッシュ達にサロワートは、
『アンタ達もボサッと見てないでぇ悪ガキ共を捕まえるのを手伝いなさいよぉ!』
(((((((…………)))))))
強要に「なんで自分たちが」と思う七人であったが、追われる子供たちの笑顔を眺めるうち、
「「「「「「「…………」」」」」」」
触発され、
「「「「「「「こらぁ、まぁてぇ~~~♪」」」」」」」
いつの間にか「鬼ごっこ」の鬼と化していた。
地世の村の子供たちと、本気で遊ぶ「中世の勇者」たち。
しばしの交流を楽しんだ後に、
「「「「「「バイバぁ~~~イ♪」」」」」」
笑顔で手を振る子供たちが去って行くと、
「さぁ次の村へ行くわよ♪」
サロワートが余韻も無しに歩き出し、
『『『『『『『もぅぉ?!』』』』』』』
ギョッとするラディッシュ達。
一泊しないならまだしも、食事や、ちょっとした休憩すら取っていなかったのだから。
すると彼女は淡々と、
「長居する訳にはいかないのよ」
「「「「「「「?」」」」」」」
「アノ変態に見つかったら、この村の人達が何をされるか分からないのよ」
「「「「「「「!」」」」」」」
「アタシ達の都合で、迷惑を掛ける訳にはいかないわ」
「「「「「「「…………」」」」」」」
アノ変態とは「フリンジ」に他ならず、彼が目的遂行の為ならば、守るべき存在である筈の「地世の民」にすら手を下す、卑劣漢(ひれつかん)であるのを改めて知り、
「分かったよ、サロワ」
頷くラディッシュ。
「僕も、僕達のせいで、この村の人達に「不幸が起きる」のは本意じゃないから」
ドロプウォート達も頷くと、
「理解が早くて助かるわぁ~」
フリンジに対する辟易した笑みを見せながら、
「次は、下調べで立ち寄っていない村なの。食事を取る位の余裕はある筈だわ」
サロワートとラディッシュ達は足早に「初めての村」を後にした。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった
お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。
全力でお母さんと幸せを手に入れます
ーーー
カムイイムカです
今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします
少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^
最後まで行かないシリーズですのでご了承ください
23話でおしまいになります
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました
うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。
そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。
魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。
その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。
魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。
手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。
いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる