あい らぶ? こめ。

神室さち

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過ぎたるは猶及ばざるが如し

本物じゃなくて先走りでも不味いわッ!!

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「もうボチボチ、ラストスパート行こうと思ってたんだけどイイ?」

「いいですよ、思う存分どうぞ」


 いや違うだろう!? 藤也よ、その質問は俺にすべきだろ!? そして平然と答えるな柊也!!


「なら遠慮なく」

「あっ!? ひぃあッ!! あっ!! ああッ!! あっ ダメっ 触んな……っで!!」

 言うが早いか、藤也が先ほどまでと違う速さでずがずが抜き差し回す。

 がっくがっく揺すられて、その勢いに勃ってんだか体を逆にされての重力なのか、下に、俺の頭側に向いたそれが、少しずれたリズムでぺちぺち腹に当たってたんだけど。

 もぎゅっと握りこまれて、きゅっと体に力が入る。

 滴を垂らしっぱなし俺のモノを、柊也が柔らかく握りこむ。むかーし、小学生の頃、遠足で行った農業公園で教えてもらった乳搾りみたいな手つきで、俺のをむぎゅむぎゅってする。

「マコ、締めすぎッ 食いちぎる気!? もうちょっと緩めてくれないと動けないですけどッ!?」

 俺のをやすやすと握りこんだ手は、振動による上下運動に大体合わせて動きながら、中から精子搾りだす感じで、ひとさし指から小指まで、順に動く。

「やっ!? んなの、しらなぃッ!! やぁんっ……んなとこ、あんっ!! 搾んないでッ!! んぐっ うぇっ」

 口ッ! 口の中ッ!! 自分のがッ!!

「ほらほら、余計なことを言ってるから、口に入るんですよ? どんな味ですか? 搾りたての自分のミルクの味は」


 んなもん、本物の精液じゃなくて先走りでも不味いわッ!!


 何度かやられて、柊也の手はそこから離れ、腹や胸に付いた、先走りのちょっと濃い感じのを塗り広げていく。

「あー もう俺『マコより早くイくなんて、おにーちゃんのばかぁッ! 早漏ッ!!』とか罵られていい。いつ持ってかれても本望」

 ならさっさとイけ!! 今すぐイけ!! 人の中を我が物顔でこねくり回してないでいい加減終われ!! 長いんだよ!!

「俺が先だったら言って?」

 そんなセリフ誰が言うか!! お前が早漏だったら世の中のみなさんみんなまとめて超早漏だよ!!

 俺が今までイかなかったのは、さっきイったばっかりってのと、直接刺激がなかったからだってことくらい、柊也に握られて分かったし!!

 搾られたけど、実はずっと欲しかった刺激に、またやられたら絶対イく。

「んひゃ! ひゃんっ!! や。やめっ!? ああんっ!? なっ? に?」

 藤也の戯言に、突きまわされるがまま喘ぎながら何とか首を横に振ってたら、また握られた。

 幹の部分を再び搾られた上に、もう片方の手で鈴口を擦られる。その刺激に、もうイきそうって思ったのに、さっきとは違う。

 なんで? って思ったら、答えは簡単だった。

 柊也が、根元の方、人差し指と親指でぎゅっと握りこんでるから、なんも出ない。で、他の指が幹の部分をさっきと同じようにもぎゅもぎゅ動く。

 ただ、刺激だけが強くなる。

「ゃんッ! やめっ あんっ 離し……て。苦し……とーや、ソコばっか、やだぁ」

 体が熱くなるのは、堰き止められた上に、内側のあの場所をしつこくひっかけられてるからだ。そもそも太いのに、更に括れて張ったところでガリガリやられたら、堪らない。

 しかも、これまでは俺がイきそうになったら他のところをかき回したりしてはぐらかしてたのに、今は意地が悪いくらいにそこばかり責め立てられる。

「どうしたいですか? 真琴」

「んっ も……ぃきたッ しゅーやっ て、はなっしてぇ」

「いいですよ」

 切れ切れに懇願したら、拍子抜けするくらいあっさり、柊也が手を離してくれた。堰き止められていた部分が、突かれる勢いに頼りなく揺れて自分の腹にぺちぺち当たる。

「あ? ぁん……あぅ?」

 堰き止められるのがなくなればいいと思ったのに、今度はあまりの刺激のなさに放り出されたような感じ。

 無意識に伸ばした手を、体をずらして俺の横に移動した柊也に取られて、両手まとめてあっさり片手で拘束された。

「んや。あんっ あふぅ……んんっ 離し……」

 手と手の間に人差し指を挟むようにしてがっちり捕えられ、そのまま頭の上へ。

「今日はいろいろ『自分で』してくれましたから、自慰はこの間も見せてもらいましたし、今回はしなくていいです。またいずれ披露して頂きますよ」

 バンザイするような体勢になって袖だけ通した服も捲れたのか、するりと脇を擽られる。

「やぁんっ! や。触ッ り、たぃ もー イきたい、からぁ」

「んー 結構俺、頑張ったんだけど後ろだけってのはやっぱムリか」

「この様子ならすぐに慣れそうですけどね。真琴、代わりに触ってあげましょうか?」

 脇を撫でた手が、そのままするすると脇腹を抜けて太腿をさする。

「んっ! っも、ぎゅうって、やだぁ」

 かくかく頷いて、でもさっきみたいに出せないほど握られるのは嫌で、首を横に振る。

「こうですか?」

「んひゃぁああんっ!!」


 何の前触れもなく、ぎゅ、と、握られて、責められるまま揺れていた腰が勝手に跳ねて、ビクビク震えた。


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