嘘は愛。

魔乱

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寝言

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春菜

「おっきい~」
熱がでた徹くんの家にきた。
ものすごくおっきい。
「おっきくないよ。」
と笑う徹くんだけどなんか心配してるような目をしてる。

「徹くん」

「ん?どうしたの?」

「お母さんとお父さんは?」

「父さんは今海外で遊んでるよ。母さんは手術失敗しちまって…な」
と苦笑いする徹くん

「そうなんですか…」

「うん。ごめんな。暗い話になっちまったか?」

「ううん。大丈夫ですよ」

「春菜ちゃんのお父さんとお母さんは?」
…お父さんとお母さん…

「春菜ちゃん?」

「お母さんは私を産んですぐ亡くなっちゃって…でも!お父さんは家にいます!」
無理があった。

「春菜ちゃん…ほんとに?」

「えっ?」

「泣きそうだよ?ごめん。聞いて欲しくなかった?」

「いえ…お父さんは…」

「うん」

「昔事故で…」

「うん」

「亡くなっ…」
やばい…涙が
ポロッ
とまんない…

「春菜ちゃん」
ギュッ
えっ…

「と、徹くん…?」

「1人でよく頑張ってきたね」
…ブワッ
涙がどんどん出てきて…とまんないや

「徹くんっ」
私も徹くんの背中に手を回した。

それから私の涙が止まるまでずっと抱きしめてくれた。
「…ごめんなさい…もう大丈夫…」

「そっか」
と優しく笑って私の頭をなでた。

「辛い時はいって?」

「はい…ありがとうございます…」

「その敬語やめようよ」
と笑う。

「でもっ…」

「敬語じゃなくていいよ。でもその代わり!俺春菜ちゃんのこと春菜って呼んでいい?俺のことも徹って言って?」

「春菜って呼ぶには…全然いいですけど…私が徹っていうのは無理です…」

「じゃあため口で話して?お願い」
と太陽みたいな笑顔で笑う。
いつみても眩しい。

「わかり…わかった!」

「よし」

「徹くんは…徹くん?」
寝てる。ふふっ昨日の私だ
「おやすみ」

「スー…春菜…」
徹くんは私の名前を呼んだ。
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