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第五章
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回廊を再び移動して――
祝いの席が設けられた一室に導かれたラディッシュ達は、
「「「「「「「!?」」」」」」」
素直に驚いた。
平時、何に使われている部屋かは不明であるが、吹き抜けと見紛うばかりの天井高の室内は、上級貴族が邸宅内に持つような、地球の学校教室が二つ三つ余裕で入りそうな、広々とした空間で、その中央には、煌びやかな刺繍の施されたクロスが掛けられたテーブルがコの字型に配され、これから運ばれてくるであろう「豪華な料理」たちを、今や遅しと待ち侘びていた。
席順はスパイダマグのエスコートにより、中央にラディッシュ、右にエルブ国の代表としてドロプウォートが座らされ、チィックウィードは彼女の膝の上。
そして左にはフルール国代表としてニプルウォートが座らされ、以下カドウィードとターナップ、パストリスが左右に分かれて座らされた。
いわゆる、それぞれが持つ「肩書き順」である。
因みに元老院の御歴歴三人は、コの字型のテーブルとは別島として配された長テーブルに、コマクサ、チョウカイ、ハイマツの順で座った。
日頃、肩書など気にしないラディッシュ達であるが故に、公の場として仰々しく座らされ、
((((((なんか、しっくり来ない……))))))
座りの悪さと差別感を覚えたが、
『ゴチソウなぉ♪ ゴチソウなぉ♪』
ドロプウォートの膝の上で料理を待ち侘びる幼子の姿に、
((((((まぁ、良いかぁ?))))))
これから続々運ばれて来るであろう宮廷料理クラスの品々に、期待を膨らませた。
すると厨房があると思われる隣室から一人の男性が姿を現し、
「お初に御目に掛かります、勇者様方。アタクシ、元老院専属の総料理長を務めております「ミネズ」と申します。以後、お見知りおきを」
白いコック帽に、料理人の白衣である「コックコート」を纏った人物が、恭しく頭を下げ、
「では皆さま、アタクシの料理の数々をご堪能下さい」
笑顔と共に退出して行った。
豪華な料理は目前であったが、気になったのは、
((((((アタクシの料理?))))))
自信家であるのを窺わせる、彼の口振り。
あまり好感の持てる表現ではなく、
((((((大丈夫?))))))
不安を抱くと、察したコマクサ、チョウカイ、ハイマツが苦笑を交えて少しバツが悪そうに、
「ぬっほっほっ。性格に少々アレ(難)はあるのだがぁ……」
「腕は確かなのですよ、腕は」
「ま、まったくなのですなぁ」
((((((元老院の人にも、そう思われてるんだぁ……))))))
これから出される料理に不安を増すラディッシュ達であったが、
「「「「「「「!!!」」」」」」」
その不安は一瞬にして吹き飛んだ。
スパイダマグと同様に、白い一枚布で素顔を隠した女性たちが手押しのワゴンに乗せて運んで来た海の幸、山の幸、里の幸は華々しく調理され、生野菜なども見た目で分かる新鮮そのもの。
輝いているように見える料理たちに、
(((((((おいしそう!)))))))
率直な総意であった。
やがて運んで来た女性たちの手により取り分けられ、目の前に置かれる料理人が腕を振るった逸品の数々。
元老院の三人の前にも置かれると、コマクサが音頭を取るように、
「さぁさ遠慮なく御食べ下され、勇者様方♪」
頷くラディッシュ達は、
「「「「「「「いただきます♪」」」」」」」
銀フォークを手に、見目麗しくも原材料が何であるか分からない一品を口に運び入れ、
(((((((こっ、これは!)))))))
衝撃を受け、その姿にコマクサ、チョウカイ、ハイマツは満足げに頷きながら、
「どうですかな?」
「中々のモノでしょう?」
「ですよなぁ?」
自分達も食して満足げな笑みを浮かべた。
しかしラディッシュ達の抱いた感想とは、
((((((味が無い……))))))
美味しそうな見た目と相反する味との落差から、衝撃を受けていたのであった。
祝いの席が設けられた一室に導かれたラディッシュ達は、
「「「「「「「!?」」」」」」」
素直に驚いた。
平時、何に使われている部屋かは不明であるが、吹き抜けと見紛うばかりの天井高の室内は、上級貴族が邸宅内に持つような、地球の学校教室が二つ三つ余裕で入りそうな、広々とした空間で、その中央には、煌びやかな刺繍の施されたクロスが掛けられたテーブルがコの字型に配され、これから運ばれてくるであろう「豪華な料理」たちを、今や遅しと待ち侘びていた。
席順はスパイダマグのエスコートにより、中央にラディッシュ、右にエルブ国の代表としてドロプウォートが座らされ、チィックウィードは彼女の膝の上。
そして左にはフルール国代表としてニプルウォートが座らされ、以下カドウィードとターナップ、パストリスが左右に分かれて座らされた。
いわゆる、それぞれが持つ「肩書き順」である。
因みに元老院の御歴歴三人は、コの字型のテーブルとは別島として配された長テーブルに、コマクサ、チョウカイ、ハイマツの順で座った。
日頃、肩書など気にしないラディッシュ達であるが故に、公の場として仰々しく座らされ、
((((((なんか、しっくり来ない……))))))
座りの悪さと差別感を覚えたが、
『ゴチソウなぉ♪ ゴチソウなぉ♪』
ドロプウォートの膝の上で料理を待ち侘びる幼子の姿に、
((((((まぁ、良いかぁ?))))))
これから続々運ばれて来るであろう宮廷料理クラスの品々に、期待を膨らませた。
すると厨房があると思われる隣室から一人の男性が姿を現し、
「お初に御目に掛かります、勇者様方。アタクシ、元老院専属の総料理長を務めております「ミネズ」と申します。以後、お見知りおきを」
白いコック帽に、料理人の白衣である「コックコート」を纏った人物が、恭しく頭を下げ、
「では皆さま、アタクシの料理の数々をご堪能下さい」
笑顔と共に退出して行った。
豪華な料理は目前であったが、気になったのは、
((((((アタクシの料理?))))))
自信家であるのを窺わせる、彼の口振り。
あまり好感の持てる表現ではなく、
((((((大丈夫?))))))
不安を抱くと、察したコマクサ、チョウカイ、ハイマツが苦笑を交えて少しバツが悪そうに、
「ぬっほっほっ。性格に少々アレ(難)はあるのだがぁ……」
「腕は確かなのですよ、腕は」
「ま、まったくなのですなぁ」
((((((元老院の人にも、そう思われてるんだぁ……))))))
これから出される料理に不安を増すラディッシュ達であったが、
「「「「「「「!!!」」」」」」」
その不安は一瞬にして吹き飛んだ。
スパイダマグと同様に、白い一枚布で素顔を隠した女性たちが手押しのワゴンに乗せて運んで来た海の幸、山の幸、里の幸は華々しく調理され、生野菜なども見た目で分かる新鮮そのもの。
輝いているように見える料理たちに、
(((((((おいしそう!)))))))
率直な総意であった。
やがて運んで来た女性たちの手により取り分けられ、目の前に置かれる料理人が腕を振るった逸品の数々。
元老院の三人の前にも置かれると、コマクサが音頭を取るように、
「さぁさ遠慮なく御食べ下され、勇者様方♪」
頷くラディッシュ達は、
「「「「「「「いただきます♪」」」」」」」
銀フォークを手に、見目麗しくも原材料が何であるか分からない一品を口に運び入れ、
(((((((こっ、これは!)))))))
衝撃を受け、その姿にコマクサ、チョウカイ、ハイマツは満足げに頷きながら、
「どうですかな?」
「中々のモノでしょう?」
「ですよなぁ?」
自分達も食して満足げな笑みを浮かべた。
しかしラディッシュ達の抱いた感想とは、
((((((味が無い……))))))
美味しそうな見た目と相反する味との落差から、衝撃を受けていたのであった。
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