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無知な勇者達の旅路編

面倒事に首突っ込みたがるのは勇者なんて通用しない

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俺達は目的があって、城下町の市場に来ていた。いや、呪いの腕輪じゃなくて。あれは勝手にミーちゃんが買っただけだから。誤解しないで?

まあ、旅に必要な食糧や装備を揃えるのもそうだけど、1番の目的は情報収集。ルーが探す範囲を絞ってくれたとはいえ、68万体もの魔王を片っ端から探すのは流石に不可能だ。だから、情報を提供してもらう代わりに、菓子折りをどうぞ的な感じで…………と、考えていた訳ですが。

「呪いの腕輪しか見てなかった☆ごめんちゃい♪」
いや、だってミーちゃんが見せてきたのが始まりだもん!最初はちゃんと菓子折り探してたもん!!
だからそんな冷ややかな目で見ないでよ!?

「ああ……これが真正の馬鹿って奴か」
「ジルが偉そうに言える立場じゃ、ないと思うわ」
真正の馬鹿ジルドレードだもんね。もしくは残念戦士ジルドレードだもんね。そう言われても仕方ないね。

「馬鹿にしてんのかーーーっっ!!」
俺達がする前に既に馬鹿なんだから、馬鹿にする必要無いよ!
「まあ、そんなことは置いといて」
「置いとくなっっ!」

「そんなことだろうと思って、私達で買っておいたわよ」
「えっ、ほんと!?ありがとうレナ!!」
やっぱりレナは頼りになるなぁ。よし、決めた!

「これからレナのこと、『姉御』って呼ぶねっ!」
「いっぺん燃やしてやろうか……?」
すみませんふざけました謝りますごめんなさい。
むぅ…………難しいなあ。なんて呼んだらいいかな……。
「あだ名考えなくていいから。さっさと行くわよ」


「やっと着いたぜ魔王城!!」
「噴水から歩いて10分程度ですけどね」
いやー、疲れましたねぇ。今日は宿取って後日に回して……
「ジル、ディルを絶対に逃がさないで」
「了解!」
ちょ、うわあああ!やめろぉぉぉぉぉ!!

現在の状況?ジルに羽交い締めにされてる。後地味にミーちゃんが足踏んでくる。痛い。
実力的にはジルを振りほどいて逃走可能。でも後が怖い(レナ的な意味で)。俺、魔法はからきしだからレナやミーちゃんに魔法使われるとなぁ。耐性はあるからレナの炎は無視出来るとして、ミーちゃんに結界を張られると……結界は魔法でしか壊れないみたいだし。8歳の時点で学習済だよ☆

「ほらっ!駄々こねてないで行くわよ!!」
「めんどくさいぃぃぃぃ……」
「なあ……引きずっていくの、俺なんだけど」
「頑張ってください、ジル」

勇者も、面倒事は、嫌いなんです。
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