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OUT OF DAYS
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しおりを挟む毎日毎日哉を詣でている内にハイヤーの運転手とも仲良くなり、車内での会話が何よりの息抜きになってしまった瀬崎が、今日も今日とてやってきたのだが、いつも通りエントランスのパネルで呼びかけてもうんともすんとも反応がない。
十分ほど粘ったけれど、その間に行きかう住人らしき人に不審人物のように流し見られながら十分おきにエントランスに戻って呼び出すこと数回。居ないのか、居留守なのか。
コレで返事がなかったらさすがに帰ろうと思いながら部屋番号を入れるといつも通りに短い返事があってドアが開錠される。
エレベータで昇り、ドアフォンを押すと暫くしてシリンダーの回る音がして、ドアを開くとリビングから開錠できるにも拘らずわざわざ玄関まで開けに来たらしい哉が立っている。
「居留守ですか!? まだ五日目なのに居留守使っちゃいますか!? 俺のことなんてもうどうでもいいってことですかっ!?」
ああこの目は『どうでもいい』って物語ってるなと思いながらいつも通りリビングへ上がりこむ。途中、いつもなら電気も付いていないキッチンが明るい事に違和感を持ってちらりと中を窺うと女の子がちまちま動いているのが見えた。アレか!! と喉の先まで出かけた言葉を生唾と一緒に何とか飲み込む。
「居留守じゃない。さっき帰ってきたんだ」
「えええ。俺、ずーっとエントランスにいたのに。あ、駐車場かっ ああ、ホントに今日はなんか服装が違う。うわあ、すいません疑ったりして」
もう一人の存在に気をとられていたがそう言われてよくよく哉を見るといつもと若干雰囲気が違う。
「いや。で、今日の用件は?」
「あ、ハイ……」
哉を見て、それでも気になって生返事を返してキッチンを窺っていると、お盆を手に女の子が現れた。
「あっああッ!!」
「いいから、座れ」
あなたがユキノジュリさんですかッ! と叫びそうになってなんとか叫び声と変換する。
今まで残り香のような気配はちらついても姿の見えなかった樹理がいた驚きで、気付かないまま立ち上がってしまっていた瀬崎に哉が呆れたように声をかける。
「どうぞ?」
「は、どうもっ」
なんだかとても楽しそうな笑顔を見せて、樹理がテーブルにお茶を置いて去っていった。
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