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色々整理するのは当然で。
気絶落ちは基本中の基本だからね。慣れた。
しおりを挟む懐かしい夢を見た気がする。
久しぶりに大きなケガを治すための治癒魔法を使ったから、魔力が枯渇して倒れたんだっけとか思いつつ目を開くと、磨かれた木が組み合わせられたきれいな天井が見える。
ん?
確か私、天幕の中で倒れたんじゃ
もぞもぞ起き上がる。服も乗馬服ではなく、柔らかいリネンでできたパジャマと言うか、ネグリジェだった。私の……と言うかリリアーネのものじゃない。
枕もとの机に、水差しとコップ、小さなベルと、起きたら鳴らすようにというメモが置いてある。
遠慮なくベルを鳴らして、水差しから直接水を飲み終えたころ、ドアがノックされる。返事のあと入ってきたのは、辺境伯宅のメイド長、メグ。
「あー えっと。おはようございます?」
「おはようございます。もうお昼過ぎでございますよ」
持っていたたらいをベッドサイドに置いて、浸されていたタオルを絞って渡してくれる。
「……ってことは、私、一日以上寝てたってこと……」
「丸二日お休みでございました」
魔力枯渇は寝たら回復するけど、私、魔力量が多いから、枯渇すると復活するまで時間かかるんだよね。今も体感で三分の一くらい戻ったかなーってとこだし。
暖かいタオルで顔を拭いていると、またドアがノックされ、メグが答えると、若いメイドがワゴンを押して入ってくる。
ワゴンの上には病人食の定番、パンがゆが載っている。
ベッドで食べるかと聞かれたけれど、断ってテーブルでいただく。うむ、パンもミルクもおいしい。この甘みは蜂蜜かな。
お代わりを所望したら『おなかがびっくりするのでだめです』と言われた。これだから有能なメイドは!! 全然足りないけど絶対これ以上は出してくれない。私の体を気遣って。
「旦那様がお待ちですので、ご準備いただけますか?」
そう言われて、きょろきょろとバッグを探すと、こちらですねとメグが持ってきてくれた。
その中から動きやすいドレスを出して、パパッと着替えようとしたら、メグが手伝ってくれた。
その場で寝るために三つ編みにされていた髪をきちんとまとめてもらって、柔らかい室内履きも取り出してバッグを腰につけ、メグに連れられて屋敷の中を行く。
これまでさりげなく行くのを止められていたエリアを進み、重厚なドアの前でノックして待つ。
ほどなく返事があり、メグが開けたドアの向こうへ。
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