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第四章
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バーサーカーと化したラディッシュの拘束が、いつ解けてもおかしくない状況にありながら、人とは思えぬ猛りでもがく彼の傍らに、静かに跪き、
「貴方を支えるべき誓約者でありながら、貴方を「この様な姿」に変えてしまい……謝罪の言葉もありませんですわ……」
彼の頬に優しくキスをし、
『ガ……』
獣の呻きを短く上げたと共に、次第に意識がはっきりして行くのを感じるラディッシュ。
まるで雨ばかりの梅雨空に晴れ間が差すように、彼の体から無秩序に放たれていた地世の黒い気配が収まりを見せ始めると、
「ドロプ……さん……?」
いつもの物腰柔らかな優しい声に、ドロプウォートは安堵の涙を流しながら、
『誓約者ドロプウォートは、勇者ラディッシュに永久(とわ)なる献身を誓います』
「え?」
唇に唇を近づけると、
『サセヌゥウゥウウゥゥッ!』
妖狐ハクサンが、サジタリア、グラン・ディフロイスと戦闘を繰り広げながらも「隔絶の立方体」を、永遠なる誓いを立てようか言う二人にぶつけようとしたが、
『ワレは無粋なマネをするでなァい!』
『ホント、出歯亀は犯罪だよ♪』
二人は攻撃の手を強め、さしもの妖狐ハクサンも七草二人を同時に相手していては、
『おのれぇえぇぇぇぇえぇえぇ!』
守りを強化せざるを得ず、更なる攻め手を封じられ封じられた形となり、
(ぼくぁ百人の天世人序列一位だぞぉ! そのぼくぁ、今度はぁアイツの弟子に負けると言うのかぁ!)
猛る脳裏をよぎったのは、結果的に一度として勝つ事が出来なかったラミウムの横顔。
『認めない認めない認めない認めない認めないぼくあぁ認めないぞぉおぉおぉぉおおぉぉおッ!』
狂ったように咆哮し、白き輝きを全身から放ったが、
「ッ!」
「「ッ!」」
ソレすらかすむ、強く、気高く、神々しい「白き輝き」が。
そこに居たのは、唇を重ねたラディッシュとドロプウォート。
サジタリアとグラン・ディフロイスは眩しさに手をかざし、
「やっと目覚めおったか! しかしなんとぉ!」
「ホント凄いねぇ、未だかつて見た事が無い輝きだよぉ♪」
感嘆しつつ、
(はてさて若人(わこうど)の二人の刃が向かう先は、何処(いずこ)か)
(ホント、敵に回ったら惜しい逸材だねぇ♪)
この戦いが終わった先を見据えていた。
そんな中、妖狐ハクサンは獣の四つ足で地団駄を踏みながら、
『ぼくぅより上の存在なんてぇ、ぼくぁ認めなァアァい!』
受け入れ難い現実を前に喚き散らし、
『魔王を生み出した天世人の勇者なんかぁ、ぼくぁ成敗してやるぅ! アイツは、ぼくぉお陰で処刑を免れたんだぞぉぉおおっぉぉおぉおぉ!』
神々しく強大な光りを放ち立つ二人を前に、
『消えちゃえぇぇええぇっぇぇっぇぇぇえぇ!』
残っていた立方体の全てを、闇雲に投げつけた。
しかし、
『ッ!』
彼を静かに見据えるラディッシュとドロプウォートに当たるどころか、立方体たちは二人に近づいただけで昇華、気化して霧散し、
「そっ、そんなぁ!?」
天法の質、強さ、その他の全ておいて規格外であるのを、思い知らされる妖狐ハクサン。
(ま、またぁぼくぁ「万年二位」にぃ……)
言葉にならない悔しさが込み上げ、
「クゥッ!」
獣の顔を怒りで歪め、
『もぅ何もかもぉ全て壊してやるぅうううぅうぅッ!』
人用サイズの操作パネルの方に、巨大な獣の手をかざすと、眩き白き輝きに包まれたラディッシュとドロプウォートがカッと両目を見開くと同時、
『『ハァクゥサァンアァン!』』
二人は天技の白き刃を放ち、
ズバァバァババアァアァッ!
『ギャィヤアァァアァァァアアァ!』
異音と共に、彼は耳鳴りがするほどの悲鳴を上げ、
ズドドドォオォォォオ!
その巨体を地に横たえた。
「貴方を支えるべき誓約者でありながら、貴方を「この様な姿」に変えてしまい……謝罪の言葉もありませんですわ……」
彼の頬に優しくキスをし、
『ガ……』
獣の呻きを短く上げたと共に、次第に意識がはっきりして行くのを感じるラディッシュ。
まるで雨ばかりの梅雨空に晴れ間が差すように、彼の体から無秩序に放たれていた地世の黒い気配が収まりを見せ始めると、
「ドロプ……さん……?」
いつもの物腰柔らかな優しい声に、ドロプウォートは安堵の涙を流しながら、
『誓約者ドロプウォートは、勇者ラディッシュに永久(とわ)なる献身を誓います』
「え?」
唇に唇を近づけると、
『サセヌゥウゥウウゥゥッ!』
妖狐ハクサンが、サジタリア、グラン・ディフロイスと戦闘を繰り広げながらも「隔絶の立方体」を、永遠なる誓いを立てようか言う二人にぶつけようとしたが、
『ワレは無粋なマネをするでなァい!』
『ホント、出歯亀は犯罪だよ♪』
二人は攻撃の手を強め、さしもの妖狐ハクサンも七草二人を同時に相手していては、
『おのれぇえぇぇぇぇえぇえぇ!』
守りを強化せざるを得ず、更なる攻め手を封じられ封じられた形となり、
(ぼくぁ百人の天世人序列一位だぞぉ! そのぼくぁ、今度はぁアイツの弟子に負けると言うのかぁ!)
猛る脳裏をよぎったのは、結果的に一度として勝つ事が出来なかったラミウムの横顔。
『認めない認めない認めない認めない認めないぼくあぁ認めないぞぉおぉおぉぉおおぉぉおッ!』
狂ったように咆哮し、白き輝きを全身から放ったが、
「ッ!」
「「ッ!」」
ソレすらかすむ、強く、気高く、神々しい「白き輝き」が。
そこに居たのは、唇を重ねたラディッシュとドロプウォート。
サジタリアとグラン・ディフロイスは眩しさに手をかざし、
「やっと目覚めおったか! しかしなんとぉ!」
「ホント凄いねぇ、未だかつて見た事が無い輝きだよぉ♪」
感嘆しつつ、
(はてさて若人(わこうど)の二人の刃が向かう先は、何処(いずこ)か)
(ホント、敵に回ったら惜しい逸材だねぇ♪)
この戦いが終わった先を見据えていた。
そんな中、妖狐ハクサンは獣の四つ足で地団駄を踏みながら、
『ぼくぅより上の存在なんてぇ、ぼくぁ認めなァアァい!』
受け入れ難い現実を前に喚き散らし、
『魔王を生み出した天世人の勇者なんかぁ、ぼくぁ成敗してやるぅ! アイツは、ぼくぉお陰で処刑を免れたんだぞぉぉおおっぉぉおぉおぉ!』
神々しく強大な光りを放ち立つ二人を前に、
『消えちゃえぇぇええぇっぇぇっぇぇぇえぇ!』
残っていた立方体の全てを、闇雲に投げつけた。
しかし、
『ッ!』
彼を静かに見据えるラディッシュとドロプウォートに当たるどころか、立方体たちは二人に近づいただけで昇華、気化して霧散し、
「そっ、そんなぁ!?」
天法の質、強さ、その他の全ておいて規格外であるのを、思い知らされる妖狐ハクサン。
(ま、またぁぼくぁ「万年二位」にぃ……)
言葉にならない悔しさが込み上げ、
「クゥッ!」
獣の顔を怒りで歪め、
『もぅ何もかもぉ全て壊してやるぅうううぅうぅッ!』
人用サイズの操作パネルの方に、巨大な獣の手をかざすと、眩き白き輝きに包まれたラディッシュとドロプウォートがカッと両目を見開くと同時、
『『ハァクゥサァンアァン!』』
二人は天技の白き刃を放ち、
ズバァバァババアァアァッ!
『ギャィヤアァァアァァァアアァ!』
異音と共に、彼は耳鳴りがするほどの悲鳴を上げ、
ズドドドォオォォォオ!
その巨体を地に横たえた。
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