120 / 129
過ぎたるは猶及ばざるが如し
あー……? なんでだっけ?
しおりを挟むだって、ナカの気持ちいいとこ、擦り切れるんじゃないかってくらい擦られてひっかけられて。
体の最奥の、自分自身ではその存在すら気にも留めない場所を広げられる感触にゾクゾク背筋を電気が走るのに、このままじゃ絶対、イけない。
「そんな必死に首振らなくても。んじゃさ、もう気持ちイイって一言でいいから言って。そしたらイかせてやるよ」
乳首に結びつけた糸を弄びながら、覆いかぶさってた藤也が耳元に口を寄せて、甘い毒を流し込むみたいに、言う。
言ったら、イける? この、限界を行き過ぎてわけわかんなくなった状況から、抜け出せるの?
すごい近くにある、藤也の顔。藤也の目も、なんか、熱っぽく潤んでるんだなぁとか今更気づいた。
「イイ子だから言ってみな? キモチイイって、五文字だけ。エロいこと言えって言ってんじゃねぇから、言えるだろ?」
言いながら、目や鼻やおでこに、ふわふわキスが降ってくる。
「実際、どう誤魔化しても今、真琴は気持ちイイんですから、素直に言うだけですよ。恥ずかしいこともないでしょう?」
抽挿を繰り返しながら、柊也がなんかもう、今までで一番優しげな声音で言う。
言われた、とおり、なんだけど。
でもなんか、とにかく、気持ちイイってことを認めたら負けだと思ってぜってー言わねぇ! って耐えてたんだけど、あー……? なんでだっけ?
もー よくわかんない。こんだけ言われてるってことは、二人には俺の状態なんかずっと前からバレてて……そうだよなぁ ずっと前から言われて続けてたもん。
「マコ、ほら、気持ちイイだろ?」
ちゅっと、唇に、触れるだけのキスをして、藤也が、視点が合うくらいまで顔を離して、でもぼやけてて……でも、すっごい、やさしー顔で笑ってるのは、わかって。
「真琴が気持ちイイと感じて、素直に言ってくれるだけで、私たちは嬉しいんですがねぇ……」
うー あー もう。なんなの。なんでしみじみした口調でそう言うこと言うんだ。言わなきゃ 俺がしてほしいことしないって言われるのなら、なんかもう、全力抗いたい気分になるのに、そう言う言い方は、卑怯だ。
「ぅん……きも、ち……いー」
今まですごい、我慢してた分、気持ちイイって言葉は、コロッと簡単に口の端からこぼれた。
「うん。そうそう。マコは乳首、こうやって弄られると気持ちイイよな?」
すぅっと、藤也が覆いかぶさってきて、乳首に、喋った声の息がかかる。
「やっ だめッ 歯……乳首、擦れッ 千切ッれっ!!」
そのまま吸い付いた藤也の歯が、乳首を食んで巻きついた糸を引き上げていく。
乳首の側面がこそがれるみたいになりながら、ひっぱりあげられる。舌とも指とも違うざりざりした感触が、そのまま、背骨までざりざり擦りあげていく。
「んひゃあああッ!!」
糸が外れた乳首を、舌が労わるように柔らかく舐める。
「本当に。ちょっと意識が緩むのと同時に体もつられいい具合に力も抜けていたのに、乳首一つの刺激ですごいですね」
「キュイキュイ来んだろー? もう片方は……テッペン上り詰めるくらい気持ちよくなるために、イく時にしよっか?」
疑問形だけど、まあ、俺の答えなんか求めてのセリフじゃない。言いながら藤也が、俺の頭の上の方から、右側に移動する。
「やっぱり、イく時の顔は突っ込みながら見たいよなぁ? あー 俺ってなんつーお兄ちゃん想いなんだろ」
「……セリフは白々しい上に気持ち悪いですが、心遣いは感謝しましょう」
ああ、もう。なんなのこの兄弟。
「真琴」
呼ばれて、涙の膜が張った視界を瞬いてクリアにして、柊也の方を見る。
体勢が、こう、腰の方が頭より高いから、柊也を見上げたら自分の置かれてる状況もよく見えるわけで……
藤也の言うとおり、じゅぐっと入れられるのと同時に、もはや透明なだけの液体を、少しずつ零し続ける中心とか、その体液に濡れてぺったり体に張り付いている薄い毛だとか、弄られすぎて真っ赤に腫れて。
片方だけたこ糸が巻きついた乳首だとか……もう、エロい。
「こうやって、抜く時にイイところをひっかけられるのも」
「んっ!?」
「そしてまた奥まで広げられるのも、気持ちよくて仕方ないでしょう?」
ゆっくりとぎりぎりまで引き抜いて、早すぎない速度でまた埋まってくる。
「んふ。は。やっ そこ……」
ずるずると引いて、ぬるぬると押し込む。
「ここですか?」
もう何度も何十回も、もしかしたら三桁まで行くくらい、太いモノで刺激された場所を、今更確認するように細かい抜き差しでゴリゴリする。
その動きに合わせる様に、勝手に腰がかくかく揺れるなぁと思ってたら、知らないうちに両足が柊也の腰をがっちりしがみついていた。
「ここが、どうしました?」
その声音に、何とも楽しそうな気配を隠そうともせずに、柊也が問うてくる。
「そこ、気持ちい……ひゃあう」
「ここだけじゃないでしょう?」
「ん……っん!」
頷くと、何度受け入れても入れられるたびに押し開かれてる感じがする奥へ、進んで、止まった。
10
お気に入りに追加
535
あなたにおすすめの小説
幼女からスタートした侯爵令嬢は騎士団参謀に溺愛される~神獣は私を選んだようです~
桜もふ
恋愛
家族を事故で亡くしたルルナ・エメルロ侯爵令嬢は男爵家である叔父家族に引き取られたが、何をするにも平手打ちやムチ打ち、物を投げつけられる暴力・暴言の【虐待】だ。衣服も与えて貰えず、食事は食べ残しの少ないスープと一欠片のパンだけだった。私の味方はお兄様の従魔であった女神様の眷属の【マロン】だけだが、そのマロンは私の従魔に。
そして5歳になり、スキル鑑定でゴミ以下のスキルだと判断された私は王宮の広間で大勢の貴族連中に笑われ罵倒の嵐の中、男爵家の叔父夫婦に【侯爵家】を乗っ取られ私は、縁切りされ平民へと堕とされた。
頭空っぽアホ第2王子には婚約破棄された挙句に、国王に【無一文】で国外追放を命じられ、放り出された後、頭を打った衝撃で前世(地球)の記憶が蘇り【賢者】【草集め】【特殊想像生成】のスキルを使い国境を目指すが、ある日たどり着いた街で、優しい人達に出会い。ギルマスの養女になり、私が3人組に誘拐された時に神獣のスオウに再開することに! そして、今日も周りのみんなから溺愛されながら、日銭を稼ぐ為に頑張ります!
エメルロ一族には重大な秘密があり……。
そして、隣国の騎士団参謀(元ローバル国の第1王子)との甘々な恋愛は至福のひとときなのです。ギルマス(パパ)に邪魔されながら楽しい日々を過ごします。
天寿を全うした俺は呪われた英雄のため悪役に転生します
バナナ男さん
BL
享年59歳、ハッピーエンドで人生の幕を閉じた大樹は、生前の善行から神様の幹部候補に選ばれたがそれを断りあの世に行く事を望んだ。
しかし自分の人生を変えてくれた「アルバード英雄記」がこれから起こる未来を綴った予言書であった事を知り、その本の主人公である呪われた英雄<レオンハルト>を助けたいと望むも、運命を変えることはできないときっぱり告げられてしまう。
しかしそれでも自分なりのハッピーエンドを目指すと誓い転生ーーーしかし平凡の代名詞である大樹が転生したのは平凡な平民ではなく・・?
少年マンガとBLの半々の作品が読みたくてコツコツ書いていたら物凄い量になってしまったため投稿してみることにしました。
(後に)美形の英雄 ✕ (中身おじいちゃん)平凡、攻ヤンデレ注意です。
文章を書くことに関して素人ですので、変な言い回しや文章はソッと目を滑らして頂けると幸いです。
また歴史的な知識や出てくる施設などの設定も作者の無知ゆえの全てファンタジーのものだと思って下さい。
病んでる愛はゲームの世界で充分です!
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
ヤンデレゲームが好きな平凡男子高校生、田山直也。
幼馴染の一条翔に呆れられながらも、今日もゲームに勤しんでいた。
席替えで隣になった大人しい目隠れ生徒との交流を始め、周りの生徒たちから重い愛を現実でも向けられるようになってしまう。
田山の明日はどっちだ!!
ヤンデレ大好き普通の男子高校生、田山直也がなんやかんやあってヤンデレ男子たちに執着される話です。
BL大賞参加作品です。よろしくお願いします。
sweet!!
仔犬
BL
バイトに趣味と毎日を楽しく過ごしすぎてる3人が超絶美形不良に溺愛されるお話です。
「バイトが楽しすぎる……」
「唯のせいで羞恥心がなくなっちゃって」
「……いや、俺が媚び売れるとでも思ってんの?」
僕の兄は◯◯です。
山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。
兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。
「僕の弟を知らないか?」
「はい?」
これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。
文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。
ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。
ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです!
ーーーーーーーー✂︎
この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。
今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。
伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃんでした。
実際に逢ってみたら、え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこいー伴侶がいますので!
おじいちゃんと孫じゃないよ!
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる