もんもんと汗

ふしきの

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新章

天体観測

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物事が大事になると最後は宇宙で閉めるって、様式美なのかなと映画でもゲームでも少年少女文庫でもぼんやりと考えていました。『大ざっぱにもほどがあるだろ』って、突っ込んでみたくなるのです。
今度、センセが暇になったら顔をだしに行こう。最近顔を会わせたときに普段通りになれるかどうかが心配でした。顔とか、声のとおりぐあいとか、さりげない手の角度とか、御持たせもっていったほうがいいのか、とかまでぐるぐると頭が煮えていたようでした。

そう、夏の納涼ホラーで「終末が来ちゃうよ」ってパンツ見せて踊っている人たちとか「土下座お願い」とかの世紀末モードなのです。毎回飽きることもなく。わたしは、よごれた街と歓楽街で大人げなく喜怒哀楽の鬱憤を晴らしている人たちからは離れて寝具の蚊帳のなかでここでも「白い布をこういう時は被せるんだよ」と、乳母がしわしわの手で糊の硬いシーツをわたしに被せてくるのです。よくわからないけれど危機感が怖くて泣いてしまいました。

夜の蚊取り線香が風の帯で切れないようどこまで延びていくのかそれを見ていて寝付く感じでした。


「ああ、あれ、あれはね、あの本も原文もほとんどの人はうろ覚えで適当に自分で考えて頭のなかで恐れたりこわがったりするものだよ。あの本の作者の最後の言葉はよい言葉と思うけど。ま、売れたら勝ちで続編のおかしなことになったのとテレビのそういう演出に持っていく悪ふざけが過ぎているのに、それさえも視聴率というもので放送倫理が問われたことが薄い」
「センセが真面目に言っている」
「詩や散文ってのは捉え方によって千通りあるからね。大人になって、子どものころ読んでいたおとぎばなしが違った感じに思うってのはよくあることだよ。歳月と雑学と知識は無駄なことは一切ないんだよ」
「そりゃ、ダ・ビンチが空を飛べる発明をしたとか、アホが再現したがっているのを見ては笑うのと、あの時代にすごい人がいたとかいうコメンテーターの嘘臭さを笑うのはどっちが罪深いかな」
「きみの発想が辛辣すぎるほど語っているからそれでいいんだよ」
「でも、美術さんはがんばったのは認めているよ、それを小馬鹿にするとか、最初から飛べないの分かっていながら、お笑い込みで持っていこうとするのがきらいなの。おなさけみたいで、最近お化け物もなんか『スカッとする話』系なの、何がいいたいのかわからん」
わたしの見えるお化けに理由があるような物体をみたことがないからだともう。

世間は惑星直列がどうとかいっているなかで、望遠鏡で観なくても夕暮れには斜めに水金地火木と℃これがどこだがわからないけれどまあるいモノがちっこく光っていました。
「センセ、宇宙行きたいね」
「ん」
「荷物は少なく、好奇心とあこがれで、この銀河の片隅の星からびょーんって飛んでいけたらいいのにね」
「ミディクロリアンあるかな」
「センセ、え、エピソード2のこっぱずかしい、草原ぐるぐるしたいの、同じような星の片隅の壮大なる宇宙に奏でる音楽事件の一抹みたいなの」
「うふふ」
「うふふじゃねえ、ばーかばーか」
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