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六月十四日(金)

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 ほんの少しの間、三角公園のベンチに腰掛けた。
 こないだと違う白猫が隣で眠っていた。
 真上にあるお天道様をふわふわお背なに吸い込んで、熱々になってる。
 あたしは、その背中を火傷しないように撫でながら、
 「きみはしあわせ?」って訊いてみる。
 白猫はうすめを開けて、大きなあくびをして、向きを変えて、また眠るの。
 あたしもこのまま眠りたいなぁ~。

 アーモンドミルクラテを片手に、白猫を羨ましがってみる。
 あたしはこんなにも上手に太陽を浴びることができるかしら。
 ああ、無防備なこのあたしは、このベンチで紫外線に黒焦げにされて、乾燥やもりみたくペラペラになって、風に飛ばされて、やがて粉々の塵になって、なかったことになるのかしら。
 太陽に人差し指を透かしてみる。
 そういえば、近頃くねくねしてなかったわね。

 さて、ラテも飲み終わったし、陽に焼かれないうちに腰をあげましょか。
 誰にも気づかれないように、こっそり指先だけでくねくねしたら……と。
 それでは白猫さん、またね。

 あら、赤いペディキュアがはげかかってるじゃない。


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