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第三章:まぁだだよ
有栖_3-1
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「ここか……いざ来ると、ちょっと緊張するもんだ」
有栖は『とある家』の前でそう呟いた。白い三階建ての一軒家――そこの表札を見ると、彼女は妙な緊張感を覚える。そこに書かれている文字は――『一色』だ。
「事前に連絡はしているけど」
とはいえ、上司の一色には内緒だ。有栖が連絡しているのは、この家に住んでいる別居中の家族だ。彼女はインターホンのボタンを、一呼吸入れたあとで押した。
『はい』
機械越しに女性の声が聞こえた。
「先程、連絡した有栖です」
『あぁ、はい。少々お待ち下さい』
かちゃり、と音が鳴ったあと、少し待つと玄関のドアが開き、そこに現れたのは黒いパンツですらっとした脚を覆い、白いブラウスを着たセミロングのワンレングスの女性だった。一重できりっとした目と整った容姿は同性の有栖から見ても美人でカッコイイ女性の印象を与えた。有栖の記憶では四十代半ばだった記憶があるが、見た目はもっと若く見えた。
「どうぞ、中に入って」
優しい声と笑顔を見せて、彼女は有栖を家へと招く。
「はい、失礼します」
有栖は一礼したあと、家への招待を受け入れた。
有栖は『とある家』の前でそう呟いた。白い三階建ての一軒家――そこの表札を見ると、彼女は妙な緊張感を覚える。そこに書かれている文字は――『一色』だ。
「事前に連絡はしているけど」
とはいえ、上司の一色には内緒だ。有栖が連絡しているのは、この家に住んでいる別居中の家族だ。彼女はインターホンのボタンを、一呼吸入れたあとで押した。
『はい』
機械越しに女性の声が聞こえた。
「先程、連絡した有栖です」
『あぁ、はい。少々お待ち下さい』
かちゃり、と音が鳴ったあと、少し待つと玄関のドアが開き、そこに現れたのは黒いパンツですらっとした脚を覆い、白いブラウスを着たセミロングのワンレングスの女性だった。一重できりっとした目と整った容姿は同性の有栖から見ても美人でカッコイイ女性の印象を与えた。有栖の記憶では四十代半ばだった記憶があるが、見た目はもっと若く見えた。
「どうぞ、中に入って」
優しい声と笑顔を見せて、彼女は有栖を家へと招く。
「はい、失礼します」
有栖は一礼したあと、家への招待を受け入れた。
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